見出し画像

【5/9】三ヶ月ぶりの旅は名古屋! 大歓楽街の酒場をゆく「オフィス街・伏見のバー『Anoter You』で初日の夜は更けゆく」

名古屋初日の夜、最後に訪れた店は伏見駅からほど近い「Another You」というバー。落ち着いた雰囲気漂う大人の店。またまた素晴らしい酒場との出会いがありました。


通りを進むと、、、

栄の「ニケノシマ」で知人と別れ、わたしは一人、名古屋初日の〆の一軒を目指し名古屋駅方面へ歩きます。

栄を離れると徐々に人通りは少なくなり、落ち着いた大人の雰囲気の通りとなってきたころ、突然目の前に「BAR伏見蒸留館」という興味深いスタンド看板が目に入ります。

「おお、なんだなんだ??」とわたしは思わず引き寄せられ、まじまじと看板に見入っていくと、「70〜80年代のヴィンテージボトル専門店」という文字が。

なんと興味深い店でしょう、こんな店は初めてです。どんな店なのか興味が湧き、店がある2階へ上がってみて店内を覗き込むと、確かにオールドボトルがそこかしこにずらり。スタンド看板の謳い文句は偽りがないようでして、猛烈に興味が湧いてきます。

袖看板

だがしかし、この日はお目当てのバーがありましたので、次の晩にでも訪れてみようと考え、「BAR伏見蒸留館」を後にし、再び伏見の通りを西へ西へと歩き始めたのでした。

素晴らしい佇まい

さて、この日の終着点は「Another You」というバー。クチコミなどの事前情報によると、落ち着いた雰囲気の中でジャズが流れ、静かに呑むのに相応しいという評価が多いように個人的には受け止めていました。

果たして、落ち着いた雰囲気が漂うバーのドアを入ると、年配のバーテンダーが一人カウンターの向こうで迎えてくれました。この方がマスターなのでしょう、穏やかな物腰、落ち着いた口調、洗練された所作、この道の熟練であることは明らかにわかります。

まずはジントニックを注文、慣れた手つきで素早くカクテルを作り、「どうぞ」と供してくれます。で、このジントニックがまたこなれた味わいで、軽く汗ばんだ体にじわじわと染み入ってきます。

思わず、旨いです、と声を漏らすとマスターも「ああ、良かったです」とにっこり笑ってくれて、そこから会話がスタートしました。

バックバーには多くはないけれど厳選されたボトルがずらり、そしてそれ以上にレコードがびっしりと棚に並べられ、マスターがアナログ盤をいかに愛好しているかがそこから伝わってきます。

先客はいなかったので、心地よくスピーカーから流れてくる音楽に耳を傾けながら、マスターと一対一の会話を続けます。マスターは名古屋出身で、この店は今年で27年営業されているとのことで、名古屋という大都市の地域性や文化についていろいろ教えてもらいました。

二杯目はバーボンとし、「フォアローゼズ ブラック」をロックでもらいます。これをちびちび呑りながら、会話を続けます。

そうそう、この最高の雰囲気で写真を撮るのは野暮だろうと思い、店内の写真も酒の写真もありません。単純に私は「Another You」という至高の空間で、酒と音楽と空気感とマスターとの会話を存分に楽しみます。

これぞ旅の醍醐味。見知らぬ土地で初めて入ったバーに時の流れを忘れて身を委ね、徐々に、心に抱え込んだ正体の知れない鬱積した感情を昇華させていくことができる瞬間を迎えます。そう、これぞ、旅の酒場の醍醐味。

三杯目はカクテルの女王「マンハッタン」を作ってもらいます。鮮やかな手つきのマスターが作り出した一杯を大事に呑み干し、わたしは名古屋初日を素晴らしい雰囲気のバーで終えたのでした。

(つづきます。)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?