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ビートルズ "Happiness Is A Warm Gun"、私が感じ取った曲の印象

ビートルズの楽曲ひとつひとつについて、私が感じたことをベースに、8項目の音楽的視点からポイント評価したコンテンツを公開しています。最後のアルバム LET IT BE から順に過去へさかのぼって、1曲づつ投稿しています。

第 43回目、今日の楽曲は...

アルバム THE BEATLES A面 8曲目 "Happiness Is A Warm Gun"

サウンド:★★★★
メロディ:★★★☆
リズム :★★★☆
アレンジ:★★★★
第一印象:★★☆
スルメ度:★★★☆
独創性 :★★★☆
演奏性 :★★★★☆

<★ ... 1点 ☆ ... 0.5点、5点満点、各項目の解説は最後にあり>

久々にジョンのシャウトが聞ける、なかなかの大曲である。この曲の構成は、大きく分けて 3部構成の組曲スタイルになっており、単純にフレーズをくり返すスタイルとは大きく異なっている。それでいて、曲長が 2分43秒しかないため、音楽的表現のエッセンスがギュっと詰まった曲であると思う。

歌い出しの Aメロは、柔らかなアルペジオをバックに、比較的穏やかなボーカルラインとなっている。その後、スネアがフェードインしてきて "She's well acquaited with..." からややタイトな歌い方となるが、コードが Dm6→Am のくり返しなのでそれほど派手には聞こえない。

このAメロが終わると同時に、ファズの効いたギターソロが入ってくる。このギター・サウンドが、ドスの効いたコワモテっぽい感じがして、なかなかよい。"I need a fix..." からのボーカルも低音域中心のコーラスになり、雰囲気がガラっと変わる。この部分でコードを弾いているピアノのコードが、メロディに合っていないような不思議な響きとなっている。意図的なアレンジなのだろうか。

それはさておき、この曲は変拍子のオンパレードである。曲の最初は 4/4 で始まるが、途中で 2/4 や 5/4 が入る。以下、譜面を見ながらでないと小節の頭がサッパリわからない。ギターソロは 9/8 の拍子で始まるようであるが、その後 12/8 が入ったり、10/8 などというヘンテコな拍子も登場する(と思う)。というか、採譜した人もよくわからなかったのだろう。

そして "Happiness is a warm..." からサビに入り、今までのうっぷんをぶちまけるかのごとく、力強いボーカルでこの曲を終える。このサビの部分では、右チェンネルから聞こえるジョンのリードボーカルに対して、左から聞こえるコーラスが合いの手っぽいフレーズで、ボーカル同志の掛け合いがなかなか面白い。

なお、「演奏性」の評価ポイントを ★★★★☆ (4.5) としたが、複雑怪奇な変拍子群を完璧に把握することが前提条件となる。実際ライブで演奏するとなると、かなりの集中力が必要になるだろう。

あくまで曲の印象を具体的に表現するための手段です。曲をランク付けする意図はありません。


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