どんな媒体でも使える、求人広告で応募を増やすために絶対やるべきことと考えかた
こんにちは、採用コピーライターのたいすくです。
今回は、タイトルの通り、求人広告で応募数を増やす考えかたとテクニックについて、お話ししていきたいと思います。
求人広告は、勤務地の立地、そこに住んでいる人の傾向、ターゲット層、業態、地域でのその会社やその仕事の知名度や印象、採用上の競合と比べたときの給与・待遇など、複雑に絡み合った条件に合わせて訴求の最適解が変わるもの。そのため、本格的に効果を出すためには、オーダーメードの広告設計が必要になるのですが、そのもっと前段階でやりかた・考えかたを間違えている企業様も多い印象があります。
つまり、今回、この記事でご紹介する内容は、求人広告コピーライティングとしては基礎のキともいえる「基礎知識」になるのですが、少しでも参考になれば幸いです。
応募が来る求人広告の条件
応募が来る求人広告の条件――それは「分かりやすいこと」です。
これはあらゆる業種・職種の求人広告、または採用ホームページにおいても同じことが言えます。
逆に言えば、ある程度の閲覧数があるにも関わらず応募に至っていない理由は、「求人広告が分かりにくい」と疑考えていいでしょう。
求人広告の“分かりやすさ”とは
それでは、求人広告の分かりやすさとは何なのでしょうか。これは、求職者目線に立ってみる、一度転職活動をしてみると、とても分かりやすいです。
基本的に、求職者は会社選び・仕事選びで失敗したいとは思っていません。そして、多くの求職者は「この仕事に就きたい!」という明確なビジョンを持っていないもの。さらに、できることなら自分に向いている仕事で大変じゃない(給与やメリットに見合った)仕事に就きたいと思っています。だから、最初はなるべく多くの求人広告をサラッと見て、その中から候補になる求人を絞っていくという方法で求職活動を行なっています。
つまり、求人広告に求められる分かりやすさとは、次の3つの分かりやすさに集約されます。
①「何をやる仕事なのか」の分かりやすさ
②「自分に向いているか」の分かりやすさ
③「給与やメリットに見合った仕事なのか」の分かりやすさ
分かりやすくない求人広告は、最初の「なるべく多くの求人広告をサラッと見て」の段階で求職者から“選考落ち”されてしまうのです。
「何をやる仕事」が分かりやすくなる書きかた
「何をやる仕事」が求職者にとって分かりやすい書きかたについてお話しします。僕は、エン転職での求人広告制作が長いのですが、この技は他の求人媒体でも、indeedでも、engageでも、採用ホームページでも応用が利く「仕事内容欄の構成」です。
僕は、【仕事内容】を下記(↓)のような構成にします。
▼【1】つかみ
▼【2】具体的にどういう仕事をするのか
▼【3】業務一覧と各業務の全体割合
▼【4】この仕事の意義・やりがい
▼【5】仕事の厳しさ・注意ポイント
【1】つかみ
これは仕事内容欄のキャッチコピーというべきもので、求職者にこの仕事に興味を持ってもらうのために、気になってもらう、興味を引く、魅力的なフレーズを書きます。
一番時間をかけて考えなくてはなりません。なぜなら、このフレーズによって、この仕事のイメージが決定づけられてしまうからです。過去には、このようなフレーズで“つかみ”にいきました。
<記述例>
・職場は、高度16000フィートの上空です(航空撮影士)
・この街の“ほっと”をお届けしています(湯沸かし器の修理スタッフ)
・いわば、食糧補給部隊…ともいえるお仕事(生協宅配ドライバー)
【2】具体的にどういう仕事をするのか
キャッチコピーで「なんだなんだ?」と興味を引き、その答えをガッカリさせることなく、「なるほど、そういう仕事なんだ!」と思ってもらうパートです。「つかみ」がひと言でその仕事の魅力を示すものならば、こちらはその解説部分になります。
「気合を入れてガッツリ説明してやろう!」と思ってしまいがちですが、読者(求職者)としては、まだ出会って数分しか経っておらずそんなにこちらの仕事に興味がない状態。説明したい欲求をグッとこらえて、分かりやすく簡潔な文章を心がけましょう。3行でまとめるのが理想。5行だと多すぎる感じです。
【3】業務一覧と各業務の全体割合
募集職種の主要業務を箇条書きにしていきます。くわしくは下記の<記述例>を参考にしてみてください。
