戸嶋 久 hisashi toshima

loves music, coffee, food, cats. Apple devi…

戸嶋 久 hisashi toshima

loves music, coffee, food, cats. Apple devices. Miles Davis & Iwasa MIsaki enthusiast listening to some others. ASD, Aromantic, Pan-Sexual.

最近の記事

クロス・ジャンルな横断をさわやかに聴かせる 〜 黒田卓也

(2 min read) 黒田卓也 / Rising Son 日本人ジャズ・トランペッター、黒田卓也の名前は前からときたま目にしていました。台湾出身のネオ・ソウル歌手、9m88の作品にもゲスト参加したりしていましたし。自身のアルバム『Rising Son』(2014)はデビュー作なんでしょうか。こないだリイシューされたということでふたたび話題となっていたので知りました。 このアルバムは日本人ミュージシャンがはじめてブルー・ノートからリリースした作品という点でも注目度が高

    • ブルーズ女子 〜 マリン・ブラッドリー

      (3 min read) Muireann Bradley / I Kept These Old Blues 若いくせにどうこうとか、ぼくはあんまり言わないんですけど。年齢差別だし、そもそも10代でデビューする音楽家はめずらしくもないでしょ。でもこのマリン・ブラッドリーのデビュー作『I Kept These Old Blues』(2023)のばあいは17歳の少女ということがことさら特別なことに思えてきます。 なんたってやっているのがブラインド・ブレイクそっくりな第二次大

      • しんどいときの音楽〔82)〜 カーメン・マクレエ

        (3 min read) Carmen McRae / The Great American Songbook ジャズ歌手、カーメン・マクレエのライヴ・アルバム『The Great American Songbook』(1972)は、タイトルどおり有名スタンダードが中心。なかにはあまり知られていない良曲やオリジナルもありはしますが、あくまでスタンダードを歌っているのが大きな特徴です。 さらにいえば、リオン・ラッセル、バート・バカラック、アリーサ・フランクリン(のレパート

        • サウダージあふるる 〜 ルイ・バラタ、パウロ・アンドレ曲集

          (2 min read) v.a. / A Música de Paulo André e Ruy Barata ブラジルはバラ州出身の作詞作曲家、ルイ・バラタの生誕100周年を記念して制作・リリースされたアルバムが『A Música de Paulo André e Ruy Barata』(2023)。ルイ・バラタとその子でシンガー・ソングライターのパウロ・アンドレ・バラタの曲を収録しています。 カヴァーしているのはほとんどがぼくの知らない歌手ですが、それでもマリア・

        クロス・ジャンルな横断をさわやかに聴かせる 〜 黒田卓也

          なかなか上質のジャズ・アルバム 〜 松田聖子『Seiko Jazz 3』

          (2 min read) 松田聖子 / Seiko Jazz 3 これもこないだのバレンタイン・デーにリリースされていた松田聖子の新作アルバム『Seiko Jazz 3』(2024)。日本の音楽は水曜日発売が多いですね。本作はカヴァーばかりをそれもジャズ・アレンジでやってみるというシリーズの三作目。 今回はネイザン・イーストをアルバム・プロデューサーにむかえ、サウンド・メイクをまかせています。それがとってもいい仕事をしていますよね。二作目までもそうでしたが、この曲をジャ

          なかなか上質のジャズ・アルバム 〜 松田聖子『Seiko Jazz 3』

          親近感のあるさわやかさ 〜 中澤卓也「Love Letter」

          (2 min read) 中澤卓也 / Love Letter こないだのバレンタイン・デーに出ました中澤卓也の新曲「Love Letter」(2024)。といっても2022年にリリースされていた「陽はまた昇る」の新タイプ(タイプB)カップリングなんですけど、これがいいんですよね。 「陽はまた昇る」とは違って卓也のギター弾き語り。淡々とさわやかだし、ぼくはだいぶ好みです。歌詞も曲も自作。以前も言いましたが自分や周囲のバンド・メンバーによる支えしかなくなって、かえって持ち

          親近感のあるさわやかさ 〜 中澤卓也「Love Letter」

          不穏な民謡クルセイダーズ 〜『日本民謡珍道中』

          (1 min read) 民謡クルセイダーズ / 日本民謡珍道中 民謡クルセイダーズの二作目『日本民謡珍道中』(2023)。一作目からちょっと時間が経ちましたが、そのあいだライヴ・バンドとして世界で経験をみがきいっそう強靭になっての新作リリースという印象です。 出だしはかなりダークで不穏。「佐渡おけさ」を筆頭にダビーでサイケなアレンジが数曲続くのはやや意外でしたが、ジリジリと粘っこいグルーヴを醸成していっているような感じです。 女声ヴォーカルが歌う4「南部俵積み唄」あ

          不穏な民謡クルセイダーズ 〜『日本民謡珍道中』

          しんどいときの音楽〔81)〜 サッチモ1920s

          (3 min read) Satchmo 1925-28 ジャズ・グレイトだ偉大だとかいうと身構えたり敬遠したりするひともなかなかいるのであれなんですけど、もっとカジュアルにどんどん入ってきてほしいと願うばかり。あんまりむずかしいことを言いすぎる評論家にも問題はあります。 サッチモことルイ・アームストロングのばあいは、しかも全盛期が1920年代というSP時代なので、録音がかなり古いってこともあって、現代のリスナーはとっつきにくいかもしれませんよね。実に楽しいので、ホント

