【中野信子】人は、なぜさみしさに苦しむのか?【読書感想文】
この本は「 さみしさの対処法 」を教えてくれる本です。
さみしさは自分の命を守るために必要な感情
石器時代、私たちは過酷な環境で生きてくために、みんなで協力して生きていました。
その時代に群れから追い出されて、長期間一人になってしまうと、ライオンに襲われたり飢えたりして死ぬことを意味していました。
私たちの脳は、今でも自分が石器時代の狩猟最採集社会で生活していると本気で思っています。
そのため、長期間一人で過ごすと、私たちの脳は「一人でいるのは危険だ!」と警告してきて、不安や緊張、気分の落ち込みといった感情を引き起こし私たちに人との交流を求めるように動かします。
人間はさみしさや孤独を感じるからこそ、他の人と協力し、交流し、家族を持つことで今日まで繁栄してきました。
ちなみに、孤独だけではなく、恐怖や不安などのネガティブな感情も自分の命を守るための防衛本能になります。
1歳半までに一人がさみしいと感じやすい人と感じにくい人が決まる
誰でも大なり小なりさみしさを感じるものですが、その差はどこで決まるのか?
「生まれつきの遺伝」と「1歳半までの育てられ方」の2つで決まることがわかっています。
さみしさや、孤独に押しつぶされて勝手に涙が出たり、睡眠の質が悪くなったり、気分が暗くなっている人は、そのまま寂しさや孤独を放置しているとどんどん不健康になっていくので注意が必要となります。
孤独やさみしさが長く続くと不健康になりやすい
社会的なつながりを持っていない人は、社会的なつながりを持っている人と比べて、うつ病、認知症、呼吸器系疾患、睡眠の質低下、ウイルス感染のリスクが高まり、死亡率を26%も高めます。
さみしさには恥ずかしいことだというイメージがあるため解決するのがとても難しい
さびしさを感じる人もいれば、感じない人もいるため、他人と共有しづらい感情ですが
世間ではさびしいことやぼっちにはネガティブなイメージがつきまとうためなかなかさびしさを表に出しづらいわけです。
さみしさはダメなこと、恥ずかしいことと思って隠していくと、最終的にお酒をたらふく飲んだり、パチンコ、ギャンブル、ゲーム、過食、買い物などに依存して身を滅ぼしやすいわけです。
運動すること
数多くの研究で、運動によって幸せホルモンであるセロトニンが分泌されることで思考を前向きにしてくれて、気分を安定させる効果があることがわかっています。
軽くウォーキングしたり、軽く筋トレするだけでも十分効果があります。
一人でできる趣味を持つ
自分が今やっていることに夢中になれていれば、さみしさや孤独を感じづらいからです。
ここでは読書がおすすめになります。
読書は一人で読んでいるように見えて、本の著者や自分自身と会話をして考えを整理する行為だからです。
人間の脳はストレスを受けて扁桃体という部位が興奮し、ネガティブになりやすいわけですが、読書によって本の内容に没頭するとこの扁桃体の活動が抑えられて心が落ち着きます。
また人は新しい情報を得ると、ドーパミンという報酬系が活発になり、達成感や喜びを感じやすくなります。
ちょっとした会話ができるカフェなどに出かける
見知らぬ人とほんの少しだけ会話するだけでも気分が晴れるからです。
カフェはお金を少し払えば、誰でも入れますし、行きたくなければ行かなくていいですし、帰りたいときに帰れますし、コンセントやwifiなどもあります。
深く人と関わらなくてもいいいから、しがらみもないですし。それに仕事や勉強、読書にも集中しやすくなります。
人間関係の秘訣は適度な距離感を維持すること
人間関係は距離感が全てです。
自分にとっても相手にとっても心地のいい距離感で付き合うのが大事になります。
逆に相手のことを考えずに連絡しすぎると近づきるし、何でも理解してくれると期待しすぎると失望してしまいます。
ほどよい距離感で人と付き合うポイントは
期待しない
要求しない
批判しない
の3つになります。
人間関係がうまくいかないときには、もしかすると人に期待しすぎていたり、要求しすぎているのかもしれません。
そもそも人と良い関係を築くには、相手は自分は違う人間であり、なにもかも共有できないことを理解することが大事になります。
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