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旗山で「日本人だから無料」の恩を受けた話。

台湾の日常を日記がわりに。ちょっと綺麗な旅の写真たちを添えて。

(すでに夏だが)夏の気配

行ったことのない地方に足を運びたくて今回はふらっと旗山までバス旅を。

旗山区(qi shan)
内陸と平地の交易の拠点として栄えた高雄市の田舎町。サトウキビとバナナの生産が盛ん。

左營からバスで50分ほど

ここ旗山には、旗山老街というバロック式の装飾が施された建物が並ぶ古い町並みがある。右も左も「香蕉(バナナ)」の看板があり、通るたびにバナナ味のお菓子を(半ば強引に)試食させてくれる。香蕉紅茶も有名で、ほのかに香るバナナ風味が意外とマッチしていて美味しかった。

屋台に並ぶバナナ煎餅
至る所で見かけるバナナ販売所

お腹が空いていたので地元民で賑わうお店に入ってみる。

旗山秀明猪心冬粉
月見肉燥飯45元 豬舌冬粉湯55元

数えきれないほど肉燥飯や魯肉飯を食べてきたけど、ここが一番美味しい。(脂身が得意じゃないので瘦肉タイプに惹かれる。ここのはガパオみたいなそぼろ肉タイプ)

豚タンの春雨スープも最高にうまい。現地民っぽく別皿に合わせ調味料(カウンターの調味料を各々好きにブレンドする)を作ってそれにタンをつけて食べたら絶品。

この田舎町で絶品料理にありつけるとは

さて、お腹も満たされたので散策を。

おとぎ話に出てきそうな旗山車站

台湾糖業鉄道は日本統治時代にサトウキビの運搬用に作られた鉄道。旅客の運送も手がけていた。旗山車站は当時ヨーロッパに留学していた日本人学生が設計したとの情報も。現在はインフォメーションセンターとして利用。

石のアーチが沢山ある

たまたま通りかかった旗山武德殿(1934年に建てられた武道教練場)は、まるで日本で驚いた。この奥には神社遺跡もあり日本の文化が色濃く残っている。

しばらくカメラを片手に街歩きを楽しむ。

画期的な見せ方をするサポーター屋
メーロンとは

歩き疲れたので冷たいものでも食べよう、と気になっていた常美冰店へ。

なぜか懐かしさを覚える店構え

メニューを見てもイマイチ分からなかったのでとりあえず招牌(看板メニュー)と書かれていたアイスを注文してみた。

すると台湾人の店主の方が「日本人ですか?」と、レジ横にあった用紙を提示してきた。そこには、「日本が台湾にワクチンを寄付してくれたことに感謝し、日本人からはお代をいただいておりません。」といった文言が書かれていた。

「払います!」と言っても「大丈夫!無料です!」と受け取ってもらえず、最終的に小銭で持っていた15元しか受け取ってもらえなかった。

出てきたアイスはいろんな味のジェラートが合わさったものと、バナナアイスが二つ、そのほかにタロ芋や小豆、愛玉ゼリーなど盛り盛り。すごくすごく美味しくて優しい味がした。

アイスクリンのような懐かしい味

国と国で「感謝の意を示す」ことはできても、個人レベルで何かしらの取り組みができるなんて本当に凄いことだと思う。しかもそれを継続するのって絶対簡単なことじゃない。

台湾で人に優しくされるたびに、自分は何もしていないのにこんなご恩を受け取っていいんだろうか、と考える。受け取るだけ受け取って、いい気にならないように、自分ができる形で恩を次に繋げていこうと思う。

たったの数時間、散歩しに行っただけの旗山だけど、美味しいものを食べて国境を超えた人の優しさに触れて、帰りのバスでは心がポカポカしていた。きてよかった。

高雄駅前行きのバスで帰路に

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