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tabi-ki47的『心に残った旅の酒場5選(くつろぎ酒場編)』

わたしにとって、旅は酒場めぐりそのもの。酒場に出向き、人に会い、酒を呷り、土地土地の素材が用いられた酒肴をつつき、そして酔いの深みに入りながら旅情を楽しむため、旅に出ています。

もちろん、銘酒佳肴が揃った酒場もいいですが、それだけではない、その酒場にしかない雰囲気、それが店主・店員が作り出すものなのか、居合わせた客たちとともに創り上げてきたものなのか、その酒場にしかない唯一無二のくつろぎの空間を持った酒場に出会えたときの感激はたまりません。

そんな風に、わたしの記憶に鮮明に刻み付けられている酒場を、今すぐ戻りたいと考えてしまえる酒場を、いくつか紹介したいと思います。


⚪️秋田県横手市「朝菊」

一軒目は秋田県横手市の「朝菊」です。観光客からは、横手やきそばの店として知られているようですが、わたしは夜にふらりとお邪魔しました。たまたま目について寄った酒場でしたが、詳細は次の記事をご覧ください。

まーー、すごく居心地がいい店でした。年配の女性店主改めお母さんが優しい人で話好きで、なんだか初めてお邪魔したとは思えぬほどくつろげました。

漬物のわらびを出されて、それを「高清水」の冷や(常温酒)のコップ酒でいただくと、もう最高。どんな銘酒よりも、じわーーっと体に染み渡りました。

そして締めは塩クジラ煮です。丁寧に下処理された塩クジラを使った郷土料理がもうたまりません。

本当にいまだに思い出すたびに、胸の奥があたたかくなる素晴らしい酒場だと思います。

⚪️北海道函館市「居酒屋 酒道」

二軒目、お次は函館で、同じく冬の函館でふらりと寄った酒場「居酒屋 酒道」です。こちら、残念ながらgoogle map上は閉業になっています。

詳しくは記事をご覧いただければと思いますが、熱燗は「剣菱」、本格焼酎は黒千代香の前割りとこだわりを持つ酒場でして、物静かですが、少し話をしただけでこだわりが伝わってくる店主の仕事ぶりに、きらりと光るもの、そして懐の深さを感じました。

また、店内の落ち着いた雰囲気がとてもわたしの好みに合い、小一時間ほどの滞在でしたが、翌日には「また行きたい、すぐに行きたい」と思ったものでした。

派手さはないし、玄人感が滲み出ていた店主と店の構え、万人受けすることがなかったのかもしれませんが、しっかり地に足ついた実力派酒場だったのだと思います。

⚪️名古屋市「Another You」

続いて三件目、最近訪れたバーになりますが、名古屋市伏見駅近くの「Another You」です。このバーも最高でした。

詳しくは記事をご覧いただきたいのですが、マスターが最高です。物静かで一瞬とっつきにくいのかと思いきや、本当に真面目で真摯な人柄の人で、話しかけると丁寧に丁寧に受け答えをしてくださる正真正銘のプロフェッショナルでした。

間違いなく、わたしが名古屋に住んでいたら、毎週のように通いたくなるくつろぎのバーです。

扉を入るとマスターと目が合い、「ああいつもどうも、いらっしゃいませ」なんて具合に声をかけてもらえる関係を築きたいと思ってしまいます。

折り目正しくて、細やかなサービスが行き届いたオーセンティックバーは、それなりの規模の都市にはたいていありますが、「Another You」のようなゆったりと優しい時間が流れるバーには、なかなかお目にかかったことがありません。

⚪️青森県弘前市「こなつ」

続いて四軒目は、青森県弘前市の「こなつ」という酒場です。地元常連客と一緒になって過ごせた、ものすごい人間力を持った女性店主が一人カウンターに立つ店です。詳しくは、以下の記事をご覧いただければと思います。

この店の魅力の源泉となっているのは、次のとおりです。自分の記事を引用してみます。

どんな店にしたいのかと尋ねると、「まあ、なんだかお客さんに畏まってばっかりで、丁寧に丁寧に接客しようとして下手にばかり出て、かえって素っ気なくなって距離が遠い関係の商売はしたくなかったんですよね」と福山さん。

ああ、なるほど、だからこの空気感の中で店の人間も客も一体になって楽しんでいるのか、とわかったのでした。 

出典:tabi-ki47

この、店主・福山さんの考え方にはものすごく共感できます。ときに、磁力のように強力な吸引力がある店と出会うことがあるのですが、わたしの場合、こういう距離感をナチュラルな姿勢で持ち合わせている店です。

