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オール英語で書かれた求人広告は、英語力がある人を集めるのに有効ではない。

こんにちは、いろいろな求人広告を試してきて15年、超大手企業から小さな町工場まで4000件以上の採用成功実績を持つ採用コピーライターのオヤマダと申します。

みなさん、お元気でしょうか。
僕は少し腰が痛いです(あいたたた)。

 

オール英語の求人広告はなぜダメなのか

正確にはダメではないのですが、見た目のインパクトだけで、ターゲットを集めることにも、ターゲットの英語力を測ることにも機能しないアイデアと僕は思っています。

思慮の浅い広告制作者は、この手のアイデアを嬉々としてクライアントに提出してしまいがちなのでご注意ください。うん、過去の僕のことですね(ひーっ)。

で、話は戻りますけど。

オール英語で求人広告を書いても、応募数にはあまり影響しないんですよ。

なぜかというと、そもそも英語力が必須の求人って珍しいですし、「英語力を仕事に活かしたい!」という人も一定数います。つまり、変なことをしなくても一定の応募数は見込めるものなので、変なクリエイティブを発揮して求人広告を目立たせる意味がないのです。

英語ができない人は、「求人広告がすべて英語で書かれている」=「読める人は英語力がある人」ということでターゲティングができるアイデアと考えてしまいがちですが、それはターゲットが求人広告で知りたがっていること・求めていることとはちょっとズレています

ひと言で「英語力」と言っても、それは書いてある英文を読む力なのか、それとも英文を書く力なのか、はたまた、英語を話す力なのか、英語を聞き取る力なのか、どんな場面で使われるのか、どんな英語対応が求められるか。違うわけですよ。このような要素によって、英語が使える人によっても仕事への向き・不向き、興味が湧く・湧かないというのがあるわけです。

「英語力を仕事に活かしたい!」という人が求人広告で一番知りたい情報はって、ここの部分(↑)――「どれくらいのレベルの英語力がどんなビジネスシーンで求められるのか」だと思うんですよ。

で、

多くの求人メディアには、各項目に「文字数制限」があります。要は、「この項目には何文字まで書ける」というリミットのことです。カンの良い人なら気がついたと思うのですが、英語は文字数を使うんですよ。

日本語では「仕事内容」の4文字で済むところ、同じことを言うのに「job description」の15字も必要になってしまう。結果、求人広告全体の情報量が大きく減ってしまうというデメリットがあるのです。

そんな情報量が少ない英文求人広告で、英語力を見極める文章作成ができるわけもないので、「オール英語の求人広告は見た目が珍しいだけで求人広告としての機能性がないアイデア」というのが、僕の見解になります。

 

オール英語求人広告をやったことがあるのか

アッ〇ル様でやったことがあります。
僕は上記の理由で「やらないほうがいい」という話をしたのですが、先方の担当者が「大丈夫です。ウチはアッ〇ルですから」と言い、そのままオール英語求人広告で載せました。

応募は殺到しましたね。でも、理由はアッ〇ルだからです。

あと、

日本において英国文化を体験できるテーマパークのスタッフ募集の時にも、オール英語求人広告を使いました。

これは、テーマパーク内では一切英語以外しゃべれないというユニークな施設なのですが、求職者にその施設内での生活をイメージしてもらうことと、求める英語力がそこまで高くなかったため、「最低限この求人広告で使われている英語くらいは理解できてほしい」というクライアントの思いがあったため、オール英語求人広告にしました。そのため、「英語力を試すために求人広告内で英語で書かれた情報を質問する」という面接方法も提案させていただきました。

応募数はそこそこ集まりましたよ。テーマパークの立地が交通の便が良くない所だった割には頑張った結果ではないでしょうか。

このように、オール英語求人広告にする意味がある場合は使ってみてもいいんじゃないかと思います。

 

さいごに

求人広告はもっと面白さを追求して良いと僕は思います。求人広告はもっとクリエイティブを発揮すべきフィールドじゃないかなぁとも思っています。

なぜなら、面白くない求人広告は、募集している仕事も、募集している会社も、つまらないように見せてしまうからです。これって怖いことです。

その仕事に面白さを感じて、やりがいを持って行なっている人たちがいます。仕事の面白さの本質的なところをとらえて、いかに面白さを伝えていくかが、求人広告クリエイティブの醍醐味であり、伝えていく側の人間の存在意義ではないでしょうか。

この記事が、採用広報のお役に立てれば幸いです。御社の採用活動が上手くいくことを願っております。

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