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優しい漢字の羅列にキュン。(1353文字)



好久不见。玄関的贴纸是电力费请求单,我会处理,请放心。虽然virus还没结束,我们都很好。你们也要注意身体,希望早日回到上海🌷


「お久しぶりです。玄関に貼ってある請求書は私が処理しますので、安心してください。まだウイルスは終息していませんが、私たちは元気にしています。あなたたちも体にきをつけてください。早く上海に戻ってこられますように」


早く上海に戻りたいかどうかさておき、
久しぶりに連絡をとった不動産屋さんの中国人女性とのやりとりで、きゅんとした。


1週間で戻るつもりで日本に来てから、半年近くも不在にしたままの上海のマンション。
 羊1頭分できそうな大量の綿ぼこりや、水回りの悪臭は必至。
食材や植物がどうなっているのかは考えたくもない。
それはもう仕方がない。
とにかく、

●泥棒に入られていないかい
●ドアとか窓がぶっ壊されていないか
●燃えていないか

これだけ確認できれば安心と、上海にいる夫の上司に、我が家を見に行ってもらった。

テレビ電話を通してみる久々の上海の家。
ドアには電気代の督促状が貼られているくらいで、ドアが破壊されていることも、燃やされていることもなく無事。
それでも中国語の督促状は怖い。上記のメールと同じ漢字の羅列でも、こちらは恐怖をおぼえる。

 玄関前に投げ出されていた薄汚れた段ボールは、半年前届いた宅配便。中身はタオバオ(中国のECサイト)で注文したベーキングパウダーときなこ。
半年前の自分が何かを作ろうとしていたんだろうが、さっぱり思い出せない。
 



出先から家に帰るため電車に乗っていると、慌てた外国人女性に車内で声をかけられる。


「スミマセン!このデンシャ、○駅にトマリマスカ?!!」
「○駅には行きません」
「エ~!ドウシヨウ!この電車、次はどこの駅ですか?」
「わかりません…」


いかに自分がぼーっと電車に乗っているかがわかる。そして、女性を助けられないことに申し訳なっていたところで、私たちのやりとりをきいていたらしき救世主が登場。

「どうしました?あ、この電車は○駅行きますよ」


最高のタイミングで現れたこの救い主は、ぺろぺろキャンディーをなめながら、ひとりで電車にのっていた小学生の女の子。

「ア~よかった。ビクリした!ワタシ外国人ダカラ、ワカラナイね」
「私もわかりません」


しばし二人で談笑していると、外国人女性の下車する駅についた。
 その女性は、間違えたことを教えてしまった私にも、救い主にも丁寧にお辞儀をしておりていった。
日本人でも道に間違えるし電車には乗り間違えるのに、外国の方はさぞ大変だろう。
とても他人事とは思えない。



 幸いにも、上海のマンションは立て付けが悪すぎて、ドアや窓をしっかりしめていても、どこからともなく風が、時には雨も入ってくる。
これからますます熱くなってきても、程よく隙間風が入ってくれる。
この時ばかりは、建てつけが悪さに感謝がうまれる。
 いつか戻るときには、家族3人分の寝袋と、あらゆる掃除道具と洗剤を購入してから帰ろう。


ビフォアコロナにすでに手配していた、上海発着の日本往復ANAの航空券。払い戻し対象期間は、搭乗日2020年2月26日~8月31日。

手元の航空券は、9月。日本発着ならまだしも、これは上海発着の航空券。

対象期間が延長してくれることをねがうばかり。


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