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【感想】転職2.0 日本人のキャリアの新・ルール

はじめに

転職をテーマにした書籍ですが、現業での頑張り方についても記載されております。現職の中でどのように振る舞って成果を出していけばいいのかがわかります。転職をお考えでなくても読む価値はあります。現職のお仕事内容に対する考え方が変わると思います。

社会人ならぜひ読みましょう。就活されている学生もぜひ。これからの人生観が見えてくると思います。

前提となる知識

* 日本の話
* 会社の寿命よりも職業人生の方が長くなる時代
* 終身雇用は崩壊しつつある。
* 企業年金は縮小。
* 日本の平均勤続年数は11.9年。
* 大企業・有名企業に新卒入社したら人生安泰ではない。

LIFE SHIFTを事前に読んでいると、なぜこのようなことが前提になっているのかが、もう少しわかるようになるかなと思います。

今回の転職で収入が上がったとしても、次の転職の選択肢がなくなったら本末転倒。

転職の目的

転職の目的は、転職自体であってはなりません。
上位の目的は「自分株式会社の時価総額の最大化」であり、転職はその手段と捉え直すべきだというのが、転職2.0の軸になります。

「自分株式会社の時価総額」とは「自分の市場価値」のこと

市場価値向上の基本は「マーケット思考」。職業人としての自分の価値も、「市場」という物差しに当てることによって、初めて計測可能となる。
ポジション思考=目指すポジションを明確にすること
ポジション=役割

これまでのキャリアを要素分解

分解した一つ一つがタグになる。

* ポジション
* スキル
* 業種
* 経験
* コンピテンシー
分解したら、それぞれを掛け合わせて、その掛け合わせの中に自分の希少性を知ること

経験は陳腐化・錆びるので、5年で経年劣化すると考えると妥当。

キャリア形成

希望の裏側にある自分の想いや、何を目指しているのかといったことを自分自身で深掘りする必要があります。
業界とポジションが同時に変化するような異業種間転職に対して、積極的には賛成できない。
市場価値が高まるタグが得られるポジションを選ぶ
転職先のポジションに就くことで、どんなタグを得たいのか。そのタグをもとに、次のステップではどんなポジションを目指すのか。二手先くらいまでのポジションとキャリアパスを想像しておくのが理想。
キャリアパスのビジョンがしっかりしていれば、目先のポジションが一般的に熱くなくても、自分にとっては熱いポジションになります。市場価値を高める要素が得られれば、熱いポジションであると断言できるのです。
自分を最強にするために、どんな要素が必要なのかを考えてみてください。
市場価値が高まるタグが得られる業界を選ぶ
そのポジションがどうして熱いのかをある程度把握した上で、転職に踏み切ることが肝心。
転職にあたっては、スキルが上がり、タグが増えるというのが前提条件です。その上で、ビジョンに共感でき、具体的に自分が貢献できるという確信を持てるかがカギとなります。
人の職業観は、一生を通して不変ではなく、むしろ振り子のように振れているものだと思います。目一杯働きたい時もあれば、徹底的にサボりたいときもある。

現職ですること

現業でタグが手に入る仕事を得る。
目指すタグに近い業務を取りに行く、もしくは作り出すのです。

英語について

あくまでも重要なのは、英語を使って仕事をして、その仕事で成果を出すということ。

所感

社会人になる前に読んでおきたかった。

私自身は、現在転職を視野に入れている30代後半の社会人です。
転職は2回しております。勤続年数は「2年→7年半→5年半(現職)」です。

「ポジション思考」という考えから、どちらかというと理想とするポジションがあって、それに辿り着くためのタグを取得しているRPGのような感覚。まさに村の少年が勇者になる旅だ。タグを一つ一つ手に入れながら強化していくことがキャリア形成なのかもしれない。

ただし、人生観、職業観は不変ではないと思います。仕事での成果や自身のネットワーク、世の中の動向などを通して人生観が変わってくると思います。

私自身、新卒でゲームプログラマーとして入社したころにSREになるとは考えもしていなかったし、そんな言葉も知りませんでした。

キャリアデザインをベースにしながらも、キャリアドリフト論や計画的偶然性理論にあるように偶然に思いがけないタグが手に入ることもあるかもしれません。

本来、目指したかったポジションよりももっと熱いポジションに出会うかもしれません。そういった意味でも転職市場に身をおくことは重要なのだと思います。どういったポジションが世の中にあるのか把握できるだけでなく、何が熱いのか、どうして熱いのかといったことにアンテナを張れるだろうと思います。

同書を読んで良かったと思うことは、転職先を選択する際の明確な基準を持てたことです。

転職先を選択する際の判断基準として

* そのタグで市場価値が高まるかスキルが上がり、タグが増えるのか

です。

仮に想像もしなかったポジションに出会ったとして、それが上記の判断軸においてPASSできるのかどうかで、冷静に判断できるようになります。

ゲームとは違って、リセットボタンは押せません。

もっとも大切なことは転職の目的です。

明確な判断基準を持つことで、取捨選択しやすくなったと思います。とくに捨てる方。

どんなタグが手に入るのか?と考えればいいのです。面接では確認のためにも質問すればいいのです。

これまでの私の面談・面接での姿勢は、私自身がしっかり貢献できるのか、実績を積めるイメージがわくかどうかを最重課題としてきました。これは間違ってませんでした。ただし、「どんなタグが手に入るのか?」という考えはありませんでした。キャリアップにつながる明確な基準が増えたことは非常に嬉しいです。

同書でも語られておりましたが

理想を言えば、成長途上にあり、かつ自分の興味のある仕事をしている会社に飛び込み、5〜10年のサイクルで転職を重ねていくのが、もっとも市場価値を高める方法だと考えられます。

ができたらいいなと思っています。

転職市場のJDをみると3-5年以上の特定領域の実務経験が必須事項に記載されていることが多いように見受けられます。

そういった意味でも、5年くらいのサイクルで成果を積み上げて、転職(または社内の人事異動によるポジション変更)を重ねていくのがいいのかもしれません。

最後に一言でまとめると

今後の人生が楽しみになってきました。

以上。


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