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私たちは私たちを守るため地球を守る

□景色
この1万年間、気候はきわめておだやかで農耕に最適、地球資源を存分に利用できた人は十分に繁栄してきた。繁栄は今もつづき2050年には90億人に、経済規模は今のほぼ3倍になると予測されている。

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しかし、繁栄しすぎた人が地球環境に影響を及ぼすようになってきた。熱波・干ばつ・山火事・洪水・地滑り・台風の増加、資源の枯渇、多くの動物種絶滅はその反映である。地球環境は測りきれないほど巨大で、世界のリーダーを含め、見て見ぬふりをすることもできるが、人が地球環境を無視しつづける場合、地球環境が人に牙をむき出し敵対的になるリスクが日増しに増える。事実ここ40年間、世界は間違った方向に進んできた。
人は地球環境を無視しつづけるのだろうか。それとも、私たちは私たちを守るため地球を守るのだろうか。

□本

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『小さな地球の大きな世界 —プラネタリー・バウンダリーと持続可能な開発』
J.ロックストローム M.クルム 丸善出版 2018年

目次
序文
重要な10のメッセージ
第1章 新たな苦難の時代
第2章 プラネタリー・バウンダリー
第3章 大きなしっぺ返し
第4章 あらゆるものがピークに
第5章 死んだ地球ではビジネスなどできない
第6章 技術革新を解き放つ
第7章 環境に対する責任の再考
第8章 両面戦略
第9章 自然からの解決策
あとがき

要約
かつて私たちは、大きな地球の小さな世界に住んでいた。今や、小さな地球の大きな世界に住み、環境に負荷をかけ、安定していたこの1万年間と同じ世界に別れを告げつつあり、突然に破滅を招く転換点を超える恐れがある。その転換点を示すのがプラネタリー・バウンダリーである。

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国連が採択したSDGsの基礎概念であるプラネタリー・バウンダリーは、私たちにとって安全な機能空間を示すいわば案内図である。何の領域のどの範囲まで安全で、どこを超えると危険なのかを教えてくれる。持続可能性を見出すのに役立つ。

社会を生物圏と結びつけ、環境の回復力を強化し、生物多様性から安定した気候まで地球上の生命を支える多くのシステムは経済の前提条件であり、その上での持続可能性こそ繁栄の鍵である。鋭敏なリーダーたちはすでに理解している。早い段階で投資をすれば追加的な利益を得られる可能性が高いことを。本当のリスクとは地球環境上非効率であるのに経済合理的だと思い込み、短期的な利益獲得に走る道を危険かつ不健全であると。

□ひとりごと
後日、音声公開予定

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