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あじあのおんがく

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アジアの音楽に関する記事を集めています
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#台湾

台湾のファッション雑誌がすごい

台湾のアーティストたちをフォローしていると、彼らがファッション業界でも大いに活躍していることがすぐにわかる。ブランドのPRイベントやエディトリアルのフォトシュートにアーティストが登場するのは日本でもよくあることだが、いわゆるアイドル的なポップスターでけではなく、インディー色の強いR&Bアーティストたちが大々的に起用されているのが特徴的だ。 また、VOGUE Taiwanの表紙は毎回英語圏のファッション界隈Twitterで話題になるほど、オリジナリティとクオリティが高いことで

再生

生祥樂隊 Sheng Xiang & Band  〈佇夜之前〉Before the Night (Reprise) (Official Music Video)

台湾で一緒に演奏している、生祥樂隊(センシャンバンド)の新しいアルバムから、一曲ビデオクリップ完成しました。「佇夜之前」(Before the Night)という曲です。

台湾最大級の音楽賞にして、「インディー」に焦点を当てたGIMAを、キミは知っているか? エントリーの仕方などを、2022年1月刊行予定『アジア都市音楽ディスクガイド(仮)』収録コラムより一部抜粋してお届け!

金音創作獎(Golden Indie Music AwardsまたはGIMA)とは?音楽賞といえば、世界で一番有名なのが全米のグラミー賞だが、台湾でグラミー賞にあたるのが、金曲獎(Golden Melody Awards)。それに対して、本記事で紹介したいのは「金音創作獎(Golden Indie Music Awards)」(以下、GIMA)だ。「創作」という単語が入っているように、アーティストの創造性にスポットを当てたアワード。音楽に関わる各フィールドのスペシャリスト

台湾的音楽 拍謝少年 Sorry Youth No Youthになっても感じるエモと音の深み

台湾のアーティストを紹介するシリーズ。 拍謝少年 Sorry Youth 台湾・高雄出身の3ピースバンドです。 オルタナロックと称されることが多く、エモな感じがとてもカッコいいなと思って聴いています。聴きながら飲みたいアルコールは、ビールだな。 「暗流」 2017年リリース 2nd アルバム『兄弟沒夢不應該)』(Brothers Shouldn’t Live Without Dreams) なんだか、侯孝賢監督の『冬冬の夏休み』のあの子どもたちが、もう少し大きくなったら

大学発祥のヒップホップグループ!伝統と革新の「台大嘻研社」

大嘻哈時代という音楽番組をはじめ、現在ヒップホップは台湾音楽業界の中で主流となりつつあります。今回紹介するのは、黎明期から若手ヒップホッパーを牽引してきた台大嘻研社です。 台大嘻研社とは? 台大嘻研社(Táidà xī yán shè)は、台湾で1番賢い台湾大学を拠点とするヒップホップ団体です。 台大嘻研社の起源はネットのMaster Uという討論サイトです。Master Uは、1998年に当時高校生だった林浩立がネット上で立ち上げたヒップホップ好きの集いでした。 そ

台湾的音楽 以莉.高露 晴耕雨読なスローライフと大地を包む歌声

台湾のアーティストを紹介するシリーズ。 イリー・カオルー(以莉.高露)は、台湾原住民、アミ族をルーツに持つシンガーソングライターです。 大地を包むような歌声、と評されることもあります。 力強いというよりは、土に根差しているような静かな強さと、温かみを感じられて、とても素敵だなと思っています。 彼女については、以前にもご紹介をしていますが、2021年6月30日に初めて日本盤のアルバムをリリースしたので、そのことについて、紹介していこうと思います。 イリー・カオルーは、20

世界のビッグバンドを巡る旅 part.2 今回は韓国、台湾、香港、シンガポールとアジア圏行ってみたいと思います。ビッグバンドは日本だけのものじゃありません。

はい、ビッグバンドファンです。今日は以前書いた「世界のビッグバンドを巡る旅」の第2弾ということで、今回は韓国、台湾、香港、シンガポールとアジア圏のビッグバンドを巡ってみました。ビッグバンドは日本だけのものじゃありません、ということで行ってみたいと思います。 ちなみに第一弾の記事はこちら Asian Youth Jazz Orchestraについて 実は2015年に日本、インドネシア、シンガポール、タイ、フィリピン、マレーシアからオーディションなどにより選ばれた、総勢28名

