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クロス・ジャンルな横断をさわやかに聴かせる 〜 黒田卓也

(2 min read)

黒田卓也 / Rising Son

日本人ジャズ・トランペッター、黒田卓也の名前は前からときたま目にしていました。台湾出身のネオ・ソウル歌手、9m88の作品にもゲスト参加したりしていましたし。自身のアルバム『Rising Son』(2014)はデビュー作なんでしょうか。こないだリイシューされたということでふたたび話題となっていたので知りました。

このアルバムは日本人ミュージシャンがはじめてブルー・ノートからリリースした作品という点でも注目度が高いようです。いはゆるヒップ・ホップ通過後の21世紀的新世代ジャズで、ネオ・ソウルとも距離が近いです。ホセ・ジェイムズのプロデュース。

ホセはアルバムのプロデュースだけでなく、一曲ではシンガーとして参加もしています。それもずいぶんと出来がいいですよね。アルバム全体でいえることですが、インプロ・ソロも自由に展開しつつ、それでもかなりていねいにアレンジされていることが目立つ内容です。

整っているというか、さっぱりした印象で、ソロ・パートも熱く盛り上がるというよりは、かなりクール。この二点、ていねいなアレンジメントとそのあいだを縫うようにして走るクールなソロというのは、コンテンポラリーな新世代ジャズに聴かれる特徴でしょう。

1980年代的なジャズ・フュージョンのおもむきも持ちながら、クロス・ジャンルな横断をさわやかに聴かせる音楽です。ナイト・ムードな落ち着いた生演奏クラブ・ジャズともいえます。

(written 2024.2.14)

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