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コピーライティングは、インプットが先か、アウトプットが先か?


「いきなりコピーを書きはじめるな」

これ、新人コピーライターが先輩からよく言われるフレーズです。コピーライター入門本などでも、そのように語られていたりします。そこで今回、いきなりコピーを書き始めることの可能性、つまりアウトプット先行の可能性について、普段からばくぜんと思っていたことを自分なりにカタチにしてみます。

コピーライターは、インプット先行が主流(たぶん)。

まず先に、一般的なコピーライティングの流れについて触れておきます。多くのコピーライターは、「①インプット」→「②アウトプット」という流れで仕事をしていると思います(たぶん)。「①インプット」では、情報を収集し、それらを理解・整理し、さらに競合となる企業が発信している情報や広告販促物などをチェックしたりもします。それらがある程度できたら、そこからは実際にコピーを書く「②アウトプット」のタームに入ります。時間の割合でいえば、個人差はあると思いますが、インプットが全体の6~8割、アウトプットは2~4割くらいでしょうか。

ちなみに、アウトプットとなる「コピーライティング」は、原稿用紙に向かって鉛筆を動かしたり、PCに向かってタイピングするといった直接的な「書く」ではありません。「コピーライティング」は「企画を考える」行為と結構近いと思います。商品やサービスの独自性を導き出すのも、何をどう言うべきかを考えるのも、すべてひっくるめて「コピーライティング」です。コピーには、人や社会を動かすための何かしらの「たくらみ」があります。

先にコピーを書いても、結局修正することに。

さて、「アウトプット」先行の場合、どうなるか。情報を掘り下げずにオリエン(企業からの説明)で聞いた話だけを材料に作られたコピーは、完成度が低く、表面的で浅い言葉になってしまいがちです。とはいえ、縛りの少ない中で伸び伸びと作られているので、コピーとしての見栄えは悪くなかったりもします。

その後「インプット」のタームに入ります。先にコピーを書いてしまっているので、ある意味“答え合わせ”的な感じかもしれません。必要な情報などをじっくり理解・整理してからコピーを再度眺めてみると、やっぱり見当違いのコピーがたくさん目につくわけです。で、結局コピーを考え直すということになります。「①アウトプット」→「②インプット」→「③アウトプット」となり、工程がひとつ増えてしまうのです。そりゃそうですよね。

【従来】
「①インプット」→「②アウトプット」

【アウトプット先行】
「①アウトプット」→「②インプット」→「③アウトプット」


アウトプット先行が、コピーを強くする!?

でもこれ、よく考えてみると、案外悪くないやり方だと思うのです。「縛りの少ない中で書いたコピー」と「縛りのある中で書いたコピー」がいい具合に混ざり合うので、できあがるコピーや企画の戦闘力(強さ)が高まる気がするのです。そして、アウトプットを先行することで、インプット時に足りない部分がはっきり見えてきます。見当違いと思っていたコピーも、適切に修正を加えることで息を吹き返すこともあるでしょう。抽象的なボディコピーも適切に修正を加えることで具体的なボディコピーに生まれ変わります。

アウトプット自体がウォーミングアップになり、頭がやわらかくなっている状態でインプットすることが良い方向に作用するということかもしれません。あくまでひとつの方法論ですが、インプットとアウトプットを同時進行で進めるっていうのもアリだと思いました。まあ、作る過程がどうであれ、最終的なアウトプット(コピー・企画など)が世の中に出て、機能して、企業や社会に貢献できればそれでいいんですけど。

話が少し飛びますが、この記事を書いていて思い浮かんできたのが、宣伝会議賞のコピー(受賞コピー)です。縛りが少ない中で書かれていることが多いので、荒削りの強さや開放感があります。宣伝会議賞のコピーは、“ジャンルコピー”になっていることが多いですよね。要は「同業種の他社でも使えるコピー」のことです。まあ、そのへんの話を書くと長くなるので別の機会にします。

アウトプット先行は、戦略的に。

「アウトプットを先にするべき」という主張は、近年さまざまな書籍でよく目にします。勉強してから動くのではなく、動きながら勉強する、あるいは動いてから復習する。この考え方をしっかり理解した上で、確信犯的に、コピーライティングを先行することで、その後のインプットの質があがったり、最終的なコピーの強さにつながるかもしれません。

そして、これって、どんなものづくりにも当てはまることかもしれないと思います。実際、この記事を執筆している今も、執筆している本人の学びになっています。今後も、アウトプットの効率より、アウトプットの濃度を高める方法を探っていきたいと思います。

今回の記事、自分で読み返してみても、思ったより文字数が増えてしまい、うまくまとめきれていない印象ですが、自己満足で書いているということでお許しください。(汗)

読んでもらえるだけで幸せ。スキしてくれたらもっと幸せ。