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シナリオ創作。古典からインスピレーション。アリストテレスの「三一致」。

アリストテレスは「詩学」の中で「三一致(さんいっち)の法則」を言っています。

「三一致(さんいっち)の法則」とは

三一致の法則(仏:trois unités)は、フランス古典演劇における規則の一つ。三単一の法則とも言う。
16世紀半ばから、アリストテレスの『詩学』に対する解釈の誤りから提唱され始め、最終的にはボワローが古典主義文学の理念をまとめた『詩法』の中で明確な定義をされることになる。
3つの一致(単一)とは、「時の単一」「場の単一」「筋の単一」を言い、劇中の時間で1日のうちに(「時の単一」)、1つの場所で(「場の単一」)、1つの行為だけが完結する(「筋の一致」)べきであるという劇作上の制約である。16世紀後半~17世紀初めのイタリアの演劇論がフランスに移入され、発展し、この法則ができあがった。
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』


アリストテレスの頃、超古典の演劇は、やりたい放題だったらしく、時間も場所もぴょんぴょん飛躍し、前場面で演じていたはず主役が、次の場面では別人が主役に入れ替わるなんてことも多かったようです。
ストーリーとして亭を成していない状態でした。そこでストーリーを一致させるために、お話の筋や配役はストーリーの中では一致させましょうねという制約を、アリストテレスが設けたわけです。
いまの時代、アリストテレスの頃のようなハチャメチャなことはなく、「三一致の法則」など気にする必要もないのですが、登場人物となるキャラクター設定を作る上で応用できます。
今回は、人間を描く上で欠かせない主人公の設定についてお話ししたいと思います。

自己紹介。ターシー・イシコロと言います。

高校時代は作文が超苦手で偏差値40の男が、「映像ディレクターになって世の中をハッピーにしたい」という夢を起点に、大学で映画制作、シナリオ創作を学び、映像ディレクターとして20年以上、400本以上の映像作品を創ってきました。シナリオもドキュメンタリーの原稿も、テレビ番組の台本も、プレゼンテーション資料など様々なモノを書いてきました。
やはりその根底にあるのは、シナリオです。最初に学んだシナリオライティングで重要な要素だと思うことを皆さんと共有してお役に立てればと思います。
よろしければ、ツイッターもチェックしてみてください。

主人公は何をするの?

ストーリーを作るというのは、言い換えれば、主人公という人間、または擬人化されたキャラクターの人生を描くと言うことです。
その主人公はストーリーの中で、何をするのでしょうか?
何を目的に生きているのでしょうか?誰のために生きているのでしょうか?
そしてライバルはいるのでしょうか?そのライバルの目的は何でしょうか?
そういったことを突き詰めていくとストーリーが浮かび上がってきます。

主人公設定での最初の決めごと。

主人公の性別や名前、年齢など初期設定が決まったという前提で話をしますが、主人公の設定でもっとも重要な決めごと。それは「主人公の目標」です。主人公の叶えたい夢でも結構です。
バッドマンなら、「ゴッサムシティを守る」
エイリアンなら、「生きて生還する」
ワンピースなら、「海賊王になる」
必ず、主人公は目標や夢を持っています。その夢や目標は映画やドラマのテーマそのものであったり、テーマと伴奏していたりするモノだったりするはずです。主人公に目標を持たせることによって、その目標を邪魔するライバルや敵が必要になるわけです。そのライバルも主人公と同じように目標を持たせるわけです。その目標は、主人公と同じかも知れないし、まったく正反対のモノかもしれません。
 同じというのは、カワイイ彼女の取り合いなら恋敵。世界統一なら戦国時代の宿命のライバルなどがあります。
 正反対は、攻める悪役と守る主人公。身分制度を改革しようと扮装する坂本龍馬と身分制度を守ろうとする藩主お付きの古参武士などですね。
主人公の目標となる「テーゼ」に、ライバルの目標「アンチテーゼ」をぶつけていくわけです。そうすることによって、様々なドラマの発展に期待が持てるようになるわけです。

主人公の三一致を決め、ライターの世界観を引き出せ。


主人公はいつの時代に生まれ、
どんな環境の中で生活をしているのか。
家族や友人、師となる先生との関係やライバルの争いの中で、ストーリーとなる筋が決められていきます。
ストーリーや主人公の設定は、パターン化されてしまうときも多いため、
ここでひと工夫、加えます。
主人公の内面に潜む、もうひとりの自分や葛藤、恐怖などを引き出していきます。あなたの心の内にも、もうひとりの自分の存在があるのではないでしょか。そうすれば、ストーリーは特異な展開になりますし、それによって作品に高さが出てくるのです。
さらに目標に向かって主人公は行動をしていくのですが、必ずしも素直に物事は進めず、善きにしろ悪しきにしろ、葛藤という障害が待ち受けます。それを主人公は自らに決断を強いて次なる段階へと進んでいくのです。
そうした行動そのものが、シナリオライターの世界観構築へとつながるのです。世界観の構築をしていくためには、このほかに、作家としての視点、テーマ、エピソード、シチュエイションの組み立て、そして構成法として、発端、葛藤、危機、頂点、結末を人物の設定をしていくのに詳細にきめていくのです。

まとめ

古典は、私たちに多くのことを教えてくれています。
全く新しい方法を考えていくよりも、先人達が作った方法を踏襲し、自分なり改良を加えた方が、ライターとしての世界観構築に繋がるのではないでしょうか。今回はアリストテレスの「三一致の法則」を取り上げましたが、シェイクスピアや日本の古典文学、アメリカやイギリスの推理小説なども、現代ではオーソドックスとされる手法や言い回しとされる部分もありますが、そうしたオーソドックスな手法を他の部分に転用してみたり、他のアイディアと組み合わせてみることによって、新しい発想が生み出され、新たなクリエイティブへと発展させることは大いにあり得ます。
皆さん、どんどん学んで人間を描いて、アートしていきましょう!

最後に、私も、映像ディレクターとしてシナリオやドキュメンタリーの台本など多くの原稿を書いてきました。実は、学生の頃は作文がとても苦手で、国語はいつも5段階評価で2、偏差値は40くらいしか取れない文字通り劣等生でした。しかし映画好きで、「ディレクターになって世の中をハッピーにしたい」一心でシナリオを学んで、いまこうして皆さんにも文章を通じてシナリオライティングのすばらしさをお伝えできるようになっているのだと思います。文字表現で人にメッセージを伝えることができるのは、ビジネスでも映画のようなアートでも大きな武器となります。
是非、この機会にシナリオライティングを学んで頂き人生を生きていく上での武器を手にしていただければと思います。

またツイッターでこの記事を広めて頂いたりすると私は泣いて喜びます。
是非、いいねや拡散の程も、よろしくお願い申し上げます!

また、シナリオライティングでも映像制作、動画編集に関してでも、質問や分からないことがあれば、なんなりとお気軽にお声かけください。皆さんがハッピーになるのであれば、できるだけご協力致します。
それでは、次回お会いしましょう!



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