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無尽蔵のエネルギーだった。休み時間の果てしなき戦いといえば!
「よっしゃー!戦車撃破や!」
小学校3年生の頃、休み時間によく鉛筆合戦をして遊んでいました。
紙と鉛筆があればできる遊びです。鉛筆をはじいて自分のコマを進め、相手の飛行機やら戦車やらをつぶしていきます。途中でいったん止めてまた再開できるので、授業と授業の間の5分休憩でも遊べます。
教室に先生がやってくると「続きは後でやろな」と停戦となります。昼休みなんかの長い休み時間は校庭でドッヂボールや三角ベースをしていましたが、5分休憩は外に行けないので鉛筆合戦・牛乳のキャップでめんこ・机上で消しゴム落としなどなどをしながら全力で遊んでいました。
今思えば、よくもまぁ短い時間であんなに遊べたもんやな。と感心します。
ということで今回は、中学入試問題頻出作家さんの作品から見つけた「遊びに関することば」で【小学生が「何それ?」って思うことば】を紹介しますね。
まずは筑波大学附属中にも出題歴のある「キップをなくして(池澤夏樹)」より
部屋の隅でミンちゃんが同じくらいの歳の女の子とせっせっせをして遊んでいた。あの子の名は比奈子ちゃんだったな、とイタルは考えた。「せっせっせーのよいよいよい。お寺の和尚さんがカボチャの種を播きました。芽が出てふくらんで、花が咲いてしぼんで、ぐるっとまわってじゃんけんぽん!」
「せっせっせ」です。基本的にじゃんけんの前の導入となるものが多いですが、多種多様な「手遊び」があり、地方によって歌詞がちがったりするので興味深いです。「アルプス一万尺・ずいずいずっころばし」など、歌やリズムを伴うので、友達と手を動かす中で音感やリズム感も養われますね。「グリンピースじゃんけん」なんかは集中力や反射神経も向上しそうです。
僕が一番記憶にあるのは「ビームフラッシュ!」です。あのじゃんけん遊び以外であんなにも人に「あんた馬鹿ね」と言ったことないです(笑)
ちなみに「キップをなくして」には「どちらにしようかな。天の神様の言うとおり。なのなのな。鉄砲うってバンバンバン。玉子が割れたかな」という数え歌も登場しますよ。これも地方によって違いがあって面白いですね。
僕は関西バージョンで後半「プッとこいてプットこいてプップップッ。柿の種」です。皆さんとお子様はいかがでしょうか。この数え歌は小学生の息子も知っていましたよ。
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続きまして、またまた筑波大学附属中にも出題歴のある「夏を拾いに(森浩美)」より
綿素材のトレパンに伸縮性はない。馬乗りみたいな荒っぽい遊びをすると、トレパンの尻が破れて笑われる者が続出。
さらに早稲田中にも出題歴のある「半パン・デイズ(重松清)」より
階段をのぼりきったら、廊下の突き当たりで四年三組の男子が馬乗りをして遊んでいるのが目に入った。
「馬乗り」です。雨の日は校庭で遊べないので、廊下でやってました。危険だということで禁止している小学校もあるとのこと。だから今の小学生にはリアルに想像することが難しいようです。
チーム分けをする際に、体重が重い友達を引き入れようと作戦を立てたり、仲間のためになんとしても踏ん張ろうとしたりするなど、子ども時代の経験としては良いものだと個人的には思います。
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それではその他【小学生が「何それ?」って思うことば】第49回「遊びに関することば」を紹介させてください。
草相撲
草を使って争う遊び。オオバコの茎を絡めて引っ張り合い、茎が切れた人が負けになる。シロツメ草や松の葉など他の植物でも可能。
![](https://assets.st-note.com/img/1700210355193-hb067nKV87.jpg?width=800)
トンボ釣り
糸の両端にろう紙等で小石を包んだものをトンボに投げると、餌だと思ったトンボが飛びつき、糸に絡まり落ちてくるので、それを捕まえる遊び。
これは僕も実践したことないです。カエル釣りやザリガニ釣りはやりました。
山くずし
砂山を作り、頂上に棒を立てる。棒を倒さないように順番に砂をとっていく。自分の番のときに棒が倒れてしまったら負け。
「将棋崩し」もちょっと似ている。
足相撲
お互い向き合ってあぐらをかき、右足(もしくは左足)どうしだけで押したり払ったりして相手を倒す遊び。
上記の「草相撲」もそうですが、「指相撲・腕相撲・尻相撲・押し相撲」など「相撲」がつく対戦遊びがたくさんありますね。
ロクムシ
地面に2つの円を描き、2人のオニが投げてくるボールをよけながら円と円の間を6往復する遊び。
重松清さんの「小学五年生」(文春文庫)・津原泰水さんの「ブラバン」で見つけました。僕の住んでいる奈良市では「ろっくん」と呼んでいました。
家の前のマンホールとマンホールの間を走りまくってましたね。
瞬発力やタイミングを計ることが養われると思うので、ぜひ体育で取り入れていただきたいです。
今回、中学入試問題頻出作家さんの作品から見つけた「遊び」に関することばを紹介しましたが、小学生達の遊びに関する状況は、昭和の頃とは大きく違いますね。最近の小学生は、異年齢の子どもと遊ぶことが減少しているだけでなく、同学年であっても大勢では集まらず、2、3人で遊ぶようになっています。さまざまな要因がある結果ですが、異年齢の子どもも一緒に、かつ大勢で遊ぶ機会も作ってほしいと感じます。
上級生から伝承されること。下級生を「ごまめ・みそっかす」扱いをしてあげる配慮や他者への力加減。それらを遊びの中で経験することで社会性やコミュニケーション力が育まれるはずです。
ちょっと堅苦しくなりましたが、最後に先日職場であったことを書きますね。
僕が勤めている生涯学習センターのロビーには子ども用にフリースペースがあり、放課後になると小学生がやってきて、宿題をしたり本を読んだりします。希望する子にはトランプやオセロの貸し出しもしています。
ある日の夕方小3ぐらいの女の子2人組がカウンターに来ました。
2人組「オセロ貸して」
僕「宿題やったか」
2人組「やったで」
僕「えらいな。今日は何時に帰る予定なん」
2人組「6時」
僕「今5時55分やけど、今からオセロできるかな」
2人組「できる!」
僕は「よっしゃ」とオセロを渡しました。
そう、5分あれば全力で遊べるやんな!
しばしの間、5分休憩に鉛筆合戦をしていた頃の思い出に浸ることに。
願わくは、くっつきむしを投げ合いながら、横断歩道で「白い線のとこしか踏んだらあかん」とか言いながら、帰宅してくだされ。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
子どもたちの読書量が豊かになり、家族の会話が増えますように。
次回は「子どもに関することば」を書こうと思います。「子どもは風の子」「橋の下で拾ってきた」などなど…。
よろしければ前回の記事です。雑誌に関することばをどうぞ!
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