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ビートルズ "Blackbird"、私が感じ取った曲の印象

ビートルズの楽曲ひとつひとつについて、私が感じたことをベースに、8項目の音楽的視点からポイント評価したコンテンツを公開しています。最後のアルバム LET IT BE から順に過去へさかのぼって、1曲づつ投稿しています。

第 46回目、今日の楽曲は...

アルバム THE BEATLES B面 3曲目 "Blackbird"

サウンド:★★☆
メロディ:★★★☆
リズム :★★★
アレンジ:★★★★
第一印象:★★★
スルメ度:★★★
独創性 :★★★☆
演奏性 :★★★★☆

<★ ... 1点 ☆ ... 0.5点、5点満点、各項目の解説は最後にあり>

ポールが得意とするアコースティック・ギター弾き語りの曲である。ツーフィンガー奏法をメインに、ときおりコード・ストロークが入るという、独特な奏法が特徴的。特に難しいことはしていないが、コード進行に定番のクリシェが登場しまくっている。

Aメロでの、"Take these broken wings..." の部分のコードが C→A7→D→B7→Em となっており、内声が C→C#→D→D#→E という半音上昇クリシェ。そして、そのすぐあとの "... fly / All your lile / You were only waiting ..." の部分のコードが Em→EmM7→D→A7→C→Cm→G→A7→C→G となっており、内声が前半では E→D#→D→C#→C、後半では E→Eb→D→C#→C→B という半音下降のクリシェになっている。よほどこのパターンがお気に入りなのだろう。

左チェンネルから「コツコツ」聞こえているのは振り子式のメトロノームの音かと思う。確かに、ドラムを入れるほどの曲でもなく、かといってアコギ 1本では、ちと寂しい。普通、マラカスやタンバリンなどのパーカッションで、軽くリズムを入れるというノリになるかと思う。しかしそうではなく、テンポガイドのようなあえて単調で機械的なメトロノーム音を、レコーディングに使用してしまうという発想がすごいと思う。

そしてこの曲も、変拍子のオンパレードである。イントロから 3/4→4/4→3/4→4/4(3小節)→2/4→4/4(3小節)で、Aメロの終わり。サビにも 2/4 が登場する。それはさておき、きれいなボーカル・ラインはもとより、コード・アレンジの美しさに加え、変拍子を感じさせないシンプルなリズム音に関する工夫も天下一品である。

あくまで曲の印象を具体的に表現するための手段です。曲をランク付けする意図はありません。


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