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「二条城」見学録【京都市・中京区】

世界遺産二条城では、広く市民や観光客の方々へ二条城の歴史や文化の魅力に触れていただけるよう 令和6年1月4日~1月29日の期間「二条城の早春」と銘打ち、国宝・二の丸御殿の障壁画や天井画などが間近で鑑賞できる「黒書院 三の間」の特別入室や障壁画の原画(展示収蔵館)が公開されました。「黒書院 三の間」は普段廊下からしか鑑賞できませんが、今回特別に「三の間」へ入室して間近での鑑賞が可能となります。当時の徳川家将軍との対面前の控え部屋「三の間」での景色や雰囲気を肌身で体験できるまたとない機会かなと1月末に駆け込みで行ってきました。今回はそのレポです。🙂👍



二条城

二条城にじょうじょう京都市中京区にある平城。江戸時代徳川家の居城であり、公務を執行する場でもありました。後に正式に変遷することになりますが、皇室の離宮の役割も担い、「元離宮二条城もとりきゅうにじょうじょう」が正式名称です。当初、1603年に江戸幕府初代将軍徳川家康により、天皇の住む京都御所の守護と将軍上洛の宿泊所とするために築城されました。三代将軍家光の時代、後水尾天皇ごみずのおてんのう行幸ぎょうこう(天皇の外出)のため城内は大規模な改修が行われ、二の丸御殿にも狩野探幽かのうたんゆうの障壁画など多数加えられました。壮麗な城に天皇を迎えることで、江戸幕府の支配が安定したものであることを世に知らしめたいとの思惑があったと考えられています。1867年には15代将軍徳川慶喜二の丸御殿の大広間で「大政奉還たいせいほうかん」の意思を表明したことはあまりに有名な史実です。1944年、ユネスコ世界遺産に登録された二条城は、徳川家の栄枯盛衰と江戸時代の日本を見つめ続けた稀代希れなる歴史遺産と言えます。🤓


二条城へのアクセス

[住  所]
元離宮二条城
〒604-8301 京都府京都市中京区二条城町541

[交通機関]

世界遺産 元離宮二条城の公式HP/交通アクセスより抜粋

京都駅から二条城へ行くルート

私は 京都駅から地下鉄烏丸線に乗り烏丸御池駅(220円)で下車、そこから徒歩(10分位)で二条城へ行きました。🙂👍


散策マップ

二条城敷地内の散策は公式HPから参照できる「ガイドマップ」が便利です。「ガイドマップ」は、以下のURLより参照/ダウンロードできます。👇🙂

ガイドマップ | 二条城 世界遺産・元離宮二条城 (kyoto.lg.jp)

ガイドマップ


同HPでは、所要時間に応じて三つの観光モデルコースが紹介されています。
以下のURLより、三つのモデルコースを参照することができます。👇😊

観覧モデルコース | 二条城 世界遺産・元離宮二条城 (kyoto.lg.jp)

◆コース例

おすすめコース(2時間)


元離宮二条城散策(東大手門→番所→南門→唐門→二の丸御殿)

モデルコースの「おすすめコース」に沿って散策を始めます。🙂👉
券売所で入城券を購入します。入城+二の丸御殿拝観券:1300円(入城券のみ:800円)です。二の丸御殿入場時に券のQRコードを読取ってもらいます。

史蹟舊二條離宮しせききゅうにじょうりきゅう 二條城の石碑東大手門
東大手門(重文)/建築当初櫓門(2階建て)でしたが、寛永行幸かんえいぎょうこう(天皇ご来所)時に天皇を見下ろさないようにと建て替えられたそうな・・・何という気配り!🤔」
番所/幕府から派遣され宿直・警護をしていた武士らの詰所」
東南隅櫓とうなんすみやぐら(重文)/1626年に建設された隅櫓の一つ。二条城には最大9棟の櫓があったが、現存するのは東南と西南の2棟のみです🤨」
南門/大正4年(1915年)の大正天皇即位時に天皇の入城口として新規に作られた門です😮」
唐門からもん築地ついじ(重文)/まずは外国人観光客の皆さんと一緒にハイ・チーズ!😘」
唐門/築地(重文)/寛永行幸の前年に建てられた。屋根の前後に優美な曲線を描く唐破風からはふがあり格式が最も高い門(唐と言っても唐(中国)とは無関係のようです)・築地の白線は皇室との関係の深さを表し、もちろん最高格の5本線!😮」
唐門の装飾彫刻/柱より上の全ての空間に彫刻があり、鶴、亀、松竹梅、蝶、牡丹、龍、虎、唐獅子などが見えます🫡」
二の丸御殿遠侍とおざむらい(国宝)(左)と車寄くるまよせ(国宝)(右))」
車寄くるまよせ(国宝)/二の丸御殿の玄関」
車寄の透彫欄間らんま装飾/この鳥は鸞鳥らんちょう(鳳凰のヒナ)です🫡」

