タキカワスエヒト

低山ハイクや出かけた先で感じたことは【登山記】【紀行文】で投稿。神道、縄文、万葉集が最…

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低山ハイクや出かけた先で感じたことは【登山記】【紀行文】で投稿。神道、縄文、万葉集が最近のキーワード。 【合気道】はライフワークです。その他は考えたことは【随筆】に。 Story Cubes Storys というツールを使った小説を時々投稿。 雑食です。よろしくお願いします。

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  • 縄文思想

    縄文を理解するため

  • 随筆のお手本にしたい記事

    随筆、随想の中で文章の雰囲気が素敵なもの

  • 国立歴史民俗博物館はすごい!

    千葉県佐倉市にある国立歴史民俗博物館を訪れた際の感動を書き留めた紀行文というか忘備録。 また訪れたいと思っている。 私自身の民俗学に対する考察、とりとめもない考えを書き留める場所でもあります。ときおり、ブラッシュアップのため手を入れようと思います。

最近の記事

【登山記】龍は天に爪を向く 奥静の双耳峰竜爪山と縁起の良い欅立山へ

奥静(オクシズ)の名峰 竜爪山へ  静岡県の形を思い浮かべていただきたい。その角に当たる場所を奥静と言う。安倍川の上流域、そこには梅ヶ島温泉や井川ダム、南アルプスなど自然が豊富に残っており、静岡茶やワサビの栽培、ウイスキーの製造も盛んだ。   オクシズ地域は、こうした自然が豊かに残る美しい場所であり、今注目の地域だ。旨いものも多い。自然を生かしたアクティビティも近年充実している。  静岡の少し開けた場所から北側の山々、つまりオクシズを見ると、天に爪を向いたような特徴的な形の

    • 【登山記】日蓮聖人が眠る仏の里~桜満開の身延山中を行く その3

      頂上 奥の院思親閣へ  前回の記事はこちら。  日蓮上人は、1274年6月17日に甲斐国波木井郷の南部六郎実長の招きによりこの身延山に入った。そして「日蓮が弟子檀那等は、この山を本として参るべし。これ即ち霊山の契なり」と宣った。  さらには、「いづくにて死に候えども墓をば身延山に立てさせ給え」と、よほどここを気に入ったのか、自分が死したら、ここに埋葬してくれと遺言を残したという。  時代を作った宗教革命者であった日蓮上人は、流罪により鎌倉、伊豆、房州、そして佐渡に渡った。

      • 【登山記】日蓮聖人が眠る仏の里~桜満開の身延山中を行く その2

        身延山久遠寺奥の院への東回りコースへ  日蓮宗総本山、身延山久遠寺。桜の名所としても有名だ。ここにはロープウェイや長い登山道を経てたどり着けるの奥の院が存在する。  今回は、その奥の院へ向かう登山道を行く。  前回の記事はこちら。  道は整備されており、普通のシューズでも十分登ることができる。一部木の根などが露出しているので、登山靴であったほうが無難であるとはいえるが、雨の翌日でもなければ、滑って難儀するということはないだろう。  しかし、2時間半以上の行程、それなりにき

        • 【登山記】日蓮聖人が眠る仏の里~桜満開の身延山中を行く その1

           身延山久遠寺は、山梨県身延町にある日蓮宗の総本山である。  山深いところではあるが、JR身延線が通っており、出発駅の富士駅からは約1時間程度で到着する。  私の生家が日蓮宗ということもあり、何度か久遠寺には来ているらしいのだが、幼いころの記憶故、あまり覚えていない。しかし、この久遠寺の奥の院や日蓮宗守護の山といわれる七面山には、いつか登りたいと思っていた。  桜の里としても有名であり、私が訪れた令和6年3月の下旬は、境内にある枝垂桜が見事に満開であり、素晴らしい旅・登山とな

        【登山記】龍は天に爪を向く 奥静の双耳峰竜爪山と縁起の良い欅立山へ

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          【SCS9】拘泥

           その日、昼前にぽかりと時間が空いたので、散歩に出かけた。  途中でふと目に留まった赤い花があった。普段花をじっくり見ることもなく、庭いじりの趣味もないので、花の名は分からない。  大ぶりのやや紫がかった厚い花で、重たげな首を細い茎が支えていた。  花をじっくり見ていると、その傍の土がモゾモゾと動き、一匹の小動物が穴から出てきた。ネズミかモグラか、穴から出てきて外を見まわしている。  よく見ると、周りには小さな足跡があることから、その小動物が穴をねぐらとし、しょっちゅう歩き

