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行ってみないと分からなかった山陰の砂浜

ちょうど先週、お怒りの電話をくださった方のもとへ行ってみました。

そうなった経緯はこちら↓


おじさんと無事対面、そして語る

雨が降っていたので路面が凍結していないことに安心しながら、早朝から車を西へと走らせ約2時間。道が混んでいてギリギリになりそうと連絡を入れ、気を付けて来なさいよという一言に少し気持ちがほぐれながら到着。背の高いシャキッとしたおじさんは家の前に出ていたのですぐわかりました。

その方は普段から結構きつめな言い方になってしまうらしい。「まあまずは入ってコーヒーでも飲め!」と言われ、歓迎されているのか怒られているのか分からずちょっと面白い状況だなと思いながら、用心しながらついて行きました。

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現在は一人で住んでおられるその方は、海が好きすぎて、静かな浜に面した大田市へ引っ越してきたとのこと。家を自分の好きなように改築して自由に生きていることがあふれ出ていました。

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(そして壁には賑やかだった時の写真がたくさん貼ってあり。強くふるまっているけどきっと寂しいのだろうなと思いながら、とことん話を聴こうと腹をくくりました)

お皿付きのコーヒーカップをお盆に載せて丁寧に出してくださったり、きちんとしている方なんだなぁなどその時点で色んな面が見えてきて、もはや私は興味深々になっていました。

そこからまず1時間半...まず1時間半、目の前の海の状況のこと、これまでやってきたこと、周辺住民や市役所の状況など聞きました。(省略w)


いざ浜へ

そして浜を見せてやるから来なさいと言われ、そのまま目の前に広がる浜へ。そこは歩けばキュッと音が鳴るため、「鳴き砂」と呼ばれていて天然記念物に指定されている浜でした。

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その日は雨だったので音は聞けず。残念


東京にいたときに思う砂浜の状況や河口のプラスチックゴミの状況といえば、ペットボトルです。関東で砂浜のゴミの話になる時はたいていペットボトルは出てきますし、先生も鉄板で使うプラごみの写真は荒川河口がペットボトルで埋め尽くされている光景です。しかし私が大田で見た光景はこれまで見慣れたものとは全く異なりとても驚きました。

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圧倒的漁具!

もちろん、これまでも漁具が流れ着く浜は見ていたけどこれほどか!というくらい。そしてそこはきっと海流の流れなのでしょう、ハングル文字が書かれているものも多数。

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浜周辺に住む人口と、生活スタイル、周辺産業や地理的関係によってここまで違うのかということを改めて実感させられるました。そしておじさんが説明してくれた内容はこんな感じ。

・10年前くらいまではプラごみが5:5くらいで日本:韓国、今は3:7で日本と韓国くらいとのこと。(行政の、分別回収しましょうという呼びかけ以降)

・風が強い日は波によって海中・海底にあるものが巻き上げられて更に砂浜への漂着量が膨大になる。

・ネットや紐は切り口がきれい、つまり皆捨てやすいようにわざわざ船上でカットして海へ捨てる。

・ペットボトルの数は少ない。ほぼ漁具。小さいものだと意外にライターが多い。


それらのゴミの対応に関しは

・大きなものだけ拾って道の方へ引き上げておくと、月に1度市が回収してくれる。でもそうする人の方が少ないからだいたいはそのまま。

・自治会で年に2回、清掃の日があるが大抵の住民はそのときのみ。


漁業からのプラごみ

そしてこりゃ根深いよな~と思ったのが漁業者の現状。基本、海で出るごみは捨てて帰る。漁具以外でも、海上へ持っていったコンビニご飯などのごみもそのまま捨てる。その海域ではナマコが取れるため定置網で引き上げ漁をするが、同時にたくさん網で回収されるプラスチックはそのまま全てもう一度海へ戻す(自分たちで処理できない、お金がかかる)、など。

太平洋ゴミベルトと言われるプラスチックゴミが溜まっている海域では46%が漁具であると言われていますが(参照)、納得です。

関東に居ると生活者目線で話す・聴くことが多いし、話題になるものもペットボトルや個包装について等が多い。でもそれは一部でしかなくて、漁業という産業全体での寄与が圧倒的であることを再認識しました。

そこから車で周辺の漁港を回らせてもらい、透き通った海水の綺麗さとゴミの量を目の当たりにして、訪問は終了しました。

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実際に行って良かった!

行ってみて、色んな側面での学びがありました。

まず砂浜のプラスチックごみという視点では、やっぱり行かないと全く状況はわからないということ。特に身近な東京あたりの状況は、人口や土地利用的にも全国的に見たら圧倒的に少ない状況であり、それを当たり前の感覚で話してはいけないということを改めて意識なければと思いました。また生活者としてだけではなく、漁業についても考えなければならないということも実感しました。とは言いつつ、根深いよなぁどうしたらいいのだろうな。

あとは、実際に足を運ぶのはやっぱり大事ということ。怒っていたり何か意見がある人に徹底的に対応するということは、エネルギーがいることではあるけれどそれによって得られることはかなりある。何故その思考になってしまうのか・その人から見えている周囲の状況ってどうなのかを考えたり、ひたすら聴いたり、根本の感情を理解するなど。色んな訓練になるなと思いました。

おじさんも最後には、「電話したら他の人たちみたいになんか言ってくるかと思った。でも行きますって来て話聞いてくれて、よかった。」と言ってくれて、来てよかったなと思いました。おじさんありがとうございました。



上のようなことは思いつつも、やっぱりやっぱりエネルギーは吸い取られて、帰りはvoicyやpodcastではなく癒し系音楽を聴いて帰りました~。

机上の話や頭ばかりにならないように、残りも動く1か月にしていきます!

ありがとうございました。


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