仕事のイメージをより明確にしてもらうために、1つひとつの業務に落とし込みます。あまり細かく書きすぎると、リアルすぎてこの時点での求職者には「重い!」と思われてしまい逆効果になるので、ざっくり仕事の全体像がリアリティを持って分かるレベルでの抽出が理想です。
<記述例>
・お世話になっているお客様へのご挨拶・外回り営業(60%)
・お客様からの電話での問い合わせの対応(20%)
・ノートPCによる発注処理(10%)
・各種書類作成(10%)
※平日は10~16時はほとんど社用車での外出になります。
上記のように、全体の何パーセントを占める業務なのかが分かると、仕事のイメージが明確になります。上記の例の場合は、新規開拓ではなく、すでにお取り引き済みのお客様まわりがメインの外出の多い仕事ということが分かる、といった感じです。
【4】この仕事の意義・やりがい
箇条書きの下にはこのような内容を記載します。入社直後の仕事のリアルだけを伝えても分かりやすくはなりません。なぜ、この仕事がお客様から評価されているのか。この仕事をやっていてグッとくるのはどんな時か。「背景」や「未来」を伝えてあげることも大切です。
例えば、一見するとただの「荷物運び」という仕事も、それが「足が悪くて200m先のスーパーに往復2時間かけないと通えないご老人を助けることにつながる仕事」と分かれば印象がガラリと変わりますよね。つまり、こういうことです。
【5】この仕事の厳しさ・注意ポイント
マイナス印象を与える情報なんて与えないほうが応募が来ると考える経営者・人事担当者の方はまだ多いようですが、これはタイ料理のメニュー表に書かれている辛さマークみたいなもの。どういうところが躓きやすい仕事かを書いてあるほうが、入社後に「騙された!」と思われないので、実はきちんと書いたほうがいいのです。
「自分に向いている」が分かりやすくなる書き方
この書きかたは、前段の「何をやる仕事なのか」が分かりやすく書かれていれば半分は成功しています。
もう半分を成功させるために、【応募資格】欄に【この仕事に向いているタイプの人】という項目を作り、この求人ではどんな人を求めているかを具体的に書きます。
<記述例>
・常連になっている馴染みのお店をつくるのが好きな人
・オフィスにいるよりドライブしているほうが気がラクな人
・電話対応が人並みにできる人
これ(↑)は前段の仕事内容に合わせて書いてみました。「ああいう仕事だから、こういう人が向いている」というのが分かりやすいとともに、自分が向いているかどうかも分かりやすいですよね。この情報の“一貫性”が求人広告ではとても大切だったりします。
その他の分かりやすい書きかた
①「何をやる仕事なのか」の分かりやすさと、②「自分に向いているか」の分かりやすさがきちんと書かれていれば、あとは、勤務時間、給与、福利厚生、一緒に働く人といった情報と比較して、③「給与やメリットに見合った仕事なのか」の分かりやすさが確立します。
しかし、仕事内容の大変さに対して給与額が低かったり、福利厚生が採用上の競合に著しく負けていたりする場合、仕事の魅力が劣っていることが分かりやすくなってしまうこともあります。
理想をいえば、「給与や福利厚生は増やしていきましょう」ということなのですが、そうカンタンに増やせない企業様もいらっしゃいます。その場合は、ターゲットにとってどういう転職メリットを訴求できるかを考えてください。給与・福利厚生以上に価値のある転職メリットを出せれば、結果はおのずと付いてきます。
さいごに
本日は以上になります。
今回、お話しした内容は、これまで4000件以上の採用成功を実現させてきた僕なりのノウハウです。真理とはいいませんが、なかなかいいところはついている内容だと思いますので、参考にしてみてください。
HRと謳っていても採用についての思考が浅すぎる人材系の会社はありますし、広告代理店だからといって効果の出る広告が作れるわけでもないのが現実です。企業は、実力のない業者に騙されない採用リテラシーを身につけて、最終的に自社HPで採用を完結できるカタチを目指すべき。この記事はその参考になると思います。
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