マガジンのカバー画像

あじあのおんがく

170
アジアの音楽に関する記事を集めています
運営しているクリエイター

2021年1月の記事一覧

No Disco Cityから考える、高野政所の言葉とグルーヴの20年史

高野政所です。 今日44歳になりました。気づいたら音楽活動もたぶん25年くらいになるかと思うのですが、自分の音楽は「いい意味でバカ」「頭おかしい」「狂ってる」「普通にかっこいい」などと評されることはあっても、こうした形でちゃんと考察してもらえるということは皆無でして、雑誌みたいに一過性のものがずっと続いてる感じだったのですが、長らく様々な活動を共にしている友人、アボカズヒロ君がこういった形で論をまとめてくれたので、こちらに公開させて頂きます。 自分の過去の映像など、恥ずかしく

有料
420

68.パキスタン音楽とスーフィー・ロック = JUNOONからTakatakまで

パキスタン音楽が面白い! 今回はパキスタン音楽、スーフィー・ロックがテーマです。 パキスタン・イスラム共和国、通称パキスタン。世界第六位の2億人を超える人口を持つアジアの大国であり、かつて英領インドの一部であった国です。文化圏的にはインダス文明でインドと同根、似た文化もありつつヒンドゥー教とイスラム教という宗教の違いがあり、共通語はウルドゥー語。文化的な差異もあります。 19世紀には英領インドとしてインドと同一の政府の下に置かれており、独立運動も本来は同一のものであった。

ラジオで流してもらった台湾ミュージック8曲(2020年)

台湾カルチャーの書籍を出版すると、有難いことに、ラジオにお呼ばれすることが多くなる。ただ、いつも困るのがこのお願い。 「お好きな台湾の曲を、選曲してもらえますか?」 ものすごく難しい。もちろん、その番組やコーナーに合った曲を選定するようにはしているけど、私がラジオで話すことは「台湾ミュージックではなく、台湾カルチャー」がほとんど。台湾カルチャーの話につながる曲にするのか、私たちがプロデュースしているイベントの出演アーティストの曲にするのか、ただただ今年の流行歌にするのか、

J-Popの活路はインドネシアにあると勝手に思ってる話

まずはこちらを御覧ください。 おわかりだろうか。かわいいだろう? そして、めちゃめちゃJ-Popだ。 マッキー感とか平井堅感とか星野源感がある。 ちょっと惜しい日本語も、とってもかわいい。(「がっかりさせて、ごめんなさいね」…かわいい。) これは、インドネシアのバンドLalahutaによる楽曲である。 すっかりK-Pop一色になってしまったこの時代に、このJ-Pop調の楽曲を、しかも日本語で、しかも2020年に発表しているのである。 さて、これから私が今朝思いをめぐら

台湾的音楽 徐若瑄 ビビアン・スー

ラジオで紹介していた、台湾のアーティストをnoteに書き記すシリーズ。 徐若瑄 ビビアン・スー。 そうです、90年代にテレビを席捲した彼女です。 当時中学生だった私は、ビビアンが大好きでした。キュートでおとぼけで頑張り屋さんの彼女が出るテレビは、欠かさず観ていたのを覚えています。 台湾に戻り、今では大人の女性として、女優や作詞家などとして活躍していますが、もちろん歌手活動も行っています。 昨年に、アルバム『I'm V』をリリースしていますが、この作品では、タンゴ調の楽曲や

レー・クエンをSpotifyで聴こう

(5 min read) 日本でも(一部で?)熱狂的なファンを持つヴェトナム歌手、レー・クエン(Lệ Quyên)。いつのまにか、Spotifyで主だったアルバムが聴けるようになっています。これはすばらしい。言うことなし。CDがなかったり、持っていてもパッとすぐ聴けるという状態にないばあいなどでも、手軽にパソコンでもスマホでもレー・クエンが聴けるっていう、こんなにうれしいことがありましょうか。 思えばレーのアルバムCDを日本で買えるショップは、東のエル・スールと西のプラン

中国ヒップホップ②中国新说唱第一季(2018)〜存続の危機からの復活〜

皆さんこんにちは。Chineeland秦です。 前回、中国有嘻哈と勝者のPG ONE/GAIのご紹介をしました。僕のnote史上一番いいねをいただけました。ありがとうございます。 僕は中国のいいところを少しでも日本に伝えられたらと思ったのが、noteを始めたきっかけです。皆さんの役に立つことは少ないかもしれませんが、ネガティブだけでない中国の姿が少しでも届けばいいなと、そして今まで日本のエンタメ、カルチャー界隈で仕事をさせていただいていたので、少しでも中国のエンタメカルチ

【息ぬき音楽エッセイvol.9】Meitei/冥丁と日本らしさ by 村松社長

みなさまこんにちは。カロワークスの村松社長です。 やや波乱の幕開けとなりましたが、2021年が始まりましたね。本年も引き続き弊社と、弊社noteをどうぞよろしくお願い申し上げます。遅すぎる新年のご挨拶ですみません。 さて年末年始、皆さまはどのように過ごしましたか?例年と違って帰省や旅行もできず、ステイホームで新年を迎えられた方も多かったと思います。 かく言う社長も実家に帰らず自宅でおとなしくしておりましたよ。村松家はちょっとひねくれ者が多くて”大晦日に「紅白歌合戦」を観る”