comuichi.
すべて自筆の トップのお写真はどなたかの こらぼれいしょん、これでないと そんな態度で、言葉と向き合っていきたい 2018を綴っています。
夜の河に 星を流す 有無を超えて 輝石光る 物語の始まりと終わりは 同時発生し、背中合わせに 語り部が手繰る糸車の速度に合わせ 紡ぎ、紡がれ 微かな単音を奏で 積み重ねていく 夜の河に 星を流す 有無を超えて 輝石光る 本初子午線を目蓋が一跨ぎする頃 ひとつ、あるいは無数に 物語は菌糸が伸びゆく様に 光も。影も。絵も。字も。 包み込んで 音を遺す 耳を澄ます 口を閉ざす 鼓動、脈動 耳を澄ます 口を閉ざす 心音、胎動 夜の河に 星を流す 無垢を添えて 命宿る 『睡
何がしたいとか 何が好きかとか 考えてから思い当たる事柄は 存外、本来の感覚とは違う 世間体や周囲の人が導いていたりする そこから生まれる違和感 所謂、しっくりこない日々 その違和感を消化吸収しようと足掻く 無理くり嚥下し、感覚に練り込もうとする 何がしたいとか 何が好きかとか 実はもう手の届くところにあって 掌で鼓動していたり 心の苗床で芽吹いていたり 考えるな、感じろ 誰かの名言よ 惑わすな、黙ってろ 君への迷言か 何がしたいとか 何が好きかとか 本音はずっと
夏休みの終わりが、夏の終わりだと 思念を拗らせたのはいつからだったろうか 蝉の声明文が五月蝿く聴こえ出したのはいつだったろうか 無くしたものこそが大切なものだと 習い始めた日からだったろうか 足音が、足跡に代わっていく。 いつか何もかもが白日の下 曝されていく 形容し難かった魂の形も 老舗の秘伝のレシピも いつか何もかもが白日の下 曝されていく 無秩序に、無遠慮に ただ写し取るだけの眼の欲を満たすためだけに 虫取り網の中、羽ばたきをやめない、やめない 視てるのはどちらだろ
浅はかな知識、僅かな人生経験上 絶望、失望の類を雄弁に語れるほどのヒトではないけれど 例の識別コードで読み取られてしまうほど 簡単な風体をしてはいない 難解、読解、つかみ取った外勢の真偽はどうだい 愉快、痛快、選び取った大勢は真摯か、どうだい 異物混入禁止のその世界 居心地はどうだい 薄氷を渡るようなものだよ 希望なんてものに希望するのは じゃあどうすればいいのかなんて 知ったこっちゃないんだよ こっちだって薄氷を踏む日々なんだよ 好きか嫌いかの二極分岐点でさえ迷い始め
僕らが遠くの橙に願わなくなって どれくらい経ったのだろうか 栄枯盛衰を続ける感情を持て余し 確固たる地位の何かにすがる 鈍重なる日々。 歩けど歩けど 青空は燈火のための岐路を描いて 歩けど歩けど 黄昏が淘汰の先で微笑んでいる。 色になど例えるな、縋るな その目に抱いたキャンバスに 僕だけの色彩を お前だけの色彩を 色になど甘えるな、訴えるな その意に背いたワンバースに 僕だけの色彩を お前だけの色彩を 『yellow.』
足と、手と、脳と、心と とりあえずは人となれる。 正しい術は旧い友からも聞きそびれているけれど 今、ここに 思うことがあったとして もう、そこに 想うことになる 振り返り、振り返り 淡々と、淡々と 歩みは鼓動として 鼓動もまた歩みとして 人は始まりの場所よりも 終わる場所への探求を欲する 気づかぬうちに 毟り取られた羽を 安眠の贄にして。 美しい夢を 澄んだ美しい夢を 物語を添えながら 今、ここに 思うことがあったとして もう、そこに 想うことになる 振り返り、振り返
何もかもを, 大した人生ではないけれど, 有益な命でもないけれど, 何もかもを 棄ててしまいたくなる気持ちが無くならない 「答え」という場所には 代り映えのしない表情と,声とが 原型を保ったまま ありとあらゆる未来に,過去に, 頁をめくるとき傷つけた指先 薄く深く残る 青みが帯びるほどきつく貼り付けられた絆創膏 命や生命は常に赤く染められていたのだけれど それは咀嚼の作法を誤っていたのかもしれない。 愛されたかった,愛してみたかった 不相応な願望の類だったのだろうか 愛
振り切れるまで音圧をあげて 気が狂うまで歪ませた音で この世界、で認知される全てを さっ。と 高層ビルはいつか太陽に溶ける 通勤電車はどこかの車庫に入る 哀しみは誰かの幸せの贄となる トンネルの先には雪国があったりする 右から左へ、上から下へ 留まることは許されない 云い逃すな、聞き逃すな、触れ逃すな 今、そこに さっき、そこに。 意味から意識へ、声から肌へ 纏まることは許されない 云い逃すな、聞き逃すな、触れ逃すな 今、そこに さっき。そこに。 擦り切れるまで咽頭を捧
