ゾーンに入った経験

長男がバドミントンをするようになって、自分も一緒になって練習しているのだが、歳のせいか翌日の膝の痛みがハンパない。

そういえば自分のバドミントンプレーヤーとしての全盛期だった25年ほど前に一度だけゾーンに入った経験がある。

ゾーンとは一流のスポーツ選手などが最も調子の良い時に経験する超集中状態のことで、フロー状態のさらに上を行く状態のことだ。

この状態に入ると、何をやっても上手く行くというか、スーパープレーが生まれたりする。

あれは、中学3年の夏の県大会のことだったが、自分はダブルスとしてエントリーしていて、実力的には自分ではベスト3に入れれば奇跡かなと思うレベルだった。

その、想定通り準決勝までは進めたけれども、あっさりと優勝候補に敗れて、次の大会に進むには3位決定戦に勝つしか方法は無くなってしまった。

しかし、3位決定戦の相手の実力は向こうが上で、勝つことはかなり難しいかなと自分的には思っていた。

ところが、試合は一進一退で、向こうも緊張しているのかなかなか決めきれない感じで互角に進んでいた。1セット目は奪われたものの、相手のミスでセットを奪い返し、ファイナルセットの終盤までほぼ互角に試合は進んでいた。

そして、あと5点とれば勝ちという場面で、自分の中でなにかどうでもよくなってきたというか、無の境地に入ったというか、すごく集中できて、すべてがスローモーションに見えるようになったのである。

スローモーションなので相手の動きがよく見える。そして面白いように相手の裏をかくショットが連発した。この時は歓声も全く聞こえない状態で、本当に集中していた。あれがゾーンに入った瞬間だったのだろう。

もう、こうなったらノリノリで、ポンポンと点数が入り、最後のマッチポイントもスローモーションで狙い通りにショットが決まって勝つことができた。

そして進んだ次の大きな大会は格下に一回戦で負けてしまった。たぶん向こうがゾーンに入っていたのだろう。

あの夏の試合以来、このような経験は一切していない。もう本当に不思議な体験だった。もうあんな体験は二度とないのかなと思うと寂しいので、今流行のマインドフルネスを駆使したらもう一回は経験できるのかなとも画策している。

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