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ビートルズ "Dear Prudence"、私が感じ取った曲の印象

ビートルズの楽曲ひとつひとつについて、私が感じたことをベースに、8項目の音楽的視点からポイント評価したコンテンツを公開しています。最後のアルバム LET IT BE から順に過去へさかのぼって、1曲づつ投稿しています。

第 37回目、今日の楽曲は...

アルバム THE BEATLES A面 2曲目 "Dear Prudence"

サウンド:★★★☆
メロディ:★★★★
リズム :★★★☆
アレンジ:★★★★
第一印象:★★☆
スルメ度:★★★☆
独創性 :★★★☆
演奏性 :★★★★

<★ ... 1点 ☆ ... 0.5点、5点満点、各項目の解説は最後にあり>

個人的に大好きな曲。ジェット機の音の余韻も冷めやらぬうちから、静かにアコースティック・ギターのイントロが始まる。このアルペジオっぽいフレーズと音が美しい。文献によると、低い D音は、6弦を 1音下げてチューニングしているらしい。そして、メロの途中からベース、ドラムが順に入り、中盤以降ではエレクトリック・ギターやピアノも入り、次第に盛り上がっていく構成は見事である。メロディ、アレンジ、リズム、どれをとっても完成度が高いと思う。

Aメロのコードはほぼ Dメジャー固定のようだが、内声が D→C→B→Bb という進行を描いているのが美しい。ベースは、歌い出しの Aメロでは、ボーカルの合間にロングトーンを 1回づつ弾いているが、2回目のAメロに入ると、ドラムのキックに合わせるかたちで 8分音符刻みの下降するクリシェラインを描く。このベースのフレーズが、タイトかつリズミカルでなかなかカッコいい。

曲の中盤、"Look around around..." のバックコーラスが、低い音域でやや不気味な感じがする。しかし、曲の後半でのコーラスは、かなり高い音域まで伸びていて、コーラス・アレンジもかなり工夫されている。

エレクトリック・ギターのフレーズが、さりげなく効果的に使われていて、曲の中盤ぐらいからオブリガードを地味に弾いている。そして終盤になると、セカンド・メロディのようなフレーズを弾きだし、次第に高くなっていくギターの音と、ジョンのボーカルとの調和が見事である。

ドラムはリンゴではなくポールが叩いているが、ハイハットの16分音符は、なんとなくぎこちない感じがする。とはいえ、最後のサビで乱れ打ち風のドラミングを披露し、なかなか芸達者なところを見せている。

あくまで曲の印象を具体的に表現するための手段です。曲をランク付けする意図はありません。


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