光線が強すぎて 陰影は白く、白く 焦点はあちらこちらに遊泳し 本質はどこか 触れられない時へ。 祈っても願っても 不平等が押し付けられる 祈っても願っても 不均衡で押しのけられる 感覚だけが 異物感を留めながら 生きろ生きろと。 全体像を描いては 故人故人の顔ばかりが目立つ 詳らかさ、美しさ 井の中の蛙大海を知らず されど 空の青さを知る、知る、知る。 湧き上がるもの 形容は焔 林間に風、林間に雪、林間に罪、林間に機微 身ぐるみはがすように 光線が強すぎて 陰影は白く
息子さん 今からそうかもしれないけれど いずれ嫌悪感を抱いて俺と対面する時が来るかもしれない 俺はそうなることを避けて接したり ご機嫌をとるために俺の気持ちを偽って接したりは出来ない しっちゃかめっちゃかに 貴方の前を踏み散らかして 前へ行きづらくするかもしれない だから俺の後は追わなくて良い 俺の跡を辿って色んな道を見つけてくれたらいい 背の高い草っ原を踏み均すように 自分がどこの誰で、どこへ向かうのか分からなくなっても 最低限、俺がしっちゃかめっちゃかに踏みならしておくか
言葉が紙から飛び出し、歌ったり踊ったりする際には必ず 聴き古された音楽と、薫り立つ珈琲が傍らで 愛されるのを待ち侘びた猫のように円く、円く 彩は陽光のそれに、寄り添いあって。 少年のままで、少女のままで 物語たちと想い交わす スキップして通った昨日も 躓いて通った昨日も ページをめくるように、また新しい今日へと連なっていって 言葉が紙から飛び出し、こっちへおいでって手招きするほうへ なぜ、 言い説かれた現実と、そそり立つアイロニーが袖を引く 想いと思いとが反発しあって、な
遊び遊ばせ、指を躍らせ 風に歌えば、四季が応えて 遠い近い熱い寒い 肌感覚を信じて今日も 韻律を連れ、無酸素の向こう側へ、届いて。 あ、から、ん。 A、から、Z。 紡いで連ねて、意味と抱き合い 贈り物は花束の形にして そんな頃合いに、口笛が好きになるような 歌を歌っていたい。 ジャンルなんて知らない わがままが、あるがままに奏でられるうちに あ、から、ん。 A、から、Z。 紡いで連ねて、意味と抱き合い 贈り物は花束の形にして そんな頃合いに、口笛が好きになるような 歌を
言葉が雪となって、思念は溶岩の体裁で 初春は突拍子もないところから芽吹き生まれ このどうしようもない感情の絡まりを 世界と呼んで迎え入れる。 そのための途方もない研鑽をつみ 人は人として人となる。 記憶の背景には、いつも焔の形をした影が踊っていて 道化師がおどけているように ちら、ほら ちら、ほら と、真実と虚偽を織り交ぜながら いつか鼓動を描いた巨匠がいた。 その程度のことが、主軸となって日々を始点終点 周回させている。 あけましておめでとう ことしもよろしくおねがいし
俺の舌を滑走路に 言葉たちが次から次へと 標的が何処なのか 過程的宿主の俺にもわからんが とにかく奴らは一切の躊躇なく 風を生み、そして育み、また風の中へ 舞い上がっていくものから 即座に沈んでいくもの あらゆるものを拒絶して突き進んでいくもの 様相は多種多様 さっきから、心臓が不安だけを燃料に鼓動している だからどうだって話なんだが 植物は大地を贄に芽吹いて、実を結び、優しい蔓と葉で清新な息吹を育んでいく あらゆる種子は、太陽と対峙する宿命を ぶらさげた魂に刻み込んで光へ
不自然な苛立ち いつもより声を荒げる決定打 選択後 未来と過去は崩壊 跡形も 残らない 清々しい心持 耕作地には実る 意識を洗練した身体には宿る 何かしらには 何かしら残る 残らざるを得ない それは 暫定的にも 絶対的にも 残されてしまうもの。 廃棄するのか 保持するのか 選択肢はあったようで 事実 無い 残そうと思いが発生した時点で その対象自身が 既に権限を握る 最初から 最後まで ずっとそうだ やがて還る場所を見失うのは 他ならぬ 意志のためだ それは 全ての所
澄み渡る夜よ 遠退く暁に 揺れる声よ いつの刻か再開は廻ると 根拠も無く主張した 夜よ 何処へと誘うと云うのだ 恣意の比類なき堅固さだけが救いとばかりに その 数々の振る舞い やがて古来する導灯に面したとき 一体 物語はどう紡がれているのだろう 夢では足りない また 現世では退屈なもの なぞる指先がかじかんでみえたので 温かい風呂を用意するのが一興 『憂鬱』