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「感情を感じることを許した結果、それを表現してしまう」相手にぶつけない怒りの表現方法とは?(ご相談)

こんにちは!
心理カウンセラー/ボタニカルジュエリー作家の橘奈緒美です。

今回は【ココロノマルシェ】に寄せられたご相談にお答えしたいと思います。

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今回のご相談はこちら。

いつもお世話になっております。心の迷子の道しるべとして、たいへん活用させていただいております。

今回相談したいのは、感情を感じることとそれを表現することについてです。

私は幼い頃から姉との葛藤や両親を助けたい思いから自分の感情を抑えて、誰かを助けたり人と人を繋ぐという役割をたくさんしてきました。

私は愛されない、大切な人の1番になれない、私がいると迷惑になる
などの前提を後生大事に持っています。

この前提を変えるためにカウンセリングなども受けまして、感情を感じることを自分に許すということに取り組んでいます。

「感情を感じることと、それを表現することは別である。」と頭では理解しているのですが、実際には怒りや不安を感じたとき表現としてもそれが表出してしまいます。

夫の言動を、私の前提を通して見てしまって怒りや不安を感じることがあるのですが、その時自分には「不安だよね、そうだよねー、そう思ってもいいよ」と声をかけながらその気持ちを感じるようにしています。そこまではできるのですが、実際の夫に対しても不機嫌な対応をしたり、怒っているような口調で接してしまい、感情を表現としても出してしまうのです。

自分の感情は自分の中で処理をする、ということを完結できていないなぁ、と感じます。どのようにすれば感じることと表現することを別物として扱うことができるようになるでしょうか?何かアドバイスいただけると嬉しいです。
Mさん

Mさん、ココロノマルシェにご相談いただき、ありがとうございます!

今回のご相談内容を読ませていただいて感じたのは、Mさんはずっと「人の役に立ちたい、助けたい」と思ってきた、他者を思いやる気持ちの強いとても優しい方だということです。

そして、思いやりがあるからこそ「怒り」を表現してしまう自分を責めてしまうのですが、まずは「怒ってもいいよ!」という許可も出しちゃいましょうというのをおすすめしたいと思います。

Mさんは「人と人をつなぐ役割を行ってきた」とのことですから、助けたいという気持ちに合わせて、きっとコミュニケーション能力も育ててこられたんだと思います。

幼い頃からそういう役割をしていると、どうしても他者を優先させる分だけ、自分の感情を後回しにするのが当たり前になってしまいます。

そんな心の習慣を持っている状態だと、以前のMさんもそうだったかもしれませんが「自分は感情を抑え込んでいるから辛いんだ」と気づけずに、むしろ感情を感じない方向に心血を注いでしまうという方も多いんですよね。

でもMさんは、そこに問題の根っこがあるのでは?と気づかれて「感情を感じることを許す」ということに取り組まれたわけですから、まずはそこに気づき取り組んできた自分を褒めてあげてほしいな、と思いました。

怒りを表現することは悪いことではない

さて、Mさんはご自身で
>私は愛されない、大切な人の1番になれない、私がいると迷惑になる
などの前提を後生大事に持っています。

と思われているいうことで、その前提から旦那さまの言動に対して怒りや不安を感じたとき、怒りを表現してしまうというのも、とても冷静に分析されているなと思います。

ここでさらに踏み込んで、出てくる「怒り」と「不安」を分けて考えてみると、どうでしょうか。

まず、「怒り」は感情の蓋といわれています。

私達は感じたくない感情を心の奥にしまい込むとき、「怒り」を蓋にして閉じ込めます。

先程の前提を例にすると、こんな感じ。右側が閉じ込めた感情です。

「私は愛されない」→ 寂しい、悲しい、孤独感

「大切な人の一番になれない」→ むなしい、悔しい

「私がいると迷惑になる」→ 罪悪感、無価値感

などの感情があるかもしれません。

こういう感情をずっと感じ続けるのは辛いので、「怒り」を蓋にして心の奥に押し込めて、その「怒り」さえも麻痺させて感じないようにしていく、ということを繰り返していくと、「感情を感じることができない」という状態になります。


