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「夢」の本質を考える:直接達成と間接達成の違い

「あなたの夢は何ですか?」
こう問いかけられたとき、思い浮かぶものはありますか?
私の場合、昔の文集を読み返すと、幼稚園生の頃はウルトラマンに、小学生の頃は総理大臣になりたいと書いてありました。

多くの人が子供の頃に夢を持っていたと思います。
恐らくあなたもそうでしょう。
しかし、大人になるにつれて、現実の波に飲まれ、いつしか夢を見失ってしまいがちです。

本稿では、「夢」を再定義し、あなたの人生の目的としての正解を見つける手助けができないかと考えました。

新しい夢の定義を参考に、誰に憚ることもないあなたの夢を追い求める人生を考えてみませんか。


1.夢の定義

①一般的な夢の定義

一般的に夢というと、以下のようなものを指していると思います。

  • 将来なりたい職業や役職
    例)プロ野球選手、ユーチューバー、社長、総理大臣 など

  • 将来なっていたい状態
    例)お金持ち、幸せな家庭、○○で世界一 など

多くの人が子供の頃に「○○になりたい」という夢を持っていたでしょう。私も冒頭で書いたように、幼稚園生の頃はウルトラマン、小学生の頃は総理大臣になりたいと思っていました。

しかし、こうした夢を目指すことは、人生の方向を示す意味では有効ですが、「人生の目的としての正解」という観点では、本質的ではない、或いは不十分であると考えています。

(1)夢を達成してしまった後にどうするのか

夢を達成したとき、それまでの道しるべがなくなり、その先の人生をどこに向かって進めばいいのか分からなくなる可能性があります。
例えば、仕事一筋で生きてきたサラリーマンが、定年退職後に虚無感や喪失感を抱くようなものです。

次に目的がすぐに見つかれば良いのですが、人生を掛けて目指してきた夢の代わりがそう簡単に見つかるとは限りません。

本来、「夢」とは人生に希望や活力を与えるものです。それが、このような状態を引き起こしてしまうとしたら、「○○になりたい」という夢は、夢の本質から外れていると言えそうです。

(2)○○になりたいという夢は手段に過ぎない

より本質的な問題として、「○○になりたい」という夢は手段に過ぎず、目的ではないということがあります。

例えば、プロ野球選手になりたいという夢を持つ人がいたとします。プロ野球選手とは、球団に所属して高いレベルのプレーをし、それによって観客に元気や感動を与えることが仕事です。

ここで重要なのは、観客に元気や感動を与えることが目的であり、野球はその手段に過ぎないということです。つまり、プロ野球選手になるという夢は、観客に元気や感動を与えるという目的のための手段に過ぎないということです。

以上のことから、「○○になりたい」という夢は、人生の方向を示す意味では最適と言えず、手段に過ぎないという点では本末転倒ともいえます。
故に新しい夢の定義が必要であると考えました。

②新しい夢の定義

新しい夢の定義とは、以下のようなものです。

・世界を○○にしたい
・世界に○○な影響を与えたい

筆者の考え

手段としての夢ではなく、目的としての夢に再定義しました。
この夢を実現するための手段として、プロ野球選手になることや、ユーチューバーになること、或いはお金持ちになることがあるのです。

  • 目的)野球を通して世界の人々に元気や感動を与えたい
    手段)プロ野球選手になって観客の前でプレーする

  • 目的)動画を通して世界の人々を笑顔にしたい
    手段)ユーチューバーになって動画投稿をする

  • 目的)世の中をお金の力でよりよくしたい
    手段)お金持ちになる

「世界」と聞くと大袈裟に感じるかもしれませんが、必ずしも世界規模で何かをする必要はありません。自分の身の回りを含む、自分の属する環境を理想の方向に変えることでも良いのです。

人生の目的とは、自分が属する世界を、自分が理想とする世界に変えていくこと、これが私の考えた正解の一つです。

2.夢の直接達成と間接達成

前章で再定義した夢ですが、立派な夢であればあるほど実現する可能性は低く、それを人に話せば、「何を夢を見ているんだ」と馬鹿にされることもあるでしょう。

確かに、野球で人々に元気や感動を与えることが目的だとしても、その手段であるプロ野球選手になることは容易ではありません。
特に、既に社会人となった人がプロ野球選手になることなど、文字通り「夢のまた夢」です。

しかし、ここで考えてみてほしいのです。
目的が「野球で人々に元気や感動を与えること」だとすれば、それを達成する手段は、本当にプロ野球選手になることしかないのでしょうか。

