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ゴジラ怪獣ここが好き 昭和キングギドラ編

ゴジラ怪獣の好きなところを書いていくシリーズ。
今回紹介するのは、宇宙怪獣キングギドラ。
昭和ゴジラシリーズ定番の悪役の、華麗なる(?)戦いの歴史を紹介。
どうぞご一読くださいませ。

カタログスペック最強怪獣

「強そうな怪獣の特徴」を聞かれたら、皆さまはなんと答えるでしょう。
力が強いとか、大きいとか、ビームが撃てるとか。
まあ、このあたりがパッと出てくるイメージでしょうか。

ちなみにこういう質問を、人とは違うことを言いたがる人にしてしまうとややこしくなるので注意が必要です。
怪獣と人間の違いを考慮せずに「国家権力・・・ですかねぇ」とか「強さとは莫大な富である」なんてことを得意げに言ってくるかもしれません。
「これは怪獣の話ですよ」と伝えても「本当に怖い怪物は、人間なのかもしれませんね・・」なんて、使い古されたサイコスリラーみたいな返しをしてくるでしょう。
そうなったら食い気味で愛想笑いをして、急いでその場を去るべきですね。

そんな、ちょっと面倒なタイプの人をまとめて吹き飛ばしてくれそうな強さを持っているのが、今回紹介するキングギドラです。

三大怪獣地球最大の決戦 予告切り抜き

ゴジラ(東宝特撮)チャンネル 『三大怪獣 地球最大の決戦』予告編より
https://www.youtube.com/watch?v=8TYkCw5-BMA&list=PLwMvH0gVbL89eqS4ugFpSINRKkjQ1Vf3i&index=5

いいですよねぇ、この強そうな要素満載のフォルム。
でっかい翼で空を飛び、三つの長い首に口からはビーム。
おまけにゴジラより一回り大きい体躯。
さすがのゴジラもそう簡単には勝てそうにない。
人間だって、自分より体格が大きくて、ビームを撃ってくる翼が生えた三つ首の男が襲ってきたら勝てる気がしないでしょう。
そんなやつが宇宙から落ちてきた隕石の中から出てくると想像してみてください。
キングギドラが人間型だったら、完全にホラー映画ですね。

キングギドラが出すビームは、引力光線という名前です。
この引力光線の設定、諸説あるようですが凄まじい威力。
曰く、地球上の引力を遮断して建物などを不安定にして破壊する。
曰く、物体の分子間の引力を遮断し結合を解いてしまう。
どちらにしろ、あまり近くで気軽にぶっ放すのはやめてほしい代物です。

この引力光線と制空能力を武器に、ゴジラシリーズ5作目に初登場したキングギドラは、金星の文明を三日で滅ぼしてから地球に飛来しています。
ちなみに、金星は地球とは自転や公転の速さが違うため、金星の一日は地球時間に換算すると約117日だそうです。
三日で文明を滅ぼしたと証言しているのは金星人の方なので、あくまで金星基準で三日ということでしょうか。
だとすると、金星を滅ぼすのに実質地球時間で一年くらいかかっていたことになります。
雲が硫酸で出来ていたり、気温が400度以上ある星の文明を滅ぼすのに一年かかるというのは、長いのか短いのか判断に困るところですね。
そんな星で文明を築くくらいですから、金星人の科学力がそもそも驚異的なのでしょうし。
明示されていない判断基準が多すぎて答えは出ないので、ここは純朴な子供に帰って「きんせいをみっか?すっげー!」と思っておくのが正解でしょう。

ともかく、そんな星を滅ぼすほどの戦闘力を持った怪獣ということです。
映画への登場回数も多いですし、さぞかし多くの怪獣を倒してきたと思われるでしょう。

ゼロです。

昭和キングギドラ、激闘の歴史(負け越し)

あんなに強そうな要素しかないのに、なぜか一度も勝ったことがないキングギドラ。
ちょっと、これまでの戦いをみてみましょう。

デビュー作である「三大怪獣 地球最大の決戦」では、ゴジラ・ラドンモスラと対峙する敵役として登場。
この映画は今でいうアベンジャーズ的な作品で、これまで主役を張っていた怪獣たちが集結するという筋書きです。
つまりキングギドラはサノス的な立ち位置というわけで、登場シーンも隕石から噴き出た炎から現れるという気合の入りよう。
しかしいざ主役三体が集結すると、石を投げつけられたり糸でぐるぐる巻きにされたり、いいようにやられてしまいます。
そもそも、首が三本あるからって三体分強いわけではないですし、主役級怪獣ばかりを同時に相手取るのは無理がある話です。
結局、散々やられた挙句宇宙に逃げかえってしまいます。

翌年公開の「宇宙大戦争」では、ゴジラ・ラドンのコンビと対決。
この時のキングギドラは、宇宙人に操られた状態で出現します。
自分の意志を無視されて、負けた相手と再戦させられるキングギドラの心境を考えると辛いものがありますね。
やっぱり負けますし。
モスラが抜けても勝てないものは勝てません。

と、この二作でしっかり負けているにも関わらず、続く出演作「怪獣総進撃」では10体の怪獣相手に戦わされます。
どうも、見た目が強そうなばっかりに負け続けていることを考慮してもらえないようです。
何も知らないのに、雰囲気だけで妙に期待されてる新人みたいな嫌な状況ですね。
で、やっぱりというか、案の定というか。
大混戦のなか背中を蹴り飛ばされ、うつ伏せに倒れたところ首を踏みつけられ、頭を地面にたたきつけられ、首も切断され敗北します。
文章にするとあまりに陰惨ですね。
こう書くと普通は「でも、実際映像で見ると結構コミカルなんですよ」的なパターンが続くのが普通かと思いますが、これに関しては映像で見てもそれなりに悲惨です。
今の時代だとどこかしらの団体から抗議が来そうな描写ですね。

この後、昭和最後の出演作である「ゴジラ対ガイガン」にも登場するキングギドラ。
やっと一緒に戦ってくれる仲間を連れての出陣ですが、すっかり負け癖というか、当然のように負けてしまいます。
この時共闘したガイガンという怪獣が人気が出てきたりして、そういう意味でもあんまり得をしない出演だったんじゃないですかね。

激闘の歴史は平成に続く

さて、そんな強そうな雰囲気はあるけど勝ち星なしという役回りのキングギドラ。
しかし変わらず人気はありますから、これ以降の平成VSシリーズ、ミレニアムシリーズにも出演をしていきます。
次回は、このあたりのキングギドラの活躍について書いてみますね。


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