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青い朝

雨が通った跡を
僕らは何も知らないまま
歩いている。

雨が通った跡を
僕らは何も感じないまま
歩いている。

大げさな口調で語られる
産まれたり、死んでいったり。
幾億年の永い、永い
営みの中で未だ誰もが触れられないでいる
それはとてもとても
不可思議な、普通。
どうして理解したような振りをしているのか
どうして受け入れたような振りをしてるのか
ほんとはまだ
誰も知らないし、実感することもできないでいるのに。
出会うたび、出会うたび
それはいつも新しく
それはいつも懐かしく
でもそれはいつも漠然と
抱擁する。ただ抱擁する

雨が通った跡を
僕らは何も知らないまま
歩いている。

雨が通った跡を
僕らは何も感じないまま
歩いている。

ここが途中なのか
どこが始まりで
どこが終わりなのか
そんなことを模索する意義もなく
雨が通った跡を
歩いている。

『青い朝』

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