見出し画像

ビートルズ "Martha My Dear"、私が感じ取った曲の印象

ビートルズの楽曲ひとつひとつについて、私が感じたことをベースに、8項目の音楽的視点からポイント評価したコンテンツを公開しています。最後のアルバム LET IT BE から順に過去へさかのぼって、1曲づつ投稿しています。

第 44回目、今日の楽曲は...

アルバム THE BEATLES B面 1曲目 "Martha My Dear"

サウンド:★★★
メロディ:★★☆
リズム :★★
アレンジ:★★★☆
第一印象:★★☆
スルメ度:★★☆
独創性 :★★★
演奏性 :★★★☆

<★ ... 1点 ☆ ... 0.5点、5点満点、各項目の解説は最後にあり>

軽やかなピアノのイントロで始まる。全曲を通して、ピアノサウンドがメインとなっており、それにストリングスとブラスが重なって、軽い曲調でありながら一方で厳粛な雰囲気も持っている。アレンジも、いわゆるロック・バンド形態ではなく、ジャズとクラシックを融合したような新しい方向性を示している。

キーは Ebメジャー。コード進行は Aメロ "Martha my dear..." から、Eb→D7→Gm→C7→F となっていてなかなか凝っており、ノンダイアトニック・コードが遠慮なく登場する。ベーシックな和声は簡単なものかもしれないが、ストリングスやブラスが、コードのテンション・ノートを加えているので、複雑に聞こえてしまうのかもしれない。

"Hold your head up..." からのコードは、Bb→AbM7 の繰り返しで、ピアノに加えてブラス(チューバ)によるベース音と、ストリングスによるバッキングが入り、少し華やかな雰囲気になってくる。その後、"Take a good look..." からは、ドラム、エレクトリック・ギター、ベースが入ってきて、一応バンド・スタイルに近い曲調とはなっている。このあたりのアレンジの展開が素晴らしい。

間奏のメロディは、ピアノとトランペットのユニゾンで奏でられ、ドラムの代わりに 2拍と 4拍にハンドクラップが入り、若干軽めのサウンドに仕立て上げられている。曲の終盤までのベース音は、基本的にブラスの音がメインで地味なフレーズが多かったが、終盤の最後の Aメロでは、ベースの音が踊りまくっていて、その対比が面白い。

ボーカルは基本的にポールのソロで、コーラスは一切入っていない。オーバーダブでボーカルのみをダブルトラック処理しているという、珍しくシンプルな構成である。ただし、時折 2/4拍子や 3/4拍子が混ざっており、こんなシンプルな曲でありながらも、変拍子がつきまとうというところにビートルズらしさが出ていると思う。

あくまで曲の印象を具体的に表現するための手段です。曲をランク付けする意図はありません。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?