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SNSマーケティングで何個商品が売れる?マーケティング全体での捉え方と売上貢献への考え方

SNSを活用したマーケティング活動の支援をしていくなかで、
よく話の中で「この施策をすることでいくら売上が上がるの?」という質問がよく起こる。

特にEC専業の企業であったり、デジタル広告やアフィリエイト中心に販売している企業に多いが、
結論としてはSNSマーケティングを行ったことで厳密に何個売れるかは分からない。

Web上のものであるためGoogleAdsのように測定ができる、いくらかけたら何個売れたが厳密に分かるものと
同じように考えていたり、マーケティングの考え方がCPA中心になっている場合に起こりがちだが、逆に現状のCPAが5,000円で費用対効果が合っている場合に、
なぜ5,000円で合っているのかを考えてみることも重要になってくる。

・市場の広がりに合わせて新規参入してくる企業も増え、自社の商材カテゴリに触れる人が増えた

・どこかで知り合いから商品について知って興味を持った

・類似商品の広告と接触したが、比較していくうちに選ばれた

など、シンプルにデジタル広告に5,000円かけたから売れた、で止まってしまうと
今後の事業の成長性に影を落としかねない。

マーケティング全体を見渡したときに、どのように売上につながっていくの
か概念図をまとめてみる。

◆売上を上げる=商品を販売する施策とは?


商品を「販売する」ための施策と、
商品を「欲しいと思ってもらう施策」
商品と「出会う施策」

は違う。

例えば人間関係に重ねて考えてみるとイメージが湧きやすいかもしれない。

結婚したいと考えたときに、

・結婚するために行うこと
・そもそもいいなと思う人と関係を深めるために行うこと
・いいなと思う人に出会うために行うこと

結婚するためには、

・同棲してみる
・親の了解を得る
・結婚資金を貯める
・ゼクシィを置く

などがあり、
それぞれにやり方や進め方のコツがあるだろう。

逆に出会うための施策は、
・友達に紹介してもらう
・積極的に出会いの場に行く
・マッチングアプリを始める

などあるが、どれも「結婚する」ことには直接つながらず、
ゆくゆく結婚に結びつく「かもしれない」施策である。

しかし、結婚したいと考えたときにそもそも出会わなければ、何も始まらない。
これは「売上を上げたい」と考えたときに同じで、商品を販売する施策として
・ECサイトを立ち上げる・更新する
・商品を魅力的にする(質・価格)
・ほしいと思っている人が買える動線を作る(リスティング、モール出店、店舗出店)

などがある。

その前段階でそもそも商品と「出会う」ためには、

・CMを打つ
・看板を出す
・バナー広告を出す

などのいわゆる「認知施策」を打つことで、
「商品の販売」につながる「かもしれない」人を作ることができる。

しかし、つまるところ看板を出したことで何個「販売することができたのか」について知る由もない。

「売上を上げたい」と考えたときに、直接的な販売施策以外の施策において
「では何個売れるのか?」を考えることは、「友だちの紹介で新しい人に会うこと」が何%結婚に結びつく可能性があるのか?を考えるのとおなじくらい不毛であり、測定不可能なものになっている。

しかし事業全体を見渡して、しっかりと投資費用に対して売上と利益が出ている状態が必要であり、
マーケティング施策全体を通じてROASを測定していくことが重要である。

その測定活動の中で、戦略的に「やること」と「やらないこと」を選択し、
「やらなくしたことでROASが下がった」もの「やったことでROASが上がった」もの
を抽出していくことが必要になってくる。

そして一番効果が現れる部分が「販売施策」になっており、
「いいなと思ってもらう施策」「出会う施策」の効果によって、
投資対効果が上がってくるものになっている。

デジタルであれば、
・GAや広告マネージャーリアルであれば
・POSデータや集客数

などへの跳ね返りを見ていく。


◆数多あるマーケティング活動、どれをやるべきか?


