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【函館】(3/3)暴風吹き荒れる函館で、美唄焼き鳥と朝市名物小皿料理を食べた 2019年12月14日(土)-15日(日)

函館市松風町の「炭火串焼きやまと」において、「美唄焼き鳥」をはじめ、気の利いた酒肴を地酒で呑って、しっぽりとした後は、ほど近くにある「舶来居酒屋 杉の子」でカクテルをいただき、さらにさらにハシゴすることにしました。
注)2019年12月の記事になります。


⚪︎じわりと居心地が良い酒場「居酒屋 酒道」へ

「杉の子」を出たわたしは、大門から少し外れたところにある「居酒屋 酒道(しゅどう)」へ。

こちら、2月に函館を訪れたときにも気になっていた渋い外観の居酒屋。

大門横丁の賑やかさが嘘のように、空き店舗も目立つ寂しげな一帯にぼんやりと灯りがついていて、それがまた堪らない佇まいです。

味噌ホルモン串

暖簾を潜って店内に入ると先客は中年カップルと年配の男性。カウンターの中に立つのは40歳ぐらいの店主。
カウンター席に腰を下ろし「熱燗をください」というと、「剣菱でよろしいでしょうか」と聞かれ「それでお願いします」と返します。素晴らしいですね、熱燗を所望すると「剣菱」です。こういう酒場はなかなかありません。

外観も渋いですが店内も渋いし、熱燗の銘柄も渋いです。だがしかし、敷居が高いという感じでもなく、居心地はすこぶる良いではないですか。当然初めての店ではありますが、とても落ち着きます。

十数人入ればいっぱいになるでしょうか、小さな店です。しかし、繰り返しになりますが、ものすごく落ち着く酒場です。

カウンターの一番奥は、そこだけ広くなっていてテーブルのようで、見たことがない面白い造り。そこだけ向かい合えるようになっており4〜6人でも呑めるようになっています。

下に貼ったリンクが店内の様子(一枚目の画像)がわかりやすいので、参考までに。

そのテーブル席では年配の先客が、テレビを見ながら煮物をつついて、ビールを呑んでいました。

壁にかかったホワイトボードのメニューの中に「目刺し焼き」を見つけ、それを注文すると、今は切らしているとのことなので、同じくホワイトボードにあった「ミソホルモン串(2本)」を注文。

どっしり旨い「剣菱」熱燗がなくなったので、“今週の焼酎350円”と書かれた「黒伊佐錦」を湯割りでもらいます。週替わりでおすすめの焼酎をお手頃価格で出しているようです。

”今週の焼酎”は、前割りされたものらしく、黒千代香でじわりと温めてから供されます。こういうこだわり、丁寧さが嬉しいものです。

黒千代香で呑む焼酎は久しぶりだなと思いながら手酌すると、これが素晴らしく伸びやかな甘みと風味が感じられ、思わず「うんうん」と頷いてしまいます。

その様子を見ていた店主から、「ご旅行ですか」と話しかけられました。気づくと先客たちはすでに店を後にしており、店内には店主とわたし二人だけになっていました。

そうなんです、と答え、ここは長いんですか、などと尋ねます。14年ですかねー、ぼちぼちですと店主が返してくれ、今日の函館は特に寒いですねー、などと世間話をしてくれます。

久しぶりに旨い焼酎の湯割りを呑んだな思いつつと店内を見渡すと、本格焼酎の瓶がずらり。本格焼酎へのこだわりが、だいぶ強いようです。

次回、また函館に来ることになったら、ゆっくり腰を据えて呑んでみたい、とてもいい酒場でした。

⚪︎地元客で溢れるスナックへ

「らいむらいと」の当て字が素敵です
上品な味わいのおでん

もう一軒、「酒道」の店主に教えてもらった、近くの雑居ビルに入る店に向かいました。ですが、そちらが臨時休業となっていましたので、同じフロアで目に入ったスナック「来夢来人(らいむらいと)」へ。

先客がカラオケを歌うにぎやかな店内へ進むと、気さくなマスターとママが迎えてくれて、ハイボールとアツアツ上品なおでんをいただきました。

盛岡から来た、というと「わざわざ遠くから寒いところまで来てくれて」と喜んでくれました。かなり酔っていて記憶が曖昧ですが、たしかマスターも岩手出身とか言っていたような記憶があります。