この観点に立った時、夢を直接達成と間接達成に分けて考えることができます。

①直接達成の夢

直接達成の夢とは、夢を直接的に達成できる手段を取ることです。
野球の例で言えば、プロ野球選手になって球場でプレーすることです。
多くの人が持つ「○○になりたい」という夢は、直接達成の夢に分類されます。

直接達成の夢は、社会からの評価が高く、多くの人に憧れられる夢です。
しかし、この夢を実現するには、類稀なる才能、努力、環境、そして運が必要です。多くの人がこの夢を目指し、挫折し、夢とは関係のない人生を歩むことになります。

それを知った上で目指すというのであれば、私は止めはしません。
止めはしないのですが、次に説明する間接達成の夢も選択肢として考えてほしいというのが本稿の目的です。

②間接達成の夢

間接達成の夢とは、間接的に夢を実現する手段を取ることです。野球の例で言えば、以下のような職業が考えられます。

  • スポーツメーカーに勤めて、バットやグローブなどを製造する

  • スポーツ栄養士になって、プロ野球選手の栄養管理を担当する

  • 審判員の資格を取って、試合において正確な審判を行う

  • 球団を運営する会社に入って、広報活動を行い、野球ファンを増やす

これらの職業は、直接野球をプレーするわけではないものの、野球を通じて人々に元気や感動を与えることに貢献しています。直接達成の手段であるプロ野球選手は、これらの人々の支えがなければ最高のコンディションでプレーできません。

故に、本稿で定義した「夢」の達成という観点で言えば、直接達成の夢と間接達成の夢は、世界に対して同等に重要であり、同等に尊いのです。

確かに、世間の印象で言えば、直接達成の夢の方が間接達成の夢よりポジティブに捉えられるでしょう。しかし、重要なのは、世間からどのように見られるのかではありません。自分が夢を達成できるかどうかです。

もし、世間の印象を気にしてしまうのであれば、それは、あなたが「世界を○○にしたい」という本稿定義の夢ではなく、「世間から評価されたい」という一般的な意味の夢をもっているからでしょう。
私はそれを否定しません。ただ、この記事で再定義したような考え方もあるのだとお伝えしたいのです。

間接達成の夢は、取り得る手段が幅広く、自分の適性に合った職業が含まれている可能性が直接達成の夢より高くなります。

自分の適性や才能を知り、それに合った職業で自分の夢を達成することが、人生の目的としての正解だと思っています。

3.私の夢

参考までに、私の夢についても書いておこうと思います。勿論、冒頭に書いたウルトラマンや総理大臣になりたいという夢ではなく、本稿で再定義した夢に則ったものです。

私の夢は「この世界を私の考える正しさが実現するようにすること」です。抽象的で分かりにくいと思いますが、現在、自分と向き合って出てきた答えがこれになります。

私の考える正しさとは、簡単に言うと本質的な正しさと公益的な正しさです。以前の記事で詳しく語ったので、興味のある方は末尾の関連記事をご覧ください。

具体例を挙げると、組織においてはその職責を果たす能力がある人がその職位に就くべき、という考えです。
情実人事や巧みな社内政治ではなく、個々人の持つ能力や適性でポジションが決まる社会が望ましいと考えています。

逆に、能力があるのにそれを発揮できず、社会に埋もれている人を掘り起こすことも考えています。
その手段の一つとして、クリフトンストレングスについて学び、ストレングスコーチの認定資格を取得しました。これは、自分の夢を達成するための具体的なステップの一つです。

私の夢はまだ自覚したばかりで、これからその目的に向かって進んでいく段階です。どのような手段を講じれば目的に近づけるかを考えており、noteへの投稿もその手段の一つとして、正しさの実現に繋がればと思っています。

4.終わりに

前回の記事で、人生における目的としての正解と、手段としての正解について触れたので、今回はそれらに関連するテーマとして「夢」を取り上げてみました。

私の中では、「夢」は人生における目的であるべきだと考えています。そのため、一般的な「○○になりたい」という夢の定義に対して、「世界を○○にしたい」という新しい夢の形を再定義しました。

また、夢は立派であるべきという先入観に対するアンチテーゼとして、間接達成の夢についても言及しました。間接達成の夢は、一般的に評価されにくいかもしれませんが、それでもその価値は直接達成の夢と同等であると考えています。

重要なのは、自分の価値観と才能・適性を正しく理解し、世間体にこだわらないことです。
もし、今の自分を顧みて、世間の評価を気にして自分に合っていない職業を選んでいるのなら、これを機に見直してみては如何でしょうか。

職に貴賤はないという言葉がありますが、まさにその通りだと思います。
どんな職業であれ、自分の夢に向かって努力することが大切です。

本稿が、あなたが新しい夢を目指すきっかけになれば幸いです。

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