マーケティング戦略上、競合に勝っていくためには
競合がやっていることは競合並、もしく競合以上にしっかりやっていく、

そしてシェアを取っていくためには競合がやっていないことをやっていくことが重要になる。

まずは競合がどんな施策をしているのか洗い出し、自社の取り組みと比較すべきだと考える。

その中で競合がやっていて自社がやっていないものはまず取り組みを始めていく。

気をつけるべきポイントは、自社に一番近いライバルをベンチマークすること。
圧倒的な強者である競合をベンチマークしたとしても、ヒト・モノ・カネで勝てないため、身の丈にあった市場で勝ち筋を見つけていくことが必要である。

◆競合に勝ち、さらなる売上を作っていくためには?


競合がやっておらず自社が新たに始められる「施策」が
頭一つ抜けるために一番の近道であるが、

そのような施策は現代において、よほどの技術革新や新しいプラットフォームができ、
それをいち早くキャッチしリスクを負ってトライするなどしなければならず、
都合の良い近道は存在しないことが多い。

なぜならネット・SNSの世界で情報の流通は早く広いため、
新しい情報は出回る頃にはどこかがすでにやっているため。

この「施策」はいわゆるデータマーケティングやバイラル・マーケティングなど、
〇〇マーケティングの名前がつく、マーケティング施策になるが、
その「施策」は打てば売上が上がる魔法ではない。

本質的に、競合に勝ち、さらなる売上につなげていくためには、
顧客を知り、顧客の求める価値をひたすら提供していくしかない。ここを突き詰めることで、

・競合よりも顧客を知る
・競合よりも顧客の欲しいものを知る
・競合よりも情報を届けること

ができる。

これはマーケティング活動において、当たり前と認識されていることだが、
実践できている企業は少ない。

新しいマーケティング施策に飛びつき、打てば売れるという魔法を信じ、
結果うまくいかずに嘆く、という流れが多くなってしまう。

・なぜ顧客は買ってくれたのか
・なぜ顧客はいいと思ってくれたのか
・なぜ顧客は知ってくれたのか

を突き詰めていくことで、いますでに行っているマーケティング施策が、
競合と違うものとなり、頭一つ抜けることにつながる。


◆SNSマーケティングに落とし込むと


SNSマーケティングと呼ばれているものは主に、

・公式アカウント運用
・インフルエンサーPR
・口コミ作り

の3つに分類されるが、どれも「販売する」施策ではない。

唯一SNSでの「販売する施策」は・SNS広告の施策になっている。SNS広告は商品を買おうとしている人が商品を買える動線を作ってくれるため、
販売に直接つながっていく。

・公式アカウント運用
・インフルエンサーPR
・口コミ作り

に関しては、「販売する」「いいなと思ってもらう」「出会ってもらう」
の3つのフェーズにおいては、「いいなと思ってもらう」「出会ってもらう」部分になってくる。

しかし現代において商品を買うことについてSNSは切っても切り離せないものであると
SNSを使っているユーザーは理解できるように、「販売」につながっていないはずのないものになっている。

そのため、これらの施策のROASは単体で見ても確実に合わないものであり、
マーケティング施策全体、もしくは「販売する施策」の効果アップにおいて確認していく必要がある。

その上でより効果アップしていくために、
公式アカウントであれば、

・ENGを伸ばす
・IMPを伸ばす
・フォロワーを伸ばす
・投稿数を増やす

などの指標が生まれ、もちろん数値が高ければ高いほどこの「間接効果」が高まっていき
結果的に売上につながっていく。

◆まとめ


企業活動において売上を上げていくことは至上命題であるが、
企業は潰れるようにできている原理原則に沿って、常に改善を繰り返していかなければ、持続的な成長は望めない。

マーケティングにおいては、目が行きがちな「販売する」部分以外に、
どんな要因が合っていまの売上が立っているのかを整理し、
適切に「いいなと思ってもらう施策」「出会う施策」を売っていくことで、
さらなる売上につなげていくことができる。シェアトップ企業は市場を広げる「需要喚起」に投資をするが、
それもマーケティング活動全体を見渡したときに重要性が確認できるだろう。

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