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🔴いつも大安吉日194 〜自然のチカラを目の当たりにする〜

【自然のチカラを目の当たりにする】

ぼくはあと350000時間ほど生きたら、死んでこの世からはいなくなっているだろう
乾電池じゃないけど寿命はやってくる

「時間はあっという間に過ぎるねえ」
そんな話しを昨日書いてみたんだけど、さっそく「思ったよりもずっと早いな」って感じることが昨日はたくさんあったんだ

一度いつもの場所から離れてみると、いろんなことがまた見えるんだね
ありがたいこともさみしいこともあった
そしてまた生まれるものもあった

その日その時はやっぱり「いま」だった

🔴久しぶりの仕事

ぼくは早朝うちを出発した
四ヶ月ぶりくらいだったんだろうか?
四月までは伐採でよく来ていた、群馬県との県境にほど近い埼玉北部にやってきた
ほぼ群馬にいたころの生活圏内

「そろそろひとつ用事を済ませるために群馬に行きたいなあ」と思っていたところに、「ほんのちょっと木を伐るの頼めないかな?」と、懐かしい知り合いから連絡があった
ついでに現金も稼げるのはありがたい
まずはそいつをこなすために埼玉皆野へ

ぼくの実家の近くで、前に住んでたお山のうちからも近い場所を通過していく
「あっ、なくなってる」とか、「なんか出来てるー」とか、そんな街の景色の変化がある

伐採の現場に着くと、「建物にかかってる枝を切ってほしい」と言われていた話はおっきく変わって、「クヌギは根元からナラはバッサリ低くして」と作業難易度が一気にあがった

それに加えて、いつもチームを組んでいた仲間との仕事じゃない

ユニックのカゴに乗り込み命綱をつける
腰から何本かブラ下がる綱を、ひとつずつ確認しないと心配だった
チェーンソーで木を伐るのは体が覚えていたけど、細かいことはやはり怪しくなってる
刃は研いで行ったけど、もっと全体をイメージして準備することが大切だった

改めてこの仕事をやってみると、やっぱり危険度はかなり高いけど、それが逆に普段の暮らしにはない緊張感を味あわせてくれる
慣れていたころには確認もせずにやっていたことを、ひとつずつ再確認もできた

チェーンソーも体もあったまってきた昼過ぎに、何の問題もなくすべて終わった


🔴自然のチカラ

群馬に来たかった目的のひとつ
前に住んでたお山のおうちの「ムロ」から、醤油の一升瓶を救出すること

懐かしい林道を上りはじめる
相変わらずな無茶苦茶な上り坂
途中の集落を通過するときビックリした
ぼくらがよく通っていた二年前くらいまでは、畑もきれいで人も犬もいた
それがほぼ廃村状態になっていた
道端も草は伸び放題だし、空き家になった家にももう立ち入れないほどの草があった

そこからさらに二十分ほど山をのぼる
車で行ける最後の上り坂
そこもかなり深い草に覆われていた
車を停めてうちまで歩く道⋯
そこから見える景色にさみしくなった

ぼくのはじめての畑は草っぱらになった
動物よけの柵ごと草にのまれていた

クリンソウが咲き、葉山葵が自生していた水路はまったく見えなくなった
何度も眠ったこどもたちをおんぶして上った坂は、草よりもっと育った木のあかちゃんと大量の蜘蛛に塞がれていた

棒をブンブン振り回して、なんとか道を作って家にたどり着いた
みんなでしょっちゅう餅つきをした庭には、そのころを思い出すことも出来ないほどの草
こどもたちが水遊びした流し台も、ずっと昔からそこにそのままあったようになった

家の中はさらにひどかった
みんなで土を運んだ三和土には、かわいい草が生えてみどりになった

そうげんが育って、タマとふーちゃんが「フンガフンガ」とこの世界に出てきた部屋は、ただの古い廃屋のひと部屋になった

窓からの大好きだった景色は、ずいぶんと狭くなってしまった

もう築百五十年くらいたつ家だったかな
八ヶ月くらいかけて直したお気に入りの家
住んでるときは、「きれいに直したねー」なんてよく言ってもらえて、「いつかまたここに住みたいなあ」なんて思って出た家

それはもう完全に廃屋だった

家の裏には石垣があるから、そこには湿気がものすごい溜まりやすい
おっきな樫の木の葉っぱが、その裏の狹いところにびっしりと溜まる
縁の下から入り込む湿気は、風を通さない家をどんどん侵食していく
詰まった雨樋と外れた雨樋がある
雨が集中的に落ちてくる場所には、ミドリのきれいな苔が生えていた

人が住んで風を通してあげないと、山の中にある古民家はすぐに痛みだす

でもそのとき思ったんだよね
人が住んでるときは人が住めるように在る
人がいなくなればただ自然に還ろうとする


元々は近くにあった木を使って作った家だったんだろうし、壁は竹と藁と土で出来てる
もちろんそこには自然に還らないものもたくさんあるんだけど、そんなものは構わず自然は全部を飲み込んでいく
だから放っておけばいいなんて話しじゃないんだろうけど、そう思うとなんだか「さみしいなあ」なんて想いはなくなった

草や木は、自然はどんな風に思ってるんだ?

台風のように一瞬ですべてをリセットしてしまう自然もあるし、ゆっくり確実に還ろうとする自然もある
誰かが住めるようならそりゃうれしいけど、いまはもうぼくにはどうすることも出来ない
ぼくはいまいる場所で、なるべく自然にも人にも負荷の少ないように暮らしていくだけ

できることをすることだけだ

🔴大日向に移動させよう

その山の外に作った風呂を壊すことにした
その風呂釜を大日向で使うことにした

そろそろ風呂を作り初めるタイミングで、目当てにしていた釜がもらえなくなった
そしてこのタイミングで群馬の山に来た
このまま朽ちていくのはもったいない
使えるものはしっかり使っていこう
今日は久しぶりに群馬のお山で作業するぞ

使われなくなった釜をもらって作った風呂
お気に入りだったまあるいおっきな風呂
また使われなくなってかなり錆びてしまったけど、もう一回使わせてもらうよ
大日向のうちにあたらしくまた迎え入れて、たくさんのこどもたちと遊んでもらおう

さらにパワーアップさせて作るからね
みんなぜひ遊びにきておくれよー

ではみなさんすてきないちにちを


五穀豊穣 子孫繁栄 
大安吉日や さかいひろし

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