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ビートルズ "Cry Baby Cry"、私が感じ取った曲の印象

ビートルズの楽曲ひとつひとつについて、私が感じたことをベースに、8項目の音楽的視点からポイント評価したコンテンツを公開しています。最後のアルバム LET IT BE から順に過去へさかのぼって、1曲づつ投稿しています。

第 63回目、今日の楽曲は...

アルバム THE BEATLES D面 4曲目 "Cry Baby Cry"

サウンド:★☆
メロディ:★★☆
リズム :★
アレンジ:★★
第一印象:★★
スルメ度:★☆
独創性 :★★
演奏性 :★★★★

<★ ... 1点 ☆ ... 0.5点、5点満点、各項目の解説は最後にあり>

イントロなしでいきなりメロから始まる。そして、ハーモニウムのフレーズが、何気に不気味っぽい感じがする。アコースティック・ギターと、途中から入るピアノが主なバッキングであるが、ドラムがけっこう強めに入っている。特に 2コーラス目からのサビのリズム・パターンでは、ボーカルに合わせて 2拍目と 4拍目で 16分休符の後、キックとオープン・ハイハットを入れる技など、今までになく新鮮である。また、1コーラス目でブラシの音も聞こえることから、ドラムはブラシとスティックと 2回オーバーダブされているようであり、このようなケースも珍しい。

コード進行は、特に難しいことはしていない。Aメロ "The king of Marigold ..." からのコード進行は、Em→EmM7→Em7→Em6→C→G でわかるように定番中の定番クリシェである。それはそうと 3回目の Aメロで、ウインドチャイムのような音や、水が流れるような音、鳥の鳴き声のような音が聞こえる。3回目 Aメロの途中に "arriving late for tea" というくだりがあるので、お茶を入れている音という説もある。

ベースは地味に複雑なことをしている。Aメロ 2小節目 "cooking breakfast for the Qween..." あたりから、16分音符で妙に高い音域のベース音が、唐突に入ってくる。スライドしているような、なんかフワフワしているような変な音だ。その後は、普通に 8分音符で淡々と弾いたり、高音域を使ってフレーズっぽい音を奏でたり、同じ Aメロでも 2回目以降は異なるベースラインを弾いている。このあたり、同じラインを弾かないという、ポールならではのこだわりがあるのだろう。

エンディングがまた不可思議である。一旦、終わったと思いきや、シンプルなギターをバックに、高めの声で囁くように歌っている。しかも、ジョンではなくポールの声だ。フレーズ的には、Aメロやサビとは全く異なるもので、とってつけたような感じ。特に何かを意図したものではないとは思うが...。

あくまで曲の印象を具体的に表現するための手段です。曲をランク付けする意図はありません。


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