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ビートルズ "Piggies"、私が感じ取った曲の印象

ビートルズの楽曲ひとつひとつについて、私が感じたことをベースに、8項目の音楽的視点からポイント評価したコンテンツを公開しています。最後のアルバム LET IT BE から順に過去へさかのぼって、1曲づつ投稿しています。

第 47回目、今日の楽曲は...

アルバム THE BEATLES B面 4曲目 "Piggies"

サウンド:★★★
メロディ:★★
リズム :★☆
アレンジ:★★☆
第一印象:★☆
スルメ度:★★
独創性 :★★☆
演奏性 :★★★★

<★ ... 1点 ☆ ... 0.5点、5点満点、各項目の解説は最後にあり>

この曲もバンド系の楽曲ではなく、ハープシコードをフィーチャーしたバロック風に仕上がっている。そのハープシコードのイントロに続き、ベースとアコースティック・ギター 1本のシンプルな伴奏にのって、ジョージ特有な甘い声が響く。この Aメロの 2回目からはストリングス・アンサンブルが入り、一挙に重厚な雰囲気になる。地味な曲ではあるが、ストリングスはこのあとずっと入っており、このストリングス・アレンジがけっこう凝っていて美しい。

サビの部分では、ボーカルがエフェクト処理されていて、Aメロの甘い声とは雰囲気がガラッと変わる。そしてその後に続く間奏では、ハープシコードによるフレーズが鳴り響き、これが In My Life の間奏を彷佛とさせる感じがして、よりクラシカルな雰囲気を醸し出している。リズムはごくシンプルに、左チャンネルから申し訳なさそうな音量で、タンバリンとシェイカー? がひそかに鳴っていて、なんか奥ゆかしい。

キーは Abメジャーで、使用されているコードもほとんどダイアトニック・コードであり、特に難しいことはしていない。若干、A7 が使用されている程度か。しいて言えば、エンディングでマイナーコードの Abm が登場し、チェンバロのメロディも含め、変化を出しているのが印象的である。あと、久々に変拍子がない曲なので、聴いていてホッとする。

最後の Aメロではオペラを思わせるような合唱風の声となり、「豚」の鳴き声も入るなど、遊び心満点な仕上がりとなっている。そして最後のセリフ "One more time" のあと、とってつけたようなストリングスのエンディング・フレーズが登場するが、「はい、これで終わりです」みたいな感じがして面白い。

あくまで曲の印象を具体的に表現するための手段です。曲をランク付けする意図はありません。


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