読書106 『鵼の碑』
京極夏彦著
昭和二十九年の日光が舞台になります。
・宿泊先のメイドから、忌まわしい過去を告白される劇作家。
・失踪中の婚約者の捜索を依頼される探偵。
・消えた死体の真相を探る刑事。
・暗躍する公安。
・発掘された古文書の鑑定に駆り出された古書肆。
「蛇」「虎」「貍」「猨」「鵼」の5パートからなり、各章を登場人物の一人を主にした視点で、話が進められます。
章の最後には、鳥肌が立つほどの衝撃を残して次のパートに移ります。
少しずつ真相に近づきながら、輪が狭まるようにして、つながっていくのですが「百鬼夜行」シリーズと言われるように、怪しげな纏わりもあり、奇妙で不思議な感覚を覚えました。
何重にも楽しめると思います。
日光の土地に纏わる話や、言い伝え、時代の世相や特徴などなど、こと細かく丁寧に描かれています。
また、作者のこだわりが所々見られて、いい意味で戸惑いを覚えました。
漢字の使い方が独特で、その都度読み方や意味を、また、事柄の背景を調べながら読みました。
前作から十七年もの歳月を経ての出版だそうです。
私は、このシリーズにも京極さんにも、何の知識も情報もなく読みましたが、土地にしろ歴史にしろ、話に上がるたびに掘り下げられていて、さらに人物の特徴も心理の描写も深すぎて、とにかく衝撃を受けてしまいました🤭
おおよそ、読むには困らない程度に話は理解できましたが、関係をちゃんと把握していた方がもっと楽しめると思ったので、一作目の『姑獲鳥の夏』から順番に、少しずつ読もうと思います。
八百ページの二段というボリュームでしたが、常に続きが気になっていました🤭好きな感じです😊
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