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ビートルズ "Yer Blues"、私が感じ取った曲の印象

ビートルズの楽曲ひとつひとつについて、私が感じたことをベースに、8項目の音楽的視点からポイント評価したコンテンツを公開しています。最後のアルバム LET IT BE から順に過去へさかのぼって、1曲づつ投稿しています。

第 54回目、今日の楽曲は...

アルバム THE BEATLES C面 2曲目 "Yer Blues"

サウンド:★★★★
メロディ:★★★
リズム :★★★☆
アレンジ:★★★★
第一印象:★★☆
スルメ度:★★★★
独創性 :★★★☆
演奏性 :★★★★

<★ ... 1点 ☆ ... 0.5点、5点満点、各項目の解説は最後にあり>

重厚感あふれるスローなブルース・ロック。プレスリーのようなジョンのシャウト・ボーカルが、全曲にわたり存分に聴ける。基本の拍子は 12/8だが、途中で 4/4拍子に変わったり、同じ Aメロでありながらシャッフルになったりと、リズムのパターンがかなり複雑に変化している。もちろん変拍子も絶好調で登場しまくる。

コード進行はブルース進行かと思いきや、若干異なる部分がある。キーは Eメジャーなので、通常のブルース進行であれば、E、A7、B7 のスリーコードとなるが、この曲では G が登場する。Aメロ 5小節目の "If I ain't dead already..." の部分が G である。このコードにより、ベタなブルースではなく、ちょっと洗練された響きを持つ曲になっていると思う。

そしてこの曲は、やはりギター・サウンドがカッコいい。オブリガード風に入っているギターリフは、コードで素早くかき鳴らす部分と、シングル・トーンでチョーキングしている部分とで構成され、Aメロでは毎小節に登場して非常に特徴的なサウンドになっている。そして間奏のギターソロも今までにない構成で、前半は中音域の 3連のコード・ストロークのみに対して、後半は非常に高い音で鋭いシングル・トーンを前面に出している。

ベースの音もゴリゴリした感じで、フレーズ自体はシンプルではあるが、ハードさがよりいっそう増している。ドラムも、比較的基本に忠実ではあるが、若干フィルが多めに入っている。スネアがなぜか、ギターソロの部分でオーバーダブされており、しかも微妙にタイミングがずれているので、そこの部分だけなんか妙な感じがする。

ギターソロが終わると、スネアの軽いフィルのあと Aメロに戻るが、ジョンのボーカルがオフマイクになっていて、ほとんど聞こえない。これは、エンディングとしての演出であり、意図的にボーカル・トラックをオフにしているのだろう。なにはともあれ、いろいろなギター・サウンドが凝縮された、ハードなギター・ナンバーである。

あくまで曲の印象を具体的に表現するための手段です。曲をランク付けする意図はありません。


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