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8:30世代

(3 min read)

ちょっと前にTwitterで能地祐子さんが「8:30前夜世代」っていうことばを使っていたことがあって、ちょっとおもしろいいい表現だなと思いました。それでいくと1979年にジャズなどを熱心に聴きはじめたぼくのばあいウェザー・リポートの『8:30』(1979)はちょうどリアルタイムどまんなかですから、前夜ではなく「8:30世代」ですよ、まさに。

『8:30』こそはじめて買ったウェザー・リポートのアルバムで、そもそもジャズのレコード全体のなかでもかなり最初のほうに買ったものでした。いまも忘れない、日曜日の今治でのアルバイト帰りに寄った銀天街入り口のレコード・ショップ。

ウェザー・リポートというバンドがあることはすでに知っていて、なにか一枚レコード買ってみたいけどどれ買ったらいいかわからなくて、レコード・ショップ店頭でかなり迷ったのでした。そいで収録曲を見くらべて、二枚組だけど『8:30』ってのに「ブラック・マーケット」も「バードランド」も入っているし、これがいいんじゃないかと思ったのかも。

『8:30』はライヴ・アルバムで、あの当時のベスト盤的な意味合いで代表曲が多く収録されていたんですよね。思い出してひさしぶりにちょっと聴いてみようとSpotifyで見てみたら、このジャケットなんですよねえ↓

これねえ、前も言いましたけど、聴く気が半分くらい失せちゃうんです。サブスクなんか適当でいいだろうというソニーの判断に違いありません。ひどいなあ。そもそもコロンビアって20世紀当初からミュージシャンや自社のカタログを大切にしない会社ですけどね。

なんだかんだ言ってもこれしかないんだからと(ジャケはガマンして)ちょっとなんどか聴いてみました。ライヴということでウェイン・ショーターもジョー・ザヴィヌルも比較的自由に空間性のあるアド・リブ・ソロをくりひろげているのが大きな特徴ですね。

ぼくとしてはこれが最初に聴いたウェザー・リポートだったから、どの曲もこういう自由な感じのもんなんだろうとまず思っていました。その後収録曲のオリジナル・ヴァージョンが入っているこれ以前のアルバムも買って聴いてみたらぜんぜん感じが違っていて、そっちが本当の?曲なのかと考えたり。

二枚組レコードの二枚目B面だけはスタジオ録音で、当時の最新曲が四つ入っています。それも大好きだったなあ。8:30世代ということばでなにが言いたいかっていうと、ぼくらはフュージョン世代どまんなかなんだってこと。

そのきっかけをつくってくれたのがウェザー・リポートの『8:30』でしたよ。ランドマークっていうかシンボルっていうか。

(written 2024.1.28)

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