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自転車日本一周の旅51日目

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朝7時、穏やかな秋空の下、ひたすら道を南下する。海沿いを走り八代市にあるスーパーに立ち寄った。店の中はやけに海外の香水の香りがした。ジャマイカのスーパーと同じ匂いで懐かしかった。

カップ麺を食べながら、このままなら余裕で鹿児島に行けそうだな、と思う。

だが甘かった。

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まったく進めないほど急勾配な道が続く。

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山。

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もはや道なのか、不安になるくらいの道。クマとか出てきそうだけど、ここら辺にはいないのかな?

ゴリゴリとメンタルが削られる。

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景色が変わらないので気を紛らわすものがなく、精神的にも体力的にも厳しい。

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なんとか超えて鹿児島県に入る。駐車場にいたおじさんに「がんばれよー!」と大声でエールを送られる。がんばります!

その後もひたすら上り坂が続き、下ることなく山道を走った。終わりが見えない上り坂はめちゃくちゃしんどい。平坦な道が少しあるとめちゃくちゃ嬉しい。

しかも道を間違えていて、僕は鹿児島市方面に行きたかったのに、伊佐市方面の山道に入っていた。伊佐市に入ってから気づいた。





そんなこんなで1日中坂を上がり続けた。日が沈み出すころにようやく霧島山脈に入る。

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入って大丈夫なのか不安になるが、車がビュンビュン進むので、大丈夫だろうと思って先に進む。

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その後も坂を上り、霧島高原に着いた。ペンションがたくさんあり、そのどれもが金田一少年の事件簿の殺人事件の舞台になりそうだったので笑っていた。

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滝を見る。そこから急に明かりがなくなり、暗くなった。月明かりが眩しかった。車はほとんど通らない。

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明かりだけを頼りに走る。

するとふと何かの気配を感じて明かりから顔を上げた。暗くて見えないが何かが僕の目の前にいて、その何かは唸り声を上げながら左の林の中へと消えて行った。

僕はめちゃくちゃ驚いて暗闇を見る。全身に悪寒が走った。あれは本当に何だったのか。今思い出しても本当に怖い。

少し走ると明るくなった。温泉だ。風呂だけでもオッケーだというので入ることにした。

寒いにもかかわらず意外とお湯はぬるかった。熱いシャワーを浴びて、近くの道の駅へ。道の駅ももちろん真っ暗だ。

タバコを吸っていると背中に激痛が背中を触ると、見たことのない形の羽虫が背中に刺さっていた。なんなんだこいつは!

テントに入る。晩御飯を食べそびれたので、カバンにあった食パンに味噌を塗って食べる。水をガブ飲みしてしのぐ。

風が強く、テントが激しく揺れる。なんという悪環境だ。しかもなにかの吠える声みたいなものまで聞こえた。さっきの獣だろうか?

寝ていると、車が入ってくる音がした。こんな山中のなにもない道の駅に、である。もう一台車が来て、少ししたあとに2台とも走り去った。なにが行われていたのだ?

怖くなってきた。全然寝れないでいると、僕は坂を上る途中に見たペンションの名前を見て笑った自分を思い出す。金田一少年の事件簿に出てきそうだと。

どうにかなってしまうのではないかと、勘繰らずにはいられなかった。アルコールもないからシラフでこの状況を乗り越えないといけない。

そうこわばっているうちに、今日1日の疲れがどっと押し寄せてきた。やばい、やばい、と考えているうちに、なにがやばいのかだんだんわからなくなり、寝た。

生きます。