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ビートルズ "Long, Long, Long"、私が感じ取った曲の印象

ビートルズの楽曲ひとつひとつについて、私が感じたことをベースに、8項目の音楽的視点からポイント評価したコンテンツを公開しています。最後のアルバム LET IT BE から順に過去へさかのぼって、1曲づつ投稿しています。

第 59回目、今日の楽曲は...

アルバム THE BEATLES C面 7曲目 "Long, Long, Long"

サウンド:★★★★
メロディ:★★★☆
リズム :★★☆
アレンジ:★★★☆
第一印象:★★☆
スルメ度:★★★★☆
独創性 :★★★★
演奏性 :★★★☆

<★ ... 1点 ☆ ... 0.5点、5点満点、各項目の解説は最後にあり>

ジョージの曲としては珍しく、6/8拍子のアコースティック風のナンバーである。始終バックで流れているオルガンのコード・サウンドが、なんとも優しく包み込むような雰囲気を出している。歌い方も甘く静かな感じであり、前曲のやかましい曲を聴いたあとは、なおさらしんみりとしてしまう。

キーは Fメジャーだが、イントロは Gm から始まり、Bb→Gm→F→C ときて Aメロに入る。Aメロに入っても、Bb→Am→Gm→F と続き、いずれのフレーズも Gm や Bb というサブドミナント系コードから始まっている。これにより、トニック・コードから始まるような堅苦しさがなく、ちょっとふわっとした感じが出せていると思う。

この曲では、ドラムの使われ方が非常に特徴的である。Aメロでは、常時リズムを刻んでいるのではなく、ドラムなしでしばらく進んだあと、いきなり大音響でエコーの効いたタム音がさく裂する。そのため、静かな部分とリズミカルな部分とで、強いメリハリがついた曲に仕上がっている。一方、サビ "So many days..." からは、スネアが 2拍 3拍に入るワルツ風の典型的な 3拍子リズムとなり、それにピアノの低音域も加わり、サビの終わりに向けて次第に盛り上がっていく感じがする。

ベースは極めておとなし目で、最初はロングトーンで弾いているが、サビのあとからはオルガンのリズムに合わせるようなフレーズとなっていて、変化を出している。曲調としては、全体的には穏やかな感じのあるサウンドであるが、エンディングがちょっと無気味な雰囲気になっている。

そのエンディングの「ガタガタ」というノイズのような音は、文献によると、オルガンの音を出すレスリー・スピーカーの上に乗せたワインボトルが振動する音なんだそうである。そして、それにスネア・ロール、ジョージのうめき声に近いようなボーカルが絡み、ジャッという何かを擦るような音がして、ドラムのタムでいきなり締めくくる。ジョージお得意のサイケ風味の演出かと思うが、なんとも理解に苦しむエンディングである。

あくまで曲の印象を具体的に表現するための手段です。曲をランク付けする意図はありません。


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