地方都市のスナックもたまにはいいものです。ましてやにぎやかなエリアから少し離れたところにあって、観光客があまり寄り付かないような雑居ビルで、常連客が愉しそうにカラオケに興じている地元の日常の光景に身を置くのも、旅行の楽しみの一つです。

ハイボールを3杯呑み、店を後にしてホテルに戻り、「遅いよ、もう寝ちゃうところだったよーー」とムスメに迎えられ、眠りに着いたのでした

⚪︎またまた「茶夢」へ行きました

またまた「茶夢」

翌朝、6時に起き出して、再びどんぶり横丁「茶夢」へ。まだどこかに少し酒が残っていましが、「サッポロ クラシック」の中瓶を注文すると、この日も小皿料理がずらりです。スピード感が素晴らしいです。

ムスメが注文の丼

ムスメはイクラ・ウニ・蟹の身が乗った「函館丼」を。こちらは毛蟹汁つきで、毛蟹汁も二日連続となります。一口食べさせてもらいましたが、いや、もう何も言うことがない美味しさです。

イカ刺し

わたしはイカ刺しを注文。ムスメに食べさせると、「イカってこんなにシャキシャキしておいしいの!?」と驚きの声をあげます。

鮮度だけでなく、イカの身の切り方にも、シャキシャキする要素はあるのでしょうが、さすがの旨さです。

帰り際、女性店員が「昨日と今日と続けていらしていただき、ありがとうございました〜」と笑顔で見送ってくれます。こういうささいな人と人との触れ合いも、旅を楽しくしてくれる要素です。

朝食を終え、ホテルをチェックアウトしたら赤レンガ倉庫の方面へ路面電車で移動し(車内は外国人観光客ばかりでしたね)、港にある「ハセガワストア ベイエリア店」「ラッキーピエロ ベイエリア店」でやきとり弁当とハンバーガーを買い求めた。

それを持って帰りの新幹線に乗り込み、わたしはやきとり弁当をツマミに缶ビール2本(当然「サッポロ クラシック」っすね)を呑むことにしました。
新幹線でローカルグルメを楽しみます。

「ハセガワストア」のやきとり弁当はというと、豚串の脂と塩胡椒が馴染んだご飯がとても美味しく、止まらなくなる味わいです。「やきとり」である豚串は、冷えていても柔らかく、豚の脂が甘くてビールによく合いますこと合いますこと。

ラッキーピエロのハンバーガーは、税抜き400円未満であるにも関わらず(「ラッキーチーズバーガー」というものを購入)、圧倒的な存在感のバンズとパティで、ソースもそれに負けない味わいで、完成度がとても高くて驚きました。

函館では、海鮮、小皿料理、美唄焼き鳥をはじめとした串焼き、ハンバーガーとご当地の美味いものを満喫しました。人も親切だし、酒も肴もご当地グルメも美味しく、やっぱり函館は最高ですね。

⚪︎わが家のルーツはもしかしたら北海道だったような

そういえば祖父が存命のころ、祖父から「ウチの先祖はもともと屯田兵で、それから岩手に移って貧しい百姓になった」と聞いたことがあります。

屯田兵制度は1902年に廃止されていますが、我が家の御先祖は北海道の地にいたのでしょうか、函館も訪れていたのでしょうか。

以前、青森で青函連絡船「八甲田丸」の船内資料館で、本州と北海道をつないだ青函連絡船の歩みと歴史をじっくりと知る機会がありました。青函連絡船は1908年から1988年まで就航し、本州と北海道の橋渡しを担ってきましたが、数々の悲劇(転覆、撃沈などなど)のドラマもあったのです。

それでも本州から北海道へ渡る人々、もしくは北海道から本州へ渡る人々、はたまたどちらかからどちらかへ帰る人々は、悲しみや苦しみや希望をおのおのの胸に抱き船に乗ったのでしょう。

もしかしたら我が家の御先祖も、屯田兵制度廃止ののち、何年か北海道にとどまり、その後に青函連絡船で青森、そして岩手へ移ってきたのだろうかーーーなどと思いを馳せつつ、「舶来居酒屋 杉の子」で女性バーテンダー青井さんが作ってくれたオリジナルカクテル「八甲田丸」の甘酸っぱい味わいを思い返してみました。

盛岡駅に新幹線が到着すると、ムスメが「盛岡は函館よりあったかいねーー」とホームに差し込む西日に眩しそうにしながら言いました。もしかしたら自分のルーツは北海道にあるのかもしれない、なんてことも知らずに。

(おわり)

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