こちら「こなつ」の場合は、記事をご覧いただけるとわかると思いますが、店は店主・福山さんと常連客の方々のヒューマンな魅力に溢れ、わたしにとってはこれが強烈な磁力に感じられるのです(こういうの、逆に苦手な方もいるのかもと思いますが)。

⚪️仙台市「お菜晩酌 志ほ」

さてさて、『心に残った旅の酒場5選(くつろぎ編)』もいよいよラスト一軒となりました。

五軒目に選んだのは、仙台市の仙台銀座にある「お菜晩酌 志ほ」です。ここ数年で出会えた酒場の中でもトップクラスのお気に入りに駆け上がった店です。

詳しくは記事をご覧いただければと思いますが、とにかく料理が美味しい、そして東北を中心に揃えた銘酒が美味しい、、、と紹介したいところなのですが、兎にも角にも、女将の志穂さんが醸し出す店の空気感が素晴らしいのです。

誰にでもきさくな志穂さんに会いたくて集まる常連客もいい人たちばかりで、ひとつ前に取り上げた弘前市の「こなつ」同様の店と客の一体感から生まれる店の雰囲気がとても良くて、とてもくつろげる酒場なのです。

とはいえ、記事の中にも書きましたが、常連客が多いような印象もありますが、当時は9割が出張客とのことなので、一見でも全然大丈夫で、敷居は高くないアットホームな酒場だと思います。

本当に気に入ってしまい、同じ年にもう一回足を運んでしまったくらいです。

仙台の酒場はそれなりに知ってるつもりになっていても、まだまだいい店があるんだな、と嬉しい再発見をした瞬間でもありました。


⚪️まとめ、そして特選の青森県青森市「Arrow」

ということで、『心に残った旅の酒場5選(くつろぎ酒場編)』でした。そうそう、勘のいい方はお分かりだと思いますが、シリーズ化を目論んでいます(笑)

なんというか、仕事が忙しくて旅に出るチャンスがなく、「tabi-ki47」とかいってるくせに、まったく全国47都道府県を制覇しそうな気配はなく(笑)、記事の更新も滞るので、なにかテーマを決めて旅がらみの話を記事化していきたいなあなんて考えいたところでした。

なので、心に残った酒場シリーズでは、くつろぎ酒場の話の次は、店に質の高さに感服した酒場の話なんかもしていきたいと思います。

こんなとこ、あんなとこにこんな工夫がなされてるんだ、高い意識で店を営業されているんだ、と感銘を覚えた酒場などを、おいおい紹介できたらなあと思っています。

さてさて、くつろぎ酒場の話をまとめていきます。基本、このnoteで取り上げている店で「くつろげなかったなあ」ということは基本ないのですが、今回取り上げた五軒はこの中でも特別なくつろぎポイントを持っていた店になります。

名古屋の「Another You」に関しては、あまりにくつろぎすぎて店内で写真を撮影せずにマスターとの会話と酒を楽しんでしまったので、記事の内容が文字だけになり、ちょっと店の雰囲気を伝えられず、くつろぎポイントの具体性が乏しいかもしれません。

とはいえ、くつろぎポイントなんて、あくまで主観的なものですから、わたし個人の感想なんだと思って、参考になる部分は参考にしていただければと思います。

なんにせよ「戻りたくなる、お帰りなさいと言ってもらいたい酒場」を選んだのが今回の記事になります。記事を書いてるそばから、胸の奥があったかい優しい何かが湧いてくるのがわかります。

そうそう、最後に特選くつろぎ酒場を紹介します。青森県青森市のバー「Arrow」です。

こちら、過去3回お邪魔している「癒しのバー」です。詳細は記事をご覧いただければと思いますが、記事の中でこんなことを書いてて、「なるほどね」と自分自身で感心したくだりがありましたので、引用します。

まさに、癒しのバー、という言葉がぴったりとくる店です。カウンターに腰掛け酒を呑み、くだらない話をし、嫌なことは忘れ、どこそこの店が旨かった、なんて話を延々と続け、そうやって、日々の暮らしにこびりついた疲労をちょっとずつ薄めていくために存在するのが、バーだと思います。
ここ「Arrow」は、そんな存在そのものだと感じました。

出典:tabi-ki47

女性二人が営む、穏やかで優しい空気が流れる「癒しのバー」でのひとときは、まさにくつろぎに満ちていました。

こちらもまた、「戻りたくなる、お帰りなさいと言ってもらいたくなる酒場」だと思います。

そろそろ、くつろぎの酒場に出会うため、また旅に出たくなってきました。仕事の調整をして、まとまった休みが取れないか、検討してみることにします。

とはいえ、年内はちょっと難しいかな、、、、、、

(おわり。)

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