          【登山記】熱地獄よりイズる!伊豆山曼荼羅を巡る~結明神社と伊豆山本宮

          子恋いの森を抜けて、結 明神社へ  白山神社から結明神社へと向かう。子恋いの森というロマンチックな名前を持つ公園区域を歩いていく。  ここは中世のころからの景勝地という触れ込みなのだが、住宅地の近くでもありあまり美しさは感じなかった。しかし、歩いて気持ちの良い場所であることは間違いない。結明神社は、公園を抜けたところにあった。  写真の通りあまり大きくないが、厳かな雰囲気であり、森を散策したカップルが、互いに顔を見合わせ、肩を寄せながら参拝するという絵が浮かび、微笑ましく

          【登山記】熱地獄よりイズる!伊豆山曼荼羅を巡る~結明神社と伊豆山本宮

          【登山記】熱地獄よりイズる!伊豆山曼荼羅を巡る~走り湯と白山神社編

          湯の出ずるところ 伊豆  伊豆は、湯の出ずる処が語源という説がある。その湯の出ずる処といえば、この「走り湯」である。  走り湯は、伊豆山神社の階段から、海に向かって下ったところにある。日本三大古湯である。  車で行こうとすると少しわかりにくいが、伊豆山神社から下っていけば、迷わず、また直ぐにたどり着ける。  走り湯の名の通り、横穴から熱水が走り出すように噴き出ている。その昔、役行者が伊豆に流された時、岩肌から噴き出す高温の水が、もうもうたる蒸気を挙げており、地獄の様相だっ

          【登山記】熱地獄よりイズる!伊豆山曼荼羅を巡る~走り湯と白山神社編

          【紀行文】アースダイバーは縄文を幻視して歩く その3~西永福大宮遺跡 

           アースダイバーとなり、縄文の雰囲気を感じながら、東京の神田川沿いを井の頭線の明大駅前から吉祥寺駅まで遡った。吉祥寺で調べた、同じ井の頭線沿いにある西永福の大宮八幡宮を目指すことにした。  市街地に突然現れる古代の杜  大宮八幡宮の近くに大宮古墳があり、方形周溝墓もあったらしい。方形周溝墓とは、弥生時代の方形・長方形の墓だ。そこを今回最後の目的地とすることとした。  西永福の駅に降りると、大宮八幡宮への案内が丁寧に記されており、迷わず向かうことが出来た。近くには高千穂大学

          【紀行文】アースダイバーは縄文を幻視して歩く その3~西永福大宮遺跡 

          【紀行文】アースダイバーは縄文を幻視して歩く その2~高井戸東遺跡と久我山稲荷神社

          白い巨塔は死のタナトス  しばらく歩いてみることにする。高井戸・久我山方面に向かっていく。  神田川沿いには多くの公園があり、球児が声援を浴びながら、練習をしていた。その箇所があまりに多いので、ずいぶんと野球が盛んな地区だと思っていたが、どうやらその理由は、この神田川沿いにある国学院久我山にあるのではないか。国学院久我山は、野球の強豪校としても有名である。  高井戸駅に近づくあたりで、一際目立つ白い塔が見えてきた。 そのアースダイバーは縄文を幻視して歩く その1~高井戸 

          【紀行文】アースダイバーは縄文を幻視して歩く その2~高井戸東遺跡と久我山稲荷神社

          【紀行文】アースダイバーは縄文を幻視して歩く その1~高井戸 塚山古墳

          土地の古層を幻視しながら、東京神田川沿いを歩く  中沢新一氏のアースダイバーを読んだ。  最近、縄文人の考え方、その頃に人々がどのように暮らしていたか、そういったものがとても気になる。そんな時に出会ったこの「アースダイバー」。東京の大半は縄文海進といわれる海面の上昇により、関東平野のほとんどが海の底であり、その状況を現在の地図にトレースすると、神社や遺跡の分布と符合するところが多いそうだ。海進の一部は埼玉の大宮の方まであったらしい。  この本にある縄文地図はエキサイティン