「台南洋行」から「台湾洋行」へ

台湾に足繁く通うようになってからというもの、僕は音楽の楽しみを人との関わり合いの中から見出すようになった。これまでの僕の音楽との向き合い方はかなりオーディオ本位かつ自己完結型だったと思う。 どちらかというと、ライブに行くより、家で、スピーカーの前でじっくり聴いている方が性に合っているし(これは見逃すまい!というライブにはもちろん駆けつけるが)、情報ソースもネットや書籍であり、生身の人間とのコミュニケーションが希薄で、かなり内向きな音楽生活を送っていたと思う。 元々好奇心は

「プラスティック・ラブ」ムーブメントから考える日台音楽

もう3年ほど前のことになってしまうのですが、2018年ごろに、アジア圏で竹内まりやさんの「プラスティック・ラブ」が非常に流行していました。 当時、レコード屋さんの店長が、アジアから来る観光客の人がこぞって7インチのレコードを買いに来ていて、値段も少しずつ上がってプレミアが付き始めているんだ、という話をしてくれました。 アジア全域で、「シティポップ」=「プラスティック・ラブ」みたいな感じで、クラブでかかりまくっているんだよね、と話していたことを、良く覚えています。 そのムー

台湾版、ヒップホップ番組「大嘻哈時代」

待ってました、この時を。台湾でヒップホップ番組が始まりました。漢a.k.a.GAMI風に言えば、「とうとう来たなこの時が!」です。 その名は、「大嘻哈時代」 嘻哈(xīhā)は、中国語でヒップホップという意味です。つまり大ヒップホップ時代です。 中華圏のラップ番組といえば、これまでは中国の独壇場でした。 チャイニーズヒップホップ文化を確立させた中國有嘻哈(iqiyi)。 続編である中國新說唱(iqiyi)、 加えて各ネット局でのラップ番組の台頭。 說唱聽我的(芒果TV

台湾と中国、台湾アイデンティティを巡って【改訂版】

11月刊行予定の本『台湾対抗文化紀行』から第3章を全文公開します。もし、少しでも心に響いたり、引っかかったら、シェア、いいね、RT、スキなどしていただけるととてもありがたいです。どうぞよろしくお願いいたします。 神田桂一 「2019年、5月17日、台湾で、アジア初となる同性婚を認める特別法が、立法院で可決された」(注1) ブラウザを開くと、こんなニュースが流れてきた。なぜ、台湾は、こういう先進的なことをいち早く行うことができるのだろう。それは、台湾の複雑な事情によること

台湾的音楽 政大金旋獎GoldenMelody 大学主催の音楽アワード

台湾のアーティストを紹介するシリーズだけど、今回は番外編。 さまざまな台湾アーティストを調べていると、何組かのアーティストのプロフィールに、「政大金旋獎 GoldenMelody」という言葉が出てきます。何かの賞であることは分かるのですが、台湾で有名な音楽アワードと言えば、金曲奨(Golden Melody Award)と金音奨(Golden Indie Music Awards)の2つです。では、これは一体どういうものなのか?が気になりました。 結論から言うと、「政大金旋

メタルとマントラが出会うとき 台湾の仏教メタル DAHRMA (達磨楽隊)

※LA Timesの記事が興味深かったので翻訳しています。 台湾・台中 - 1月の土曜日の夜、観客は耳をつんざくようなリフを期待した。 黒服を着たメタル・バンドのメンバーは、コンサート・ホールの巨大なアンプの色とマッチしていた。しかし、異彩を放つメンバーが一人。頭を剃り、宗教上の伝統的なオレンジのローブを身にまとった仏教の尼僧がメンバーの中に入っていたのだ。 台湾の仏教メタルバンド、DAHRMA 達磨楽団のメンバーであるミャオ・ベンさん(50歳)。彼女が、ゴシック・メイク

花より男子、星よりサテかな。花より男子がインドネシア音楽に与えた影響。

「自分で稼いだこともないガキが調子こいてんじゃねーよ」 貧乏高校生牧野つくしが、超金持ちな学園の人気者道明寺司へ一撃パンチ。「花より男子」は言わずと知れた、平成を代表する学園ドラマです。 あ、先に言っておきます。しばらく花男の話が続きますが、この記事の後の方にちょろっと台湾やらインドネシアの音楽のお話が出てきます。是非、そこまでお付き合いください。 サテ、「花より男子」が放送されていた当時私はまだ学生でしたが、クラスの半分以上はあのドラマを見ていたと思う、ってぐらい人気