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こんな時だからこそ

昨日の富士北麓ワールドトライアルの記事を拝読。

福島選手や指導者の方の心情は、私なりに、少し理解できますね…

9年間指導してきた岸川朱里選手(2010年、11年と日本選手権800mを連覇、広州アジア大会800m4位、日本選手権800m10年連続入賞)の晩年も、同じような状況があり、2015年の日本選手権には、出場することができませんでした。

以前なら簡単にできていた練習ができなくなり、レースでも負けることがなかった選手に負けていく現実。一番辛かったのは選手本人だったと思いますが、指導者の私も、いい時を知っているだけに、本当に辛かったです。

岸川選手とは、何度も話し合い、試行錯誤しながら、トレーニングメニューやケアなどを見直していきました。女子800mという競技の特性を考えた時、25~27歳前後で、身体の変化や、ある能力が低下することがわかったので、今までのやり方への拘りを捨て、新しい取り組みも取り入れていきました。

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その結果、全盛期の力を取り戻すことはできませんでしたが、2015年のレースで、日本選手権の参加標準記録を突破し、翌年の日本選手権には、出場することができました。※同選手権の予選で引退

かつての日本代表選手や日本チャンピオンが、下降線に入っていくと、周りの眼や声は、厳しくなってくると思います。所属先も例外ではないでしょう。でも、こんな時だからこそ、選手の苦しみや心情を暖かく見守ってあげられるような陸上競技界であって欲しいと思うのです。

福島選手は、ご自身のことを、「選手としてダメ」と発言されていらっしゃいましたが、けしてそんなことはないと思います。彼女の今までの功績は色あせないものだし、今のチャレンジも、アスリートとして、すごく意味があることです。なかなか難しいとは思いますが、今の状況を楽しんで、陸上競技に向き合うことができたらいいですね。陰ながら応援しております。

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