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ビートルズ "I'm So Tired"、私が感じ取った曲の印象

ビートルズの楽曲ひとつひとつについて、私が感じたことをベースに、8項目の音楽的視点からポイント評価したコンテンツを公開しています。最後のアルバム LET IT BE から順に過去へさかのぼって、1曲づつ投稿しています。

第 45回目、今日の楽曲は...

アルバム THE BEATLES B面 2曲目 "I'm So Tired"

サウンド:★★
メロディ:★★☆
リズム :★
アレンジ:★★★
第一印象:★★
スルメ度:★★
独創性 :★★☆
演奏性 :★★★★☆

<★ ... 1点 ☆ ... 0.5点、5点満点、各項目の解説は最後にあり>

タイトルどおりの、なんとも疲れ切ったボーカルが印象的である。ベースもドラムものんびりとした「後ノリ」リズムのニュアンスで、この曲の雰囲気をよりいっそう "Tired" にしている感じがする。しかし、2回目の "I wonder should ..." からは、シャウトぎみのボーカルに変化していき、何気に盛り上がっていく。伴奏も、イントロはシンプルなギターのシングル・ロートーンがメインであったが、次第にギターのコード・サウンドが加わって派手になっている。

コード・サウンドといえば、バックで地味に鳴っているオルガンが、ギター・フレーズの隙間を埋めるような感じで、なかなかよいアレンジである。そして曲最後のほうで "Give you everything..." の部分、一瞬曲が途切れたかと思いきや、短いドラムのソロ・フレーズが入る。ボーカルも、ポールのハモリが加わって力強い。気だるい雰囲気で始まったこの曲ではあるが、最後ではビシッとキメているところがカッコいい。

コード進行自体はありふれたもので、イントロから A→G#7→D→E7→A→F#m→D→E7 という進行。2小節目の G#7 がスパイシーな響きである。あと、もう1点だけ注目すべき箇所がある。先の "I wonder should ..."からのコードが、A→Eaug→F#m→Dm となっており、この Eaug がなんとも捨てがたい味を出している。このようにほんのちょっとした音の工夫が、ビートルズ・サウンドを作り上げているのである。

あくまで曲の印象を具体的に表現するための手段です。曲をランク付けする意図はありません。


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