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ゴジラ怪獣ここが好き 最近のキングギドラ編

ゴジラ怪獣の好きなところを書いていくシリーズ。
今回紹介するのは、2000年代以降のキングギドラの活躍。
東宝最強怪獣と名高い敵との対決、最恐と言われるゴジラとの死闘を紹介。
よろしければご一読ください。

鬼の居ぬ間に

前回前々回に続き、今回もキングギドラのお話です。
さて、VSシリーズ終了後、ゴジラはしばらくスクリーンから遠ざかります。
そこでキングギドラは、散々負けた相手がいないうちに別の怪獣と戦うことに。
今なら勝ちを拾えるというわけですね。
しかし、よりによって対戦相手に選んだ怪獣が最悪でした。
モスラです。

モスラは、ゴジラに勝った数少ない怪獣です。
それ以外でゴジラに勝ったのは、第一作目の重要人物である芹沢博士くらい。
あとは氷山とか火山、深海のような、戦ったというより巻き込まれたような相手くらいしか、ゴジラを押さえ込んだ相手はいません。
キングギドラは、モスラがゴジラを倒した回の撮影には参加していなかったようで、おそらくこのことを知らなかったのでしょう。
ゴジラというビビってる相手がいない隙に、ちょっとイキってやろうと思ったらもっと強いやつにケンカを売ってしまったのです。

しかも、この時期のモスラは自らの主演映画の主役をこなし絶好調。
ゴジラばりのビームは撃つわ、水中でも戦えるわ分身もするわ。
主人公補正をゴリゴリに掛けられて、今の時代ならなろう小説で異世界転生でもしそうな勢いです。
そんな歴代最強のモスラとキングギドラ、「モスラ3 キングギドラ来襲」で激突します。

キングギドラ、個性出せず

モスラの強さを警戒してか、キングギドラも新しい技を習得。
子供を誘拐して閉じ込め生命エネルギーを吸い取るという、犯罪臭のする方法でパワーアップします。
好感度を投げうった甲斐あって、一度はモスラを撃退したキングギドラ。
しかし脚本の都合上ここで諦められないモスラは、過去に遡ってまだ幼いころのキングギドラを倒す作戦に出ます。
ちなみに時を遡ったゴジラ怪獣は、僕が把握する限りメカキングギドラに次いで二体目。
共演者の特技を真っ先に奪うという、ひな壇バラエティだと嫌われるであろう行為を平気でしつつ、過去のキングギドラを倒すことに成功します。
力を使い果たし倒れるモスラ。
その時代のモスラの先祖たちに見守られて力尽きます。

ですが今回のキングギドラ、そうそう簡単には退場しません。
過去において倒された際、尻尾だけはしぶとく生き残り、そこから身体を再生し来襲。
多少歴史は変わったものの、結局現代に現れることになりました。
VSシリーズの時も海底で寝たまま未来に行ったりしてたので、この辺りは慣れたものなのでしょう。

これで現代はモスラ不在、ゴジラもシリーズ違いで出演ナシと初めての完全勝利を収めたかに見えたキングギドラ。
ところが、力尽きたと思われていたモスラが復活。
地中で一億年以上眠ったままで現代に帰ってきました。
せいぜい二百年くらいしか眠っていなかった、キングギドラの記録をあっさり塗り替えてくるあたり、わりと本気で潰しにきています。

この時復活したモスラは、全身をガッチガチの外骨格で覆った、「鎧モスラ」と言われる状態。
歴代の東宝怪獣のなかでも最強候補に名前が挙がる超強豪です。
特技をことごとく潰され、復活という見せ場もさらに上をいかれて奪われたキングギドラ。
精神的に限界だったのか、その攻撃は一切通じず、最後はモスラの体当たりにより身体を貫かれて爆散します。
何気に物理攻撃でとどめを刺されたのは、ボコボコのリンチにあった怪獣総進撃以来。
トラウマがよみがえりそうな結末です。

メタ的方向から攻める

勝ちを拾うどころか、思いっきりメンツを潰されたキングギドラ。
しかし、モスラとの対決を経て「脚本の都合」というメタ的な部分に気づいたのか、新たな策でゴジラに挑みます。
「悪役は絶対負ける」というお約束から逃れるため、正義の味方ポジションで映画に出演したのです。

「ゴジラ・モスラ・キングギドラ 大怪獣総攻撃」では、キングギドラは国を護る護国聖獣という肩書で登場。
おまけに、こっぴどく負けたモスラが今回は味方側です。
キングギドラがあんまり面識のない赤い怪獣もいます。
昔リンチを仕掛けられたときの犯行メンバーのなかにいたような気もしますが、気にしません。
役柄にも仲間にも恵まれ、お膳立てはバッチリ。
今回ばかりはゴジラを倒せそう。
そう思ってふと見ると、なんだかゴジラの様子がおかしい。

大怪獣総攻撃 予告切り抜き

ゴジラ(東宝特撮)チャンネル 「ゴジラ・モスラ・キングギドラ 大怪獣総攻撃 予告編」より
https://www.youtube.com/watch?v=o7iPn4W9oeI&list=PLwMvH0gVbL89eqS4ugFpSINRKkjQ1Vf3i&index=25

久しぶりに完全悪役でオファーが来たからって、役作りに気合を入れすぎなゴジラ。
これは完全に役に入り込むタイプの俳優ですね。
撮影の合間に話しかけたら殴られそうです。

案の定、キングギドラは今回も負け。
どうやら、勝てそうに思えた状況はお膳立てではなく、負けるまでの前フリだったようです。

最高の天敵・キングギドラ

その後の映像作品では、劇場アニメ版のゴジラ三作目に出演。
一応、アニメの前にもキングギドラと同族の別怪獣が他の実写作品に出たりはしていますが、その辺は割愛します。
あ、アニメのほうでもしっかり負けてますよ。

一番最近の出演作は、皆さまご存じ「ゴジラ キングオブモンスターズ」ですね。
この作品のキングギドラは、宇宙からやってきた悪い怪獣が氷河のなかで数万年眠っているという設定。
今までのキングギドラ要素のいいとこどりのような役どころです。
デザインなんかはVSシリーズ時代っぽいところもありますしね。
まさに集大成というわけで、それは同時に完全な負けフラグでもあります。
というか、映画公開時すでに次回作でコングとゴジラが戦うことはわかってましたし、少なくともゴジラが負けることはないわけで。
現実的にも負けを運命づけられた悲しき名演でした。
戦いの結果は言わずもがなですね。

このように、その強さにも関わらずいまだ白星なしのキングギドラ。
毎回かなりゴジラを追い詰めてはいるんですが、最後の一押しが足りない印象です。
しかし、もしこれで本当にゴジラを倒してしまったら興ざめしてしまうのも事実です。
そう考えると、毎回気持ちのいい勝ちっぷりをゴジラに与える、魅せる試合を作る怪獣なのかもしれません。
今後も、強くて悪くてカッコいいキングギドラが出てくる映画が観たいものですね。
その負けっぷりがスクリーンに映るところを楽しみにしています。


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