Mさんはこれまで、「感情を感じても良い」という許可を出すところに取り組まれてきました。
だから今の状態は、「怒り」の下の感情を取り戻している段階で、とても順調に思えます。

まずは、「本当に感じている感情」の上に乗っかっている「怒り」が表に出きていることは、別に悪いことではないということをお伝えしたいと思います。

怒りを相手にぶつけずに表現する方法

では、次の段階では「その怒りをどう表現するのか」というところを考えてみましょう。

Mさんがお持ちの「私は愛されない、大切な人の1番になれない、私がいると迷惑になる」という思いを刺激されるような言動を旦那さまにされると、「不安」を感じて怒ってしまうのですよね。

今はその「不安を感じること」には許可が出せているので、次は「怒りが出てきても仕方がないよね、だって怒りは感情の蓋だから」というところまで許可して、表現していきます。

でも、「なんでそういうことをするの?」とか、「どうしてわかってくれないの?」という言い方や態度だと、相手は攻撃されていると受け取るため、真意が伝わらなくなってしまいます。

怒りを相手にぶつけたり、自分が我慢をするのではない形で、感情の開放をしたいですよね。

そこで提案させていただきたいのは、怒りの元になっている感情のほうを相手に伝えてみることです。

「ムカつく!イライラする!」と思ったら、どうして今この怒りを感じているのだろう?とまず考えます。

「大切にされていない気がして、悲しかったからだ」と思ったら、
それをそのまま伝えてみるんです。

「そういう言い方をされると、大切にされていない気がして、悲しい」

「そういうことをされると、愛されていない気がして不安になるの」

という感じです。

怒りに任せて強い口調で伝えるよりも、相手も言われた言葉を受け止めやすいのではないでしょうか。

怒りが沸点に達しているときは難しいかもしれませんが、少し時間をおいてからでも自分の本音の感情を伝えてみてください。

相手も不安を感じているかもしれない

そして、相手に対して不安な気持ちを抱くときというのは、相手のことがあまり信頼出来ていないときですよね。
100%信頼していたら、不安にはならないはずです。

パートナーは鏡といいますから、夫婦やカップルは同じ事で悩みます。

つまりMさんが不安を感じているということは、もしかすると旦那さまも同じように不安を感じているかもしれないということです。

そこで「相手が自分を不安にさせてくるから悪いんだ」と思って終わりにしてしまうのが、自分の感情の主導権を相手が持っている状態です。

そうなると、相手の態度や機嫌で自分の感情が振り回されてしまい、そこからまた不安が生まれるという負のループに入っていってしまいます。

というわけで、自分の感情の主導権を自分に取り戻すために必要になるのが、「自分軸」になります。

・自分の感情は自分で責任を持つと決める

・自分が不安なときは、相手も不安なことがあるかもしれない

・相手を信頼出来ていないのだとしたら、なぜだろう?そして相手は私を信頼できているのだろうか?

と考えるようにすると、相手や自分を責めるのではなく、
「もっと相手から信頼されるためにできることはあるかな?」
と前向きな対策を考えられるようになるんじゃないかな、と思います。

もしその不安の原因がもっと違う場所にあるかもしれないとか、
感情に責任を持つって具体的にどういう事?とか、
他にも怒りスイッチがあるかもという場合は、カウンセリングでそこを深堀りしていくというのも良いかもしれません。

そうやって自分に合った怒りの表現の仕方、感情の感じ方を見つけていくことで、旦那さまともより深い絆で繋がれる様になると思います。

なにか参考になることがあれば幸いです。

読んでいただき、ありがとうございました!
橘奈緒美でした。

橘奈緒美のカウンセリング申し込みページ

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