          【紀行文】アースダイバーは縄文を幻視して歩く その1~高井戸 塚山古墳

          【随筆】浅間さんの不思議を考える 富士の麓に住まう人々への思い

          伊豆修験道と富士村山修験道  熱海の伊豆山神社に詣でた時のことだ。朱塗りの社殿のある場所から、右手に奥まったところに資料館があった。そちらを訪ねてみると、小さいながらなかなか見ごたえのあるものであった。 伊豆山郷土資料館というのが正式な名前のようだが、そこには伊豆山権現に似た立像などがあった。解説を読んでいくうちに、伊豆一帯が「伊豆辺路」と呼ばれる修験道の聖地であったことを知った。  伊豆一帯の修験道の研究は、國學院の深澤准教授のグループが精力的に行っているようだ。近々國學

          【随筆】浅間さんの不思議を考える 富士の麓に住まう人々への思い

          【登山記】熱き水が海へ迸るから熱海! 岩戸山は修験道の聖地か⁉️

          熱海の岩戸山は、日金山と伊豆山の中間にある  静岡県の熱海でもっとも有名な山は伊豆山権現としても知られた「伊豆山」であろうか、それとも十国峠で有名な「日金山」か。  ほかに伊豆スカイラインのICから近い玄岳なども捨てがたいが、知名度から言うとやはり伊豆山に軍配が上がるのかもしれない。  伊豆山は、伊豆山権現を祀り山岳修験道の聖地として、その名を知られた。別名「走湯山(そうとうざん)」ともいう。これは、現在も走り湯として知られる横穴から噴き出る熱水が、古代は地獄の様相を呈して

          【登山記】熱き水が海へ迸るから熱海! 岩戸山は修験道の聖地か⁉️

          【随筆】天岩戸開きは意識の始まりかもしれない!〜神々の沈黙を読んで

          ジュリアン・ジェインズの「神々の沈黙: 意識の誕生と文明の興亡」を読んだ。  この説の大要は、約3000年前までは人は二分身と言われる、神々の声を直接聞き、その命令に従って行動をなす人々のみで構成されていたが、言語の獲得及びその比喩の効果により意識を獲得した結果、神々の声が聞こえなくなった。  以来、人々は意識による自己対話を重ね、科学的な発展をしてきたが、心の底では命令者たる神の声を求めると言うような内容であった、と理解している。  著者は、世界中の神話や遺跡の意匠の分析

          【随筆】天岩戸開きは意識の始まりかもしれない!〜神々の沈黙を読んで

          【紀行文】火山がつくった奇景~大室山と城ヶ崎海岸

          大室山山焼きとシャボテン公園のかわいい動物たち  大室山は、約4000年前に平らな土地のところに突如として噴火口ができ、粘性の低い火山からの噴出物(スコリア)が積もったものらしいです。  お椀を伏せたような形であり、また後述する定期的な山焼きもあって木が全くないため、遠くからも「あれは大室山だ!」とすぐわかるものです。  その昔は、この「池」という地区で良質の葦をとるために約700年前から行われてきた伝統行事でしたが、今では観光の目的から毎年2月の第二日曜日を基準に行われ

          【紀行文】火山がつくった奇景~大室山と城ヶ崎海岸

          【紀行文】土偶の洪水! 縄文人の祈りに共感した釈迦堂遺跡博物館

          一面の土偶に大興奮! 釈迦堂PAからのアクセスも可  静岡県の御殿場市と小山町の境にある須走を通り、東富士五湖道路から山中湖あたりに入ると辺りは一面の銀世界だった。数日前に首都圏の交通網を遮断した大雪の影響だろうか。山中湖から河口湖そして釈迦堂遺跡に向かう御坂道を進むにつれ、道路両脇の雪の壁は高くなっていった。  道はしっかりと除雪され、ノーマルタイヤでも問題なく走ることが出来るが、歩道を歩く人は大きな雪の塊を避けながら歩いている。  途中、北口本宮富士浅間大社や御師の家に

          【紀行文】土偶の洪水! 縄文人の祈りに共感した釈迦堂遺跡博物館

          【随筆】縄文人の「芸術性」から争いのない世界をイマジンした

           諏訪地域の縄文遺跡を訪ねて以来、諏訪に魅せられている。尖石縄文考古館にて国宝となっているビーナス土偶を見て、そして諏訪大社とその近くにある神長官守矢史料館を訪れ、古代に魂から触れたような気がした。  そして、ここ半年ほどは、これまで生きていた中で、最もたくさんの土器を見ている。大量の土器や土偶などの出土物を見ている中で、その意匠について思うところが芽生えてきた。その思うところを今回は書き綴ってみたい。 ビーナス土偶は美しいのか  「縄文のビーナス」そうこの土偶は紹介され

          【随筆】縄文人の「芸術性」から争いのない世界をイマジンした