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あじあのおんがく

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アジアの音楽に関する記事を集めています
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2021年8月の記事一覧

ブータン 4800mの高地に響くヤクの歌

今回は このまえにも紹介した映画『ブータン 山の教室』のなかで、歌われる歌についてとりあげたいとおもいます。 ※映画のネタバレを含みますので注意してください🙇‍♂️ 映画のあるシーンで村の女性が峠の上で歌を歌っています。 その日本語訳がこちらです。 凛々しきヤク その名はハダルあたかも神の子のごとし汝 ハダルの故郷を問うなかれ知りたくば教えようハダルの故郷は壮大なる白い山の麓黄金色の牧草が大地を覆う場所 これは、高原に棲む「ヤク」に "ヤク飼い"が捧げた歌です。

注目のベトナム音楽!ヒップホップアーティスト10選【2023年版】

こんにちは、MIDI INC.(ミディ)の関(Twitterはこちら)です。 ベトナムの音楽となると、日本ではまだあまり知られていない領域かもしれません。個人的にも気に入っている曲がいくつもあり、シーンとしてとても面白くなってきていると感じてます。ミディでもハノイ拠点のクエック(Quyech)というバンドの音楽をリリースしています。 そこで、日本の音楽ファンの皆さまとベトナムのナウなサウンドをシェアすべく本連載「Wassup Vietnam?」を始めました(長らく更新でき

Chinese Hiphop プロデューサー三選

名曲の裏には、やはり敏腕プロデューサーありですね!chinese hipohopに限らず、hiphopだとよく、手掛けたプロデューサーの特徴的なフレーズが入っています。 それをtagと言うらしいんですが、今回独断と偏見で選んだ3人のプロデューサーの手掛けた曲にも、もちろん入ってます。それが聞けさえすれば名曲間違いなしです。ぜひ、探してみてください! 1.Mai chinese hiphopの第一人者たる人物です。西安を拠点とするレーベル、紅花会のメンバーでしたが、今は自

大学発祥のヒップホップグループ!伝統と革新の「台大嘻研社」

大嘻哈時代という音楽番組をはじめ、現在ヒップホップは台湾音楽業界の中で主流となりつつあります。今回紹介するのは、黎明期から若手ヒップホッパーを牽引してきた台大嘻研社です。 台大嘻研社とは? 台大嘻研社(Táidà xī yán shè)は、台湾で1番賢い台湾大学を拠点とするヒップホップ団体です。 台大嘻研社の起源はネットのMaster Uという討論サイトです。Master Uは、1998年に当時高校生だった林浩立がネット上で立ち上げたヒップホップ好きの集いでした。 そ

日本のアイドル文化の歴史【江戸編】

ある定義によると、アイドルとは「存在そのものが魅力的であるために活躍している人」のこと。語源的には「偶像」を意味し、現在では「あこがれの人」「熱狂的なファンがいる人」をアイドルと呼んでいます。実際、日本で「アイドル」という言葉が登場した1960年代には、アイドルといえば海外の映画俳優やミュージシャンを指していました。しかし、1970年代にテレビ番組「スター誕生!」で「アイドル」がデビューしたことをきっかけに、「アイドル」という言葉は、若い年齢の美少女を指すように変化していきま

妖怪と音楽シリーズ2 奄美・沖縄の音楽と怪異

先日、奄美・沖縄が、世界自然遺産に登録されましたね。独自の生態系を持ち、希少種や固有種も多いこれらの地域は、文化においても独自のものが今も受け継がれています。 ということで、今回は、奄美・沖縄にスポットを当てて、音楽に関する怪異をご紹介します。 奄美大島、ホノホシ海岸 「歌」が生活に根付いた奄美群島の文化 奄美群島では、シマ唄をはじめとした音楽文化が根付いており、本土以上に「歌」が重要な意味を持っています。昔から歌かけ遊びが盛んであり、男女の仲もこうした歌かけ遊びの中で発

1980年代終盤から1990年代初頭の女性アイドル・ポップスの完成度 #1~工藤静香の名を借りた後藤次利論

この「note」ではほぼすべてクラシック音楽、それもおよそ1920年代~1950年代の古い音盤について記してきた。 ただし、トップのクリエーター・ページには クラシックを中心に全ジャンルの音楽、レコード、CD、映像メディア、コンサートやライブについてのトピック、そして「食」「旅」「メディア」などについても発信してまいります。 「皆様と私自身の心豊かな生活のために」がコンセプトです。 と明記している。 有言不実行甚だしい。 音楽ジャンルに貴賤なし 言い訳がましいが、私の音

2021年、越境する中国電子音楽シーンの“みずみずしい音”

COVID-19が世界中で猛威を奮う中、新しい音楽は日々誕生している。特に電子音楽シーンでは、Before COVIDの頃よりも、より深いレベルで「創作の探究」が進んでいる。 今回は、盛り上がりを見せる電子音楽シーンの「今」を紐解く第一回として、Google Earthで〈中国〉を訪れた。 李化迪 (Howie Lee)「Birdy Island」 中国(そしてアジア)の電子音楽シーンを代表する新進気鋭のアーティスト、Howie Lee。 正真正銘「Made in C