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自転車日本一周の旅52日目

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朝起きて初めて、自分が今いる場所に気づく。どこだここ、という感じである。本来ならば今日は雨の予報だったので晴れていて助かった。

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支度を済ませて、山を下っていく。鹿児島市内でしろくまを食べたかったが(水曜どうでしょうの甘いもの国盗り物語が大好きなのだ)、今回はおあずけになってしまった。

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坂を下っていると霧島神宮があったので、立ち寄ってみる。

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林に囲まれた参道を歩き、境内に入る。あまり人はおらず、お参りしてからあたりをフラフラした。

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この看板の横にさざれ石の説明書きがあり、さざれ石は石灰と石が混じったものであると知る。

“さざれ石の巌となりて”とは「小さな石が集まると大きな岩になる=一人ひとりが団結して一つの国家になる」という意味だそうだ。そしてそれが“苔のむすまで”、つまり長い時間一緒だと平和でナイスですね、という意味らしい。知らなかった!

その後、近くを走っていると湧き水があった。看板には「神水 霧島」と書いてあった。神の水、霧島。写真を撮り忘れたが、飲んでみるとまろやかで口当たりがとてもいい。空のペットボトルがあったので、そこに湧き水を注ぎ、また坂を下った。

昨日登り坂が多かったぶん、今日は下り坂の連続だった。とても助かったが、メシを食べていないので全然力が入らない。

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こんなにペダルって重かったっけ?と思いながら、宮崎県に入る。「看板多いなあ!」と思っていると、手打ち蕎麦の看板が目に入った。

坂を下りながら「神水をつかった蕎麦だから、きっとうまいに違いない」と考えていると、頭の中が蕎麦のことでいっぱいになってきた。もうダメだ!蕎麦を食わせてくれい!おいしい蕎麦を!喉越しを楽しませてくれい!

それで蕎麦屋についたのだが、時刻は朝の9時。もちろん店は開いていなかった。扉をガンガン叩いて「蕎麦を食わせてくれい!」と言ってもよかったのだが、今日のところは勘弁してやる。また今度、山中の蕎麦屋に行きたい。

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坂を下っていると小さな街に入った。地域密着型の小さなスーパーがあったので朝食をとる。僕は明治のフルーツオレ(紙パックに入ってるやつ)が大好きなのだが、このメロンミルクも甘くて美味しかった。

それにしても、「メロンと牛乳を一緒にしましょう!」と最初に言い出した人は凄すぎる。メロンと牛乳を一緒にするなんて常人の発想じゃない。ありがとう、「メロンと牛乳を一緒にしましょう!」と最初に言い出した人。

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長閑な風景の中を走る。快晴とまではいかないが、晴れてくれて助かった。

このあと、また峠に入り、山を超える。昨日の疲労が確実に残っていて、ペダルが重くて仕方がない。

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なんとか宮崎市へ。友達のLINEグループにこの写真を送り、後輩のKに「お前の代わりに宮崎にきたぞ」と冗談で写真を送る。するとKから「了解しました」のスタンプだけが返ってくる。なんやこいつ!

僕は以前、Kと先輩2名と2日間ほどぶっ通しでゲームをし続けたことがあった。その2日間の大半が桃鉄に費やされたのだが、プレイをするうち、ただ勝負するだけでは面白くない、という話になった。

そこで「最下位のやつは最後にいた場所に行かないといけない」という罰ゲームを設けた。そしてKは見事に大負けし、宮崎県でフィニッシュしたのだった。だから「お前の代わりに」と送ったのだ。

ちなみに、参加者のうちの1人であるA先輩は、2回目の勝負の終盤で負けが確定した際、何を思ったかグアムの方に逃げだした。

「お前なにやってんだよ!」「グアムに行く気ですか先輩!?」などと僕たちは先輩を煽っていたのだが、先輩は最終ターンでぶっとびカードを使い、そして堂々と新宿に着地した。さすがに予想外だったので、僕たちは腹がよじれるほど爆笑した。いい思い出だ。

近くの小さな食堂でチキン南蛮定食を食べたあと、小雨に振られながら道の駅についた。

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猛烈に腹が減っていたので近くのスーパーで半額の弁当を4つ購入し、全部食べた。半額の弁当を4つも手に取るのは若干憚られたが、客がいなかったのでいただくことにした。「至福」と「至福」が組み合わさった弁当を4つも食べたら流石に満足である。

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そして黒霧島を、先ほど汲んだ湧き水「神水 霧島」で割って飲んだ。口当たりがよく、どんどん飲んでしまう。非常に贅沢な気分になれたが、飲み過ぎてしまい、夜の7時にはすでにベロベロに酔った。ご飯やアルコールによって、少しでも体力が回復することを願う。

明日は雨らしい。明日も多くの山を超える。厳しい戦いになるとは思うが、頑張って走り切りたいと思う。

生きます。