サテライト予告編
EP『Singularity C-Model』(2015年)は、音楽がこの先どう変わっていくのかを、既存の形式にとらわれずに実験した4曲入りEPで、新しい生命みたいなサウンドを意図したハーフサイズ・アルバムです。「サテライト予告編」はその中の一曲。タイトルに「予告編」とありますが、本編があるわけではないです。時間は7分。映画のモンタージュのような構成と、SF的な内容の曲です。
[ 歌うよ ラララ 聴こえるでしょ ねぇ あなたと ]
狭く閉ざされた場所で眼に欲望をみなぎらせて熱中している姿
すべてが終わった地平で途方に暮れて遠くを見ている光景
第2衛星で生命が発見された、つぎの日
「もう、地球は生命を宿した奇跡の星ではありません。生命はありふれた、宇宙のどこにでもいる存在です。科学者は、人間が、宇宙で唯一の知性である可能性は限りなくゼロになったと発表しました」
たましいはわたしのそとにあって
遠い星をまわる 触れてもいいの?
輝く黒い光の闇
それでも楽しげに遊ぶよ
大空に閉ざされた地平線で
途方に暮れて踊っていた
(もう見えない場所まで来たんだ)
この曲は、実際の短編映画を観ながら、その内容ではなく脈絡をメモったものをもとに作ってみたもので、
→セリフの繰り返し→沈黙→回想→セリフの繰り返し→モノローグ→シーンの断片→
といったようなメモをもとにして、「音楽的な」規則によらず、2つ以上の異なった部分の配置によってシークエンスを生み出す。新たに生まれた意味はやはり音楽的な変化として現れてくるような。映画で使われるモンタージュの理論を参考にしています。この理屈は映像というより脈絡に関係してくる。
(下はED歌唱部分の…)
▶ Varivine-f(ヴァリヴァイン・フェム)
『Singularity C-Model』のラストは「Varivine-f」。「ヴァリヴァイン・フェム」と読みます。疑似TVアニメ的な構成というか、曲の中に挿入歌などもあってサントラのような感じも。曲は7つの部分から出来ていて、トータルで8分20秒。
00:00 タイトル (Title)
00:22 蔓 (Vine)
01:57 インタプリタ (Interpreter)
03:23 挿入歌 (Featured Song)
04:20 生命体 (Feminized variant of exobiota)
06:00 特異点C (Singularity C-Model)
07:19 流れ (Flow)
[挿入歌]
荒れ果てた大地に舞い降りたその影は
繊細な夕陽に包まれて変化する
▶ Spotify
Singularity C-Model
[Link] [Lyrics]
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