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福田恆存を読む

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『福田恆存全集』全八巻(文藝春秋社)を熟読して、私注を記録していきます。
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2023年8月の記事一覧

【閑話】福田恆存が考えてきた問い

【閑話】福田恆存が考えてきた問い

 何を疑問と感じるかでその人がどういう人間かが分かる、と言ったら言い過ぎだろうか。とにかく、発する問いにはその人の本質が現れているように思う。答えは粉飾できる。だが問いには、精神の姿態がそのままの形で現れているように思うのである。

・はたして理解は美徳であるか(『理解といふこと』)
・散文を書くとはどういう営みか(『批評家と作家との乖離について』)
・自己を描くとはどういうことか(『私小説のため

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【閑話】私の熟読の型のようなもの

【閑話】私の熟読の型のようなもの

<1>. 通読
・全体の第一印象を得る
・著者の気分をつかむ(気合を入れて書いているか、気楽に書いているか等)
・自分の受け取った印象を心に留めておく

<2>. 再読
・(論理)構造に注意しながら読む
・引っかかる文章すべてに線を引く

<3>. 再々読
・論文の核を探す
・核と著書の気分の関係を考える
・核とそのほかの文章の関係を考える

<4>. 写経
・線を引いた文章をすべて書き写す
・文

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