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2年間応募が来なかったindeed広告、改造して20代30代の応募が来るようにした話。

応募が来ない求人広告は、なぜ応募が来ないと思いますか?
答えはカンタン、「求職者にとって応募する理由がない」からです。

こんにちは、採用コピーライターのオヤマダです。
今回は先日結果が出た、「2年間まったく応募が来なかったindeed広告を改造して広告を変えたら20代30代の応募が来るようにしてしまった話」について書きたいと思います。

応募が来る求人広告にする方法

まったく応募来ない求人広告を応募が来る求人広告にする方法は、まあ、いろいろあるのですが、まったく応募が来ない求人広告で一番ある「やっちまっているパターン」は、

・何をやっている会社か分からない
・何をする仕事か分からない
・求職者ができるか判断がつかない

という求人広告になっているというやつです。

何をやっている会社か分からないし、何をする仕事か分からないし、自分に向いているかどうかもできるかどうかも判断がつかないから、「求職者にとって応募する理由がない」という状態を作ってしまっているわけですね。

そりゃ、求職者も応募しませんわ。

ところが、応募が来ない求人広告の多くはこのパターンに陥ってしまっています。indeedに掲載されていても応募が来ない求人広告のほとんどはこのパターンじゃないでしょうか。

企業側では、自分たちの説明が「何をやっている会社か分からない」「何をする仕事か分からない」「求職者ができるか判断がつかない」となっていることに気がつきにくかったりします。なぜなら、自分たちはその説明で分かるからです。ところが、企業内での常識は応募する求職者の常識ではありません。つまり、自分たちにしか分からない言葉で、求職者に分からないことを説明してしまっているのです。

この事実に気がつかず、「若者はみんな大手に取られる!」「もうこのエリアには若者はいない!」と、応募が来ない原因を他のところに求めがちなのですが、それは目の前の求人広告の直せるところを直し尽くしてからにしましょう。

では、どうやって求人広告を改善するのか。

方法はシンプルです。

・何をやっている会社か分かる
・何をする仕事か分かる
・求職者ができるか判断がつく

という求人広告にすればいいだけです。

といってもこの説明だけではイメージが湧かないと思いますので、「こんな感じで書かれていた求人広告をこんな風に直した」という実例をお見せしますね。

 

直す前の求人広告(Before)

<会社の説明>
株式会社〇〇〇は、精密測定ゲージ、治工具、検査装置、省力化装置のメーカー。独自技術による高精度製品、ワンストップ体制による短納期の実現、オーダーメイドの製作の3つの強みを武器に、自動車、航空・宇宙、電子機器、医療、食品まで、幅広い業界のお客さまをサポートしています。

<仕事の説明>
お問い合わせをいただいたお客さまに対して納期や価格を提示し、ご納得いただけたら製造部門に仕事を発注。出来上がった製品をお客さまに納めるところまでが、営業の役割です。当社は一つひとつ受注生産を行なっているため、製品は多種多様。打ち合わせの中でも専門用語が飛び交います。

<応募資格>
学歴不問 <未経験者歓迎!>
■普通自動車免許をお持ちの方
※ものづくりに興味があり、世の中にまだない機械を自分の手で作りだしたい方を求めています!

以前はこんな感じ(↑)の求人広告でした。

うーん、よく分からないですよね。

書かれていることは事実なのですが、<会社の説明>はよく分からないし、<仕事の説明>や<応募資格>を読むと、機械系の学部や専門学校に通っていた人じゃないと対応できない仕事のような印象を受けます。

ところが、それは誤解なのでした。

営業の仕事はすでにお取引のあるお客様先をまわり、「こういうことで困っているんだけど、なんとかできないもんかね?」という声を拾ってくることなのです。機械の専門的なことは社内の技術者が担当するため、営業に求められるのは、「お客様のご要望を聞いて、社内の技術者に上手く伝えること」だけだったんですね。

応募資格に書かれている「※ものづくりに興味があり、世の中にまだない機械を自分の手で作りだしたい方を求めています!」は、たしかにあったらいいけど、なくてもいいものでした。なんとなく書いちゃっていたんですね。

で、直しました。

 

直した後の求人広告(After)

<会社の説明>
株式会社〇〇〇〇は、「メーカーの生産性をアップさせる装置を作る発明会社」です。当社がオーダーメードで作る装置によって、お客様の手間を省き、お客様の時間と余力を生み出しています。自動車、航空・宇宙、電子機器、医療、食品と、幅広い業界に私たちのお客様がいます。

<仕事の説明>
すでにお取引のあるお客様先をまわり、「こういうことで困っているんだけど、なんとかできないもんかね?」というお困りの声を拾ってくるのが、営業の仕事。ひと言でいえば、売る営業ではなく「聞く営業」です。

社内の技術者が“解決策”を考え、いっしょに訪問。ご納得いただけたらご契約となります。その後は、納入するまで窓口として、お客様と社内の技術者との連絡に関わります。

<応募資格>
学歴不問 <未経験者歓迎!>
■普通自動車免許をお持ちの方
※「人の話を聞くのが好き」「聞いた話を正確に説明するのが得意」という方が活躍できる仕事です!

こんな感じ(↑)の求人広告に変えました。

事実だけど分かりにくくなっていたところを伝えるべき本質をとらえて言い直したのと、誤解が生じていたところを正しく伝わるようにしただけなのですが、グッと分かりやすくなったと思いませんか?

 

2年間まったく応募が来なかったのに

もともとはindeedに2年間ずっと掲載していたにも関わらず、まったく応募が来なかった求人広告でした。

でも、求人広告の上記のように改善した初月から、20代・30代のコミュニケーション力の高い方からの応募が集まるようになりました。

多くの企業様が見落としがちなのですが、求職者は、

・何をやっている会社なのか
・何をする仕事なのか
・自分にできるかどうか(向いているか)

を求人広告に求めています。

この3つの要望を叶えてあげるだけで、大体の応募が来ない求人広告の効果は改善できます。

もっとも、<会社の説明>と<仕事の説明>と<応募資格>をどういう言葉でまとめるか?というところにはそれなりの「センス」が必要ですし、上記の原稿改善には、精度の高い「要件定義」と、お客様に説明して納得してもらう「要件調整」というベテランの技(自分で言うか)が仕込まれていたりするわけですが(笑)

 

さいごに

今回の話は以上です。

具体例は、「求職者に分かりやすい説明にするにはこれくらい書き方を変えないとダメだ」ということを分かりやすくするために書きました。この記事で伝えたかったことは、

①社内の常識は社外の常識ではない
②事実を書いても伝わらないことはある
③伝えかたを変えれば効果も変わる

ということです。

この記事が、採用広報のお役に立てれば幸いです。御社の採用活動が上手くいくことを願っております。

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