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ビートルズ "Good Night"、私が感じ取った曲の印象

ビートルズの楽曲ひとつひとつについて、私が感じたことをベースに、8項目の音楽的視点からポイント評価したコンテンツを公開しています。最後のアルバム LET IT BE から順に過去へさかのぼって、1曲づつ投稿しています。

第 65回目、今日の楽曲は...

アルバム THE BEATLES D面 6曲目 "Good Night"

サウンド:★★★☆
メロディ:★★★★☆
リズム :★☆
アレンジ:★★★★
第一印象:★★★★
スルメ度:★★★
独創性 :★★★
演奏性 :★☆

<★ ... 1点 ☆ ... 0.5点、5点満点、各項目の解説は最後にあり>

レコーディング開始からアルバム・リリースまで、約半年をかけて制作された「大作」も、これで最後の曲。

難解な「曲」の後は、優雅で上品な子守り歌である。バックがフル・オーケストラという曲は、これが唯一ではないだろうか。曲は、レノン-マッカートニー(正確にはジョン)によるものだが、珍しくリンゴのがメイン・ボーカルを取っている。その声も優しい感じがして、この曲のイメージによくマッチしていると思う。

メロディーの構成は、Aメロとサビだけできわめてシンプルなもの。コード進行も Aメロ "Now it's time to say..." から G→Bm7→Am7→Bm7→Am7→Am→D7、サビ "Dream sweet dream..." からは、GM7→C→GM7→C→G→C→G→C と、こちらもシンプルな進行となっている。サビの部分での GM7 の使い方が光っている。

アレンジは、クラシック系に強いジョージ・マーティンである。ピアノやチェレスタに加えて、混成合唱団によるコーラスも入っている。文献によると、ビートルズ以外でレコーディングに参加した外部ミュージシャンは、総勢35人とのこと。そもそもリンゴ以外のビートルズメンバーは、レコーディングには参加していなので、実質、リンゴのソロ・ナンバーなのである。楽曲自体はありふれたものであるが、オーケストラ・アレンジで、ビートルズがここまでやるかと当時は思われたに違いない。

これで、アルバム THE BEATLES は終わり。とりあえず最大の山場はなんとか通過できたかと。

このアルバムを総括すると、あらゆるジャンル、あらゆる演奏技法、あらゆる録音手法を手中にし、その集大成がこのアルバムにある。そしてあらゆる苦難を乗り越え、これらを現実のものにしていったのは彼等自身であることを、このアルバム・タイトル THE BEATLES は物語っているのではないだろうか。次回からは、アルバム MAGICAL MYSTERY TOUR です。

あくまで曲の印象を具体的に表現するための手段です。曲をランク付けする意図はありません。


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