二の丸本殿の内部は、残念ながら撮影禁止です。踏むとうぐいすの鳴く廊下を進むと、普段は廊下側からしか鑑賞できない「黒書院 三の間」の中を通る形で順路が組まれており、狩野派絵師※らによる障壁画の《松図》などが間近で鑑賞できました。🫡(こんな控室でお殿様との面談を待つのですから、ある意味気分も高揚することでしょう)「三の間」には、車寄で見たような両面から透かし彫りされた欄間の彫刻があり豪華絢爛で実に見応えがありました。🙂※城内を飾る2000面を超える障壁画は狩野派かのうはにより描かれ、うち1016面が重要文化財指定されています。😮二の丸御殿内部をぐるりと一巡りして外へでました。次は二の丸庭園方面へ進みます。なぜか途中で目にした釣鐘2つ・・・🤔

釣鐘つりがね/当時京都所司代きょうとしょしだいの屋敷にあり火事等を知らせるために使われたものです。」


元離宮二条城散策(二の丸庭園→本丸櫓門→本丸御殿&庭園→天守閣跡→西橋)

落ち着いた二の丸庭園を通り抜けると、本丸と二の丸の境筋を渡ると東橋本丸櫓門をくぐると本丸御殿本丸庭園に出ます。🙂👉

二の丸庭園へ通じる門」
二の丸御殿・大広間(国宝)/将軍上洛時の居館として家康が造営。天皇行幸に備えて家光の代に大改造があり現在の姿に。江戸時代の書院造の代表例として国内に残る唯一の御殿群として1952年国宝指定されました。😮」
二の丸庭園/桃山様式の庭の中心に池をおき、その周りを鑑賞する池泉回遊式庭園。特に「風致景観が優秀で学術上の価値が高い」と判断され、特別名勝となっています。😮」
本丸櫓門ほんまるやぐらもん(重文)/本丸を防御する重要な門。扉は鋼板で覆われまさに要塞の構えです😮」
東橋上で(そこのお二人さんはアジアからの観光客のようでした)」
桝形ますがた本丸櫓門をぬけても四方を囲まれ袋のねずみ状態にする防御構造です🤔」
本丸庭園の中を進みます。右手の建物が本丸御殿です。」
本丸御殿御常御殿ほんまるごてんおつねごてん(重文)
本丸御殿と本丸庭園の一部/日本庭園の様式である池や枯山水ではなくイギリス式庭園の様式を取り入れた芝生と植樹を中心とした意匠を取り入れ、明治時代に流行した和洋折衷の回遊式の庭園です🫡」
天守閣跡/当初伏見城から移築された五重の天守だったが、江戸時代の寛永3年(1750年)に落雷で焼失しました😮」
天守閣跡へ向かう石段/全国のお城の中で唯一天皇がお登りになったとされる天守閣です😮」
天守台の上/若者がスマホに熱中しています😓」
「天守閣跡からの眺め/内堀方面」
「天守閣跡からの眺め/本丸御殿が良く見えます。」
「天守閣跡からの眺め/西南隅櫓方面」
「天守閣跡からの眺め/西橋方面」
本丸御殿と本丸庭園
本丸御殿玄関(重文)/保存修理工事中です。」
「石垣に挟まれた径を通って西橋へ向かいます。」
西橋(本丸御殿側から)」
西橋(堀外側から)」
休憩所/ふ~っ、やっと休憩できる😓」


元離宮二条城散策(西北土蔵~西門~北中仕切門~清流園~北大手門~二条城障壁画展示収蔵館~)

