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培ったものは捨てよう:イノベーション戦略から学ぶ人生戦略

僕は今36歳で、仕事を辞めてスペインに来てダンスをしています。

ふつーに考えると、そいつやべーんじゃね?世捨て人?将来とか老後の不安とかないの?後先考えてないの?とかなると思うんですが、自分なりにいろいろ考えて決めたことでもあるので、そのあたりも少しずつ書いていければと思っています。

迷える中年の参考に少しでもなれば幸いです。(笑)

今日は、企業のイノベーション戦略が僕の人生戦略を考えるうえでどう役立ったかを書きたいと思います。(僕は今まで大企業のイノベーション支援をする企業で働いていました。いまも少し仕事をもらっています。そのことも近いうちに書きます。)

今まで培ったものを捨てるのは難しい


企業、(特に大企業)がイノベーションを起こすことが難しいことの理由の一つに、「既存事業との折り合いをつけるのが難しい」というのがあると思います。

イノベーションを起こすには、新たなチャレンジ、つまり新たな投資が必要になります。が、すでに収益を稼ぎだしている既存事業からしてみれば、「なんで俺らが汗水たらして稼いだ金を湯水のように使って、成功するかどうかもわからん事業につかってんねん」となるわけです。

収益をもたらしている既存事業の責任者は社内での発言権も大きいでしょう。

「俺ら(既存事業部門)が稼ぐからお前ら(新規事業部門)は新しいことをやれ!」というような男気ある奴はいないのか!?みたいに思う人もいるでしょう。

でも、気合いだけの問題ではないのです。例えば、新規事業が成功すると、既存事業の収益が下がるような場合もあるでしょう(カニバリゼーション)。
既存事業の部門長のボーナスは既存事業の収益によって左右される場合も多いでしょう。既存事業の部門長は大企業においては大体年配の方です。そうすると、「ここで男気をみせて新規事業を応援したら、既存事業が侵食されて、俺のボーナスめっちゃ下がる可能性あるな。。。家のローンと子供の教育費どうしよう。。。」みたいなことにもなりかねません。

家のローンと子供の教育費を犠牲にして新規部門を応援できる男気のある人はどれだけいるでしょう?

それでも新しいことをしないと何も起きない

でも、イノベーションを起こすには、不確実性な事業に投資せざるを得ません。確実に成功する新規事業なんてないからです。

既存の事業からの反発をいかに抑えて、もしくは、いかに切り捨てて、新規事業に邁進できるかが勝負です。

もう少し細かく書くと、以下の感じかと思います。

(https://01earth.jp/c-strategy/ppm/)から引用

左下の③が既存事業です。ここで稼いだ金を右上の①(市場におけるシェアが低いので収益は生んでいないけど、市場そのものが成長しているので、成功する確率が高い事業)に回して、イノベーションを狙う必要があります。(①は、今から爆発的に成長する可能性があるイノベーティブな事業です)

③ばかりやってると、今は儲かるけど、そのうち儲からなくなってしまうからです。(③がいずれ右下の「負け犬」になっちゃう)

人生でも、培ったものを捨てて、新しいことに投資しよう

人生戦略も同じように考えることができるかと思っています。例えば、安定して給料も高い仕事(上の図の③に該当)を持っていると、それを捨てることはなかなかできません。

でも、少なくとも、③からの稼ぎの一部分を①(今はショボいけど将来の自分の夢の実現に貢献するようなこと)に回していくことで、人生もイノベーティブなものになるんじゃないかと思っています。

前回も経営戦略と人生戦略を重ね合わせて考えてみましたが、ここでも企業の経営戦略と人生戦略には共通する部分があるんじゃないかなーと思っています。

今、現金収入をもたらしてくれている仕事を辞める必要はないと思います。

けど、その仕事ばかりやっていると人生のイノベーションが阻害されてしまう可能性があると思います。

今の仕事を少し減らしてでも人生を豊かにしてくれることに投資すると新しい生き方が見えてくるかもしれません。

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