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作りたいものではなく、使いたいものを作る。

技術ありきで作りたいものを作るシーズ視点・プロダクトアウトの考えで作ったプロダクトは、ものとして使えるものになることは少ないです。結果、売れないのでクライアントもデザイナーも商社も困り、技術が広まることもありません。

そうならないためにも、その技術を活かして、まずは自分たちが使いたいものを作ることをしましょう。自分たちが使いたいものであれば、同じ価値観を持った人、同じ問題を抱えている人は欲しくなり、買います。そうすると、全員に利益があり、結果技術が広まります。

前回お話した通り、まずは使えるもの、売れるもの、広めるものを作って、一緒に販売していくのが良いかと思います。

今回は、この三つの条件について考えてみます。

①使えるもの

プロダクトを新しく作るときの大前提に、「問題解決」と「価値創造」のどちらか、もしくは両方がある必要があります。

「問題解決」で言えば、まずは機能を提供すること。社会的な問題でも、身近な問題でも、何かの課題や問題を解決するための道具やプロダクトをデザインすることになります。

「価値創造」で言えば、新たな価値や豊かさを提供すること。それは、幸せな気持ちにしたり、欲求を満たしたりすることにあります。つまり、そのためには、美しい外観やコンセプトのプロダクトをデザインします。

まず、自分たちにとって「使えるもの」を作ることから始めると良いかと思います。それは、問題を解決するためのものでも良いですし、価値を創造するものでもよいです。ただ、自分たちが使いたいものを作りましょう。


②売れるもの

このような過程で生まれたプロダクトを販売していくことになります。作りたいものではなく、使いたいものであれば、お互いが価値観でつながるので、販売しやすくなります。

つまり、同じ価値観を持った人、同じ問題を抱えている人は欲しくなりますし、自分たちが宣伝して広めやすくなります。

自分たちにとってただ「作れるもの」は「売れるもの」になりにくいです。なぜなら、用途としての「使えるもの」が考えられていないからです。

一方で、自分たちにとって「使えるもの」は「売れるもの」にはなりやすいはずです。理想を言えば、「作れるもの」の中で、「使えるもの」を作ることができれば、職人、デザイナー、商社、消費者の四方が得をします。


③広めるもの

売れるものであれば、勝手に広まっていきます。更にモノが良ければネットの評判なり、口コミなりで伝番していきます。つまり、良いものを人にも薦めたいし、使ってもらいたいと思い、ギフトで送ったり宣伝したりします。

もちろん自分たちで宣伝することも大切なので、そのアイデアやプロダクトの価値や生まれたストーリーも伝わるようにしましょう。


最後に

まずは使えるものを作る。それが売れるものになり、そして広めるものになります。この順番がかなり大事だと思っています。

クライアントワークや職人さんとのプロジェクトであれば、まずは作れるもの中から、使えるものを作る。もしその技術が特別のものであれば、他に真似されることなく、独占して作り販売ができます。

先に売れるものを作ろう、作れるものを作る、広めるものを作るとすると、たぶん成功は難しいですし、続きにくいです。

プロダクトとして、突き詰めてることから始めましょう。


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