西北土蔵(重文)西橋を挟んで北と南にある土蔵。米など穀物類を収納するが武器をしまう蔵も・・・🤔」
西北土蔵(重文)/反対側からのビュー」
西門(重文)/1626年建設。死角をなくすために屋根をできるだけ小さくした門で、柱の上に屋根が無い造りになっています🤔」
「お堀に架かる西橋が見えます。」
北中仕切門(重文)/内堀南側の南中仕切門の対の門。門の上に立つ土塀と石垣に囲まれた埋門うずみもんです🤔」
北中仕切門と七石庭/北中仕切門の石垣沿いに加茂七石かもしちせきで造られた七石庭があります🙂」
七石庭/加茂七石(八瀬真黒石、鞍馬石、畑石、糸掛石、紅加茂石、紫貴船石、畚下石ふぐろいし)は賀茂川や高野川の水系で採石された銘石です🤔」
加茂七石の立て看板」
清流園/1965年京都市が造った庭園。西半分は池泉回遊式の和風庭園、東半分は芝生敷きの洋風庭園からなる和洋折衷庭園。(命名は当時の京都市長)🙂」
香雲亭こううんてい/江戸時代の豪商角倉了以すみのくらりょういの屋敷から移築された茶室。予約すれば期間限定の
食事もできます🤤」
「清流園の水車/清流園の和風庭園側にあります🙂」
「清流園の台杉/特徴的な杉の仕立て方ですね😮」
清流園の石碑/和風庭園と洋風庭園の中間から洋風庭園側にある石碑です🤨」
北大手門(重文)/正門の東大手門に対する控えの門。江戸時代門の向いに京都所司代の屋敷があり連絡門として使われたようです🤔」
緑の園/芝生が敷き詰められた洋風庭園ですが春にはが見事なようです🤔」
「真っ直ぐ進むと入口の東大手門に戻ります。途中に収蔵館大休憩所があります。」
二条城障壁画展示収蔵館(入館料:100円)/障壁画の原画(実は二の丸御殿にある障壁画は複製です😮)を収蔵・展示しています(撮影禁止)。二の丸御殿の障壁画が四方に貼られ畳の上に座って当時の大名らが眺めた視線で鑑賞できる展示ルームがあり臨場感満点です🫡」
「最初に入館した二の丸御殿が見えてきました。」


追加散策:(西橋~西南隅櫓~梅林~南中仕切門~桜の薗~桃山門~鳴子門)

おすすめコース(2時間)の正規ルートは西橋を渡ってから右折し 清流園方面へ向かいますが、よくばりコースに含まれる南側散策ルートが含まれていません。そこで 西橋を渡ってから左折し 梅林方面へ向かうルートも追加でトライしてみました。🙂👍

西橋を渡り切ったところ」


梅林、桜の園方面に向かって左折します」
西南隅櫓(重文)/1626年頃の建設。東南隅櫓と比べ一回り小さいが1階屋根に唐門同様唐破風があります。現存する櫓は、東南隅櫓と本櫓のみです。🤨」
梅林/約90本の梅が植えてあり、2月~3月には白梅、紅梅、桃色梅、しだれ梅、源平咲き分けと言った様々な梅の花が咲き乱れます」
梅林の梅/梅のつぼみが・・・🙂」
南中仕切門(重文)/北中仕切門と対になっている門。土塀と石垣に囲まれていることから「埋門うずみもんと呼ばれています🤔」
南中仕切門の特徴的な背面の屋根だけが延びている構造」
桜の園/残念ながら・・・桜の季節ではありません😭」
桃山門(重文)/北の鳴子門と対になって、南側からの本丸櫓門への通路を塞いでいます。中央の門の両脇は門番所となっています🙂」
「この門の左側はお堀です。」
「右側が二の丸庭園、左に本丸櫓門が見えます」
鳴子門なるこもん(重文)/南の桃山門と対の門で、北側からの本丸進入を塞ぎます。門の正面と背面に4本の控柱を立てる四脚門しきゃくもんで非常に珍しい構造の門です😮」

鳴子門をくぐると、正面が清流園、左に進めば北中仕切門、右に進めば緑の園~展示収蔵館へ続く道となります。👈🙂👉


・・・元離宮二条城の広い敷地内を散歩感覚でゆっくり見学すると、やっぱり2時間位はかかりますね。シーズンによって二の丸御殿の拝観内容が変わりますが、初めての方なら入城と二の丸御殿拝観のセット券をお薦めします。二条城の見学録はここまで。🙂👌


感想

二条城に以前訪れたのは私が中学生だった頃の修学旅行先でした。🤓あれ以来モ~二桁年が過ぎ去り、確か当時は要予約制で一般客は簡単に見学できなかったかと思います。唐門をくぐって二の丸御殿に直面した時に、ふっと中坊だった頃の記憶が蘇って来ました。「おー、来たことある!😀」でも、何故か覚えていたのはそのシーンだけ。🤔なので、今回広い構内で見るもの聞くもの新鮮な気持ちで見学できました。見応えがあったのは改修された唐門の色鮮やかな彫刻。三の間の一枚檜板で作られた欄間彫刻も見事でした。そして二の丸御殿内の障壁画に囲まれた将軍や面会者の心情に思いを馳せ、日本で唯一天守閣に登ったとされる天皇の気分で下界を見下ろす・・・ちょっとだけ、そんな非日常空間に身を置くことができた二条城見学でした。😊

最後まで本記事を読んでいただき、ありがとうございます。😌


まとめ

今回の散策ルート


おまけ

今回の二条城での見どころ・・・



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