          しんどいときの音楽〔81)〜 サッチモ1920s

          しんどいときの音楽(80)〜 ドクター・ジョン(2)

          (2 min read) Dr. John / Gumbo 以前言いましたように個人的にいちばん好きなドクター・ジョンは『デューク・エレガント』なんですが、それでも最高傑作だとかは思っていないです。それは1972年の『ガンボ』でしょうねやっぱり。 ニュー・オーリンズ・クラシックの数々をカヴァーしたアルバムで、これでドクター・ジョンを知ったとか評価するようになったとかいうファンも多かったはず。ぼくもそうでした。大学生のころ。 そもそも名盤だという話が雑誌などに載っていて

          しんどいときの音楽(80)〜 ドクター・ジョン(2)

          8:30世代

          (3 min read) ちょっと前にTwitterで能地祐子さんが「8:30前夜世代」っていうことばを使っていたことがあって、ちょっとおもしろいいい表現だなと思いました。それでいくと1979年にジャズなどを熱心に聴きはじめたぼくのばあいウェザー・リポートの『8:30』(1979)はちょうどリアルタイムどまんなかですから、前夜ではなく「8:30世代」ですよ、まさに。 『8:30』こそはじめて買ったウェザー・リポートのアルバムで、そもそもジャズのレコード全体のなかでもかなり

          いかにも新世代らしい歌いかた 〜 おかゆウタ 3

          (3 min read) おかゆ / おかゆウタ カバーソングス3 昨年暮れにリリースされたおかゆの新作アルバム『おかゆウタ カバーソングス3』(2023)は、タイトルどおりカヴァー集三作目。たしか二作目のことは以前書いたことがありましたね。おかゆはちょっとお気に入りの歌手です。 いちおう演歌界の存在として活動を続けていますが、本作には演歌というより歌謡曲、ポップスのレパーリーのほうが多いです。おかゆ自身の資質からしてもそっちのほうが似合っているようにぼくも思います。本

          いかにも新世代らしい歌いかた 〜 おかゆウタ 3

          しんどいときの音楽〔79)〜 スティーリー・ダン

          (3 min read) Steely Dan / Alive in America スティーリー・ダンの『Alive in America』(1995)CDは渋谷東急プラザ内にあった新星堂で見つけて買ったもの。東急プラザってもうないんでしたっけ?1970年代に間に合わなかったぼくにとってリアルタイム初のダンでした。ジャケットからしてよさそうと興味をいだいてレジに持って行ったんですよね。 そもそもダンが復活するとも思っていなかったですから、意外な感じもありました。Ali

          しんどいときの音楽〔79)〜 スティーリー・ダン

          しんどいときの音楽(78)〜 ハード・バップのブルーズ

          (2 min read) Blues in Hard Bop ハード・バップにおけるあまりにもベタで典型的すぎるようなブルーズがたまらなく大好きなぼく。いま心身ともにコンディションが悪いっていう時期に聴いて癒されたりするんですから、ほんとうに好きなんですよね。 上のプレイリストに選んでおいたのはそんなベタすぎるような12小節の定型ジャズ・ブルーズばかり。なかでもソニー・クラーク「クール・ストラッティン」やカーティス・フラー「ファイヴ・スポット・アフター・ダーク」なんかは

          しんどいときの音楽(78)〜 ハード・バップのブルーズ

          ときに熱く 〜 スー・ユーハン

          (1 min read) Yuhan Su / Liberated Gesture bunboniさんのブログで知りました。 台湾出身のジャズ・ヴァイブラフォン奏者、スー・ユーハン。現在は米NYCで活動していますが、その最新作『Liberated Gesture』(2023)はぼくでも好みの硬質な音楽。 ふだんこの手の抽象度の高いジャズとはあまり縁がないというか好みじゃないんですが、これは気に入りましたね。ヴァイブにアルト・サックス+ピアノ・トリオの編成で、時折かなり

          ときに熱く 〜 スー・ユーハン

          ちょっと遠くから聴こえてくる 〜 ウィルソン・バチスタ

          (2 min read) Wilson Baptista / Eu Sou Assim ウィルソン・バチスタ(ブラジル)のアルバム『Eu Sou Assim』(2023)のことはみんながいいぞと言っていますよね。ぼくも好きで去年からくりかえし聴いてきました。 バチスタはとっくに故人なので、ヴォーカルは過去音源から抜き出し、それに現代の腕利き演奏家たちによる伴奏をつけたといった具合。バチスタの時代にマルチ・トラック録音はないので、声だけ抜き出すのはたいへんだったでしょう。

          ちょっと遠くから聴こえてくる 〜 ウィルソン・バチスタ

          しんどいときの音楽(77)〜 江玲

          (2 min read) 江玲 / Hong Kong Presents Off-Beat Cha Cha 香港の歌手、江玲(コン・リン)の1960年作『Hong Kong Presents Off-Beat Cha Cha』がめちゃめちゃ楽しい。オフ・ビート・チャ・チャとはマンボやチャチャチャなどラテン・ビートがアジアに入ってきて変型したもの。そ〜れがもうチャーミングで言うことなし。 フィリピンや香港を中心として流行は1960年ごろだけですぐに終わってしまったもののよ

          しんどいときの音